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百見は一描に如かず

カテゴリ:小学生高学年

  • 作成:本田 雄揮

皆さん、葛飾北斎の『冨嶽三十六景神奈川沖浪裏』をご存知でしょうか。名前は分からなくても、一度は目にしたことがあるという方がほとんどではないでしょうか。『あっその絵みたことある!』と話した幼児クラスのお友達もいたほどですし、本屋に行くと特集が組まれた雑誌がたくさんあります。そんな老若男女『有名な絵』として当たり前のように知っているこの作品ですが、実際になぜ有名なのか、一体何がすごいのかを語ることができる人は多くありません。パスポートのデザインにも起用されることが決まり、『ひまわり』で有名なゴッホなどもこの作品を始めとする浮世絵に衝撃を受けこぞって真似したという歴史があり、間違いなく日本を代表する作品のひとつですが、海外での評価に対して日本ではその真の価値が徐々に希薄になっているようにも感じます。

今回子供油絵・上級クラスでは、なんとなく知っているこの作品の本当のすごさを、ゴッホのように『描く』ことで理解しよう、ということで模写の制作がスタートしました。

 

作品や作者である葛飾北斎について学んだ後、鉛筆で下描き、現在は墨による線描きの真っ最中です。どんな作品も、描いてみて初めて分かることがあります。波の先端の形、線を引くリズムや方向、その太さの違い、計算された構図…。まさに『百聞は一見に如かず』ならぬ『百見は一描に如かず』。描いてみないと分からない北斎の生きた表現、息づかい。今まで赤の他人だった北斎との距離が、グッと近くなったようで『北斎ここちょっと細かすぎない?』と、気が付かないうちに友達のような感覚で作者と会話をする。もうすでに『なんとなく知っている有名な絵』ではありません。一般的な評価を超え、人とは違う自分だけの価値をこの作品に見出すことができています。

次回からいよいよ色つけ。浮世絵独特の色彩を、絵の具でどのように表現していくのか、とても楽しみです。

 

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☆内部生進級説明会☆

次年度より新しく子供油絵クラスに進級する生徒、保護者の方に向け、入門セットなど用具の準備についてご説明致します(希望者)。ご希望の方は担当講師にお伝え下さい。

日時:3月第1週小学生クラス終業後(3/5㈪・6㈫・7㈬ 18:30~のいずれか)

対象:次年度小学生クラスから油絵希望の生徒・その保護者の方

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