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水仙を描く

カテゴリ:おとなクラス

  • 作成:辻悦子

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◎講師:中上佳子/制作:2016.3月

模写を経て、日本画の制作にもう一歩、踏み込みました。題材は秋谷から取り寄せられたいっぱいの水仙。産地から直接届けて頂いたので、とても丈夫で強い生命力に溢れていました。(自宅に持ち帰っても長い間ずっと咲き続けてくれました)その水仙を今回は円縁の色紙に描きます。模写とは違い、自らの線を描いていかなければなりません。水仙は葉がスラッと長いので、難易度も高いです。今年度最後の作品なので、作品を0から創りだすことに挑戦して頂くことがねらいでした。

0から創るということは、自由である分、とても難しいです。墨線は一発勝負。納得のいく線がひけるまで、生徒の皆さんは真剣に練習を続けられました。スケッチから起こした下図も何度も練り直し、お家に持って帰ってもなお練習を続けられたそうです。昨年の秋から墨線の練習を始められた生徒さんもいらっしゃいましたが、この半年で格段に線が変わりました。正直なところ、ここまで線が変わっていることに驚きました。凛とした墨線、緊張感のある余白、澄み切った色彩…作品が全てを物語っています。合評を行いましたが、私が言葉をつけるとかえって邪魔してしまう様に思える程でした。


感想を述べるとしたら、これらの作品には日本画独特の緊張感が宿っていて、それは一朝一夕に出す事は出来ないという事。水仙に対する感動、気が遠くなる程の!線の練習、お互いを高め合う空気感、全てが重なりあい作品が生まれました。

どんなモチーフからも、学ぶことは無限にあります。
それは、制作というものが自分自身との対峙であり、自分の求める答えは〝今の自分”の中にしか無いからです。自分の中で要らないものを削ぎ、研ぎ澄ましていくのです。言葉にすると抽象的ですが、無心に作品に打ち込み、完成を迎えると実感されると思います。それを可能にする場が、ここにはあります。
『絵を描く』という行為は不思議なもので、実は描く事に留まらず自分の心を高めてくれます。思う様にいかず、失敗も繰り返し、時にどうしようもなく悔しくもなりますが、価値観や目に見えないものを感じとる力は間違いなく豊かになります。私は、普段美術をご専門にされない方こそ、その豊かさがご自分の分野で大きく発揮されると思っています。


この半年間は私自身も成長させて頂ける濃い時間でした。今後、また皆さんの作品を拝見できる日を楽しみにしています。

 

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