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夏の表情

カテゴリ:小学生クラス

  • 作成:本田 雄揮

夏休みも後半に差し掛かり、そろそろひぐらしの鳴き声が夕刻を湿らす頃。約1カ月半に渡る夏の工作も無事完成を迎え始めました。それぞれの考えた『顔』、並べて飾ってみると中々の圧巻で、作品に込めた願いやこだわりが実に様々で実ににぎやか。見ていてとても楽しい気持ちになれるものでした。

今回は、ただ『面白い顔』をつくるのではなく、その顔の性格や年齢、特徴や口癖など、細かい設定を基に進めました。絵画では見られなかった意外性のあるものも飛び出し、アイデアスケッチの時点でかなりの盛り上がり。その勢いのまま制作に突入。ハンガーとネット、粘土による基盤づくり、パーツ付け、彩色…。工程は多いものの、毎回しっかりと集中し、着実に出来上がっていく顔は、徐々に誰かに似てきたような…。最後にニスを塗り、完成させた作品は、作者と同様、どれも溌剌とした輝きを持ち、空想世界の顔で人間ではないはずなのに、全ての作品が作者本人を強く思わせ、「ああ、こんな顔するよね」と妙に納得してしまうものばかり。最早顔というより虫に近い(!)ものまで、そう感じさせてくれるから不思議です。それはきっと、作者の考えたどこにもない新しい顔の上に、自分でも気づかない、しかし確かにここにある、自然と滲みだした自身の『表情』が、見事に合わさったものだから。素直にそして真摯に作品に向き合ったからこそ表すことのできた、作者の『今』の表情。そして、知ってか知らずか新たに考えた設定は、作者の未来のどこかにある願いを込めた『これから』の顔なのかもしれません。

夏の開放感の中で生まれた、『今』と『これから』を映した作品。是非長くお家に飾って下さい。

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