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本田/聴想画『月の光』

カテゴリ:小学生クラス

  • 作成:辻悦子
小学生クラス  2015年6月 講師:本田雄揮(月・水曜日クラス)
◎制作のねらい
・音からイメージを広げ、点や線で行う抽象的な表現に挑戦する。
・絵の具での筆づかいや水の量を適切に行い使い方を工夫する。
 ◎ 感想
雨音が耳に心地よい日々。6月は聴想画の季節です。
4、5月と続いてきた春の絵画も、今回で一区切り。
頭の中でイメージを広げ、目や手でよく観察してきた子ども達。
最後は耳を澄ませて音を感じ、それを表現していく少しレベルアップした内容です。
まずは全身で音を感じる為、リラックスできる体制に。
灯りを消した中、教室の床にゴロンと仰向けになり静かに目を閉じ耳を澄ませます。
始めは興奮していた子も、静かに流れるメロディーにいつの間にか心が落ち着き、起き上がる時には全く違った表情。
さっきまでとは違う気持ち、感覚がなくならないまま、絵の具で表現。
色はどんな?動きでやってみると?スピードは?
完成したイメージはありません。小さいけれど確かに感じたことを手掛かりに、具体的なものは描かないことを意識し、少しづつ筆を進めます。
戸惑いながらも、徐々に視覚化されていく自分だけが感じた音の世界。
子ども達が面白さを感じるのに時間はかかりませんでした。
そこからさらにイメージに近づく為の工夫が生まれ、完成作品は同じ音とは思えないほどに皆バラバラ。
その違いこそ、自分が感じたものを表すことが出来た何よりの証です。
今回は同じ曲で白と黒の2枚の画用紙に描くということに挑戦しました。
始めは使い慣れた白い紙に絵の具で。
その後黒い紙にサインペンと白いポスターカラーのみで。
同じ曲に異なるアプローチをすることによって、自分だけが感じたこと、やりたい表現がより明確になります。
抽象的な表現は、絵画や彫刻の中でも『なにがよいか分からない』と敬遠されることが少なくありません。
その一因に、言語化することが困難と思われているからです。
しかし、本来絵画や彫刻などの作品に言語は存在しません。
それを無理に言葉で表そうとするから、そこにいびつさが生まれるのです。
曖昧なものを表現すること。
それは曖昧なものを形を歪めずそのまま許容できる感性を持つこと。
自分だけの感性を磨き広げる第一歩が踏み出せた6月でした。
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