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本田/小学生:筍とソラマメ

カテゴリ:小学生クラス

  • 作成:辻悦子
小学生クラス  2015年5月
 ◎ 感想/講師:本田雄揮(月・水曜日クラス)
 ・季節を感じながらモチーフを観察し描く。
・クレパスによる混色を中心に基本画材を工夫して使用する。
目に映る新緑の色にも深みが増す季節。5月は観察画を行いました。
今回のモチーフは筍とソラマメ。
両方とも食卓ではおなじみですが、調理前のものを見る機会は多くありません。
よく観察すると知らなかった不思議がいっぱい。5感をフルにつかって制作しました。
今回はクレパスのまぜ色を中心に描いていったのですが、まぜ色で大切なことは頭の中にある色を一度リセットすること。
筍は『茶色』ソラマメは『緑』。間違ってはいないのですが、それだけを信じていると、誰が描いても同じ筍とソラマメになります。
観察画で大切なことは自分がどう感じ、何を見つけたか。
こんなところに紫色があるよ。
ここの緑だけなんか違う。
先の方がほんのり明るい色してる。
形や質感も同様で、持ってみないと分からない重さやデコボコ、触ってみないと分からないフワフワやスベスベの存在。
どんなに些細なことでも、自分が見つけたそのことこそが真実です。
どこかで聞いたことのあるホントより、たった今自分で手に入れたホントを信じて描く。
実はそれが本当のリアリティです。
写真の様な作品をリアルと呼びがちですが、作者が感じ発見したことがリアルに伝わる作品こそが真のリアリズムなのです。
前回の空想画の感想で、観察画は山登りだと例えました。
山登りなので一応頂上がゴールです。
ですが遠足の様に全員が列を成して進むわけではありません。
講師は山を準備し『あそこ目指して登ってきてね』と言いますが、『この道を通って来てね』とは明言しません。
子ども達はそれぞれコースを探して進んでいきます。
始めは安全で分かりやすいハイキングコースを歩いていた子も、横道に面白そうなものを見つけたらそちらへ進みます。
崖を上る子もいますし、木をつたっていく子もいます。
同じ山でも目にする景色が全く違うわけです。
頂上に着いた頃にはそれぞれその山の印象が様々、頂上からの景色も違って見えるでしょう。
一度その感覚を覚えたら、次にその山を登る時にもまた違った印象を受けることが出来るでしょう。
それが山登りの魅力。同じリアリティは一つもない。
今だけのリアルを存分に楽しんだ5月でした。
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