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季節を紡ぐ

カテゴリ:小学生クラス

  • 作成:本田 雄揮

cimg5218cimg5247 窓から差し込む光が部屋の奥まで長く伸び、外の空気を伝えるそんな季節。約二ヶ月に渡って制作した冬の工作『早春の野原』も、先日無事完成を迎えました。冬の寒さを感じながら春の訪れを想像し糸で丁寧に形作っていくこの作品は、アトリエ5のひとつの象徴といえるものです。チクチクと一針ずつ地道に進めた線は、まるで一日一日移ろう季節の変化。それらが集まって歓びの季節を告げる風となり、羊毛やビーズの色をより美しく咲かせます。同じことをしているはずなのに、一人ひとり作品から溢れる美しさが異なるのは、それぞれが新しい素材との出会いに感動できたから。使い慣れていない針や糸や羊毛と、何度も格闘しながら獲得した自分だけの感動は、作品の中に柔らかい温もりとしてモフモフと詰まっています。

季節というものは繰り返し訪れますが、全く同じ時は一度もありません。それはこどもと同様です。何度も失敗し、同じ場所を巡っているように見えても、内面は常に変化し、確かな成長へと繋がっているのです。こどもを見ることは、季節を敏感に感じ取ることと同じ。たくさんの玉結びを手伝いながら、そんなことを感じました。こどもと共に変化を紡いでいく喜び。冬から春へ。作品展の季節が今から楽しみですね。

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