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本田/小学生:花器と春の芽吹き

カテゴリ:小学生クラス

  • 作成:辻悦子
小学生クラス  2013年3月
 ◎ 感想/講師:本田雄揮(月・水曜日クラス)
 今年度最後の制作『花器と春の芽吹き』。大変有意義なものとなりました。生け花の持つ空間美。その凛とした空気が教室全体に広がり、心地の良い雰囲気の中、個々が持てる力を十分に発揮できました。
3月の制作は、例えるならば『花』です。春に芽を出し、夏に枝葉を広げ、秋に色付き、冬を超えて膨らんだ、子ども達それぞれの『感じ、表現する力』の蕾が、いよいよ美しく咲く。まさに集大成です。
花を咲かせるのに必要なことは、蕾に直接手を加えることではありません。それは無理やり早く美しく咲かせようと『結果』を焦るあまり、余計な歪みを持った花になってしまいます。大切なことは『土』です。
アトリエ5では、1年かけてゆっくりと様々な栄養分を土に含ませ、それを子ども達が自ら吸収し、ゆっくりと着実に成長してきました。
最後にどんな花を咲かせるか、それは子ども達が自ら選択するものです。土づくりを終えれば後はその力を信じ、じっくりと見守る。それが講師の、そして大人の役目です。余計な指導は極力控え、制作中の選択を出来るだけ各自に委ねる。そうして咲いた花は、色、かたち、大きさは全て異なり、しかしその全てが『美しい』と言い切れるものでした。
ある小2の男の子が、制作中に誰ともなく呟きました。画面に絵の具でのせた濃いめの藍色、それをじっと見て「…つよいなー」と一言。
この一言が私は忘れられないほど印象深く心に残りました。
なぜかは複雑でうまく説明できませんが、少なくともこの言葉は、彼が自ら育ててきた「花」が素晴らしく咲いたことを十分に感じさせてくれるものでした。
それぞれが見つけた『感じ、表現する力』。この先もゆっくりと力強く育んで欲しいと思います。1年間ありがとうございました。
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