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山田/日本画:細密描写「枝」

カテゴリ:おとなクラス

  • 作成:辻悦子
日本画クラス /2013~2014年 秋冬 ◎ 感想/講師:山田 稔子(土曜日午後クラス)
日本画クラスの方々の作品を紹介します。
アトリエでのキャリアも長く、表現力のある四名です。
これまでの様々なモチーフの写生や技法の習練を踏まえ、
秋冬にかけ基礎演習として「枝」の細密描写に取り組みました。
枝切れ一本という一見地味なモチーフ。背景もなしです。
意図やねらいは後回し、まずは写生。素直に対象と向き合うことを通して、
何が自分の心に響くのか、それぞれの美の感覚が導き出されます。
写生で捉えた対象の姿を墨の線で丁寧に写し取り、形を定めます。
最初の色・水干絵具での下塗りには、表面に見えている木肌の色ではなく、
「対象の内側に感じる色、感触や重みの印象の色」を選び置いてみました。
朱があれば緑もあり、紫に紅色と、それぞれの捉え方の違いが現れました。
ここから、重ねて複雑な色を表現していく彩色描写がスタートです。
土や貝殻・鉱物でできた顔料と膠を、皿の上に指でゆっくり滑らかに溶く。
筆に含む水分量に気を配る。筆先を立てるか寝かせるかで違う絵の具の降り方。 塗った絵の具が、紙の上でよく乾いているか、表面温度で確かめる。
日本画の制作は、非常に触覚的です。
時間がかかりますし、扱いのコントロールが微妙です。
ほんの少しの加減で変わる効果との呼応で進めます。
一進一退に思えても、日進月歩。皆さん丁寧に、根気よく、
そして少しずつ着実に勘を身につけていかれる過程が見てとれました。
細密描写ですが、単なる見た目の写しではない実在感を目指します。
それは、対象そのものと、描く人の間にあると思います。
そこにその人の個性が表れるのではないでしょうか。
想いも、描きぶりも、四者四様。
完成時には、背景にスっと空気が抜け、主題がふと立ち上がるような感じがありました。
それぞれの方の持ち味が滲み出て、シンプルながら味わい深い作品となりました。
今回の制作で得た感覚を、是非次回作にも活かしてゆきましょう。
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