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おとな デッサン/特別講座木炭デッサン『塊』

カテゴリ:デッサン油絵

  • 作成:本田 雄揮

梅雨入り前の先週の土曜日、本年度最初のおとなクラス特別講座『木炭デッサン』が行われました。初参加の方が多い中、普段レッスンで行っている鉛筆デッサンとの違いを感じ、『塊』としてボリュームのある表現を意識することを目標に、大変充実した内容となりました。ご参加下さった皆様、誠にありがとうございました。

 

今回のモチーフはジャガイモ。ゴロッとした物質感を表していく為、複数をねらいをもって構成し、まずは細部に拘らず大きな手の動きで木炭の粉を乗せていきます。実際にジャガイモと触れあい、その手に残る触感、印象をダイレクトに、まさに粘土で造形する様に直接その手で紙に触れ形を起こしていきます。木炭の粉はほとんど定着力がありませんので、指で触れる、もっと言うと風が吹けばハラハラと重ねた黒さが取れてしまいます。ですので黒さを積み重ねるだけでなく、黒から白へ、『明るさを描く』ことがとても重要になります。鉛筆デッサンとは異なるその感覚をつかむのになかなか苦労しますが、その感覚こそ、皆さんに獲得して頂きたいものでありました。

 

また、『塊』としての表現、全体を見ることへの認識。ひとつひとつのジャガイモを順に仕上げていくのではなく、まとまった複数のものを『ひとつのもの』と捉え、大→中→小という視点を使い分けること。これもまた皆さんに知ってもらいたかったことのひとつです。ですので今回のレッスンスタート時に、若干乱暴な言い方ですが『細部は無視、ほっといて構わない』と話し、通常考えているデッサンのゴールとはまた別の完成を目指しました。試行錯誤の末、結果皆さんに楽しんで頂けたこと、大変嬉しく思います。

 

絵画に写実や抽象があるように、デッサンにも目的にあったゴールがあって良いと考えます。『何を』描くのか、時には視点を変えて考えてみることも必要です。そんな時に新たな画材に挑戦してみることはとても効果的です。木炭デッサンが皆さんの新たな扉を開いてくれることを願って。

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