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向かい続ける力

カテゴリ:中高生クラス

  • 作成:本田 雄揮

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4月から約4ヶ月間取り組んできた中高生クラスの油絵「春の静物画」が、ついに完成を迎えました。

曜日毎に講師が定めたねらいを深め、決して長くはない時間の中それぞれ何が出来るかを工夫し、真剣にキャンバスと向き合いました。

新たな技法や表現、制作中の見方や考え方など、今まで描いてきた油絵から一歩進んだ「描くこと」への取り組み。

特に新高校生は、キャンバスを今までのF6からF10にサイズアップしたことによって表現の幅が広がり、そこから新たに生まれる面白さや難しさと毎回格闘していました。

おそらく「うまくいかない」ことの方が多かった今回の制作。やりきれた要因は、長年の「作品と向き合う」キャリアでした。

制作は誰に強制されるわけでもないので、続けることも諦めることも自分の気持ちひとつ。

「楽しい」が原動力だった小学生が、鉛筆デッサンや子供油絵クラスで表現の「面白さ」を知り、中高生となって自分だけの「興味深い」を模索する。

成長と共に制作に対する気持ちや姿勢が変化していく中で、全員に共通して言えることは、時を重ねれば重ねるほど制作することが自分にとってかけがえのない、大切なものになっていくこと。

困難な課題に、自ら培った経験や感性で挑み、新たな何かを獲得する。

その先にある喜びは人生の宝。知ってしまえば諦める選択肢は自ずと姿を消していきます。

「作品と向き合い続ける」ことでしか得られないものが確かにある。

真剣な眼差しでキャンバスを見つめる中高生が、無言で教えてくれたことです。

デッサンを始めた小学生の皆さんも、これからこの場所でより多くの、自分だけの宝を増やしていって欲しいです。

 

一方、先日行われた夏の美術鑑賞会。アトリエでは見せない、実に中高生らしい笑顔でとても楽しく過ごしていました。

ただ、作品を前にしたらやはり真剣。明らかに他の観覧者と目の色が違いました。

これも、作品に向かい続けることで培われた「受け取る力」なのでしょう。

新鮮で豊かな感性。秋の制作でどのように形を変えていくのか、とても楽しみです。

 

 

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