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本田/小学生:ドラゴンフルーツ①

カテゴリ:小学生クラス

  • 作成:辻悦子
小学生クラス  2013年5月
◎作品のねらい
 ・5感をつかってモチーフを観察し特徴を捉える。
 ・クレパスによるまぜ色や補色の効果を理解し、表現の幅を広げる。
◎ 感想/講師:本田雄揮(月・水曜日クラス)
5月。青々と木々が生い茂り、新しい環境にも慣れてきた頃、小学生クラスでは観察画を行いました。
今回のモチーフは『ドラゴンフルーツ』。あまり馴染みのない食べ物です。
初めて見る子、数回食べたことのある子など、個人差はありますが、なかなか珍しいものであることに変わりはありません。
珍しいからこそ、新鮮な気持ちで観察することが出来るものです。
まずはドラゴンフルーツとの対話から観察を始めました。
初対面から徐々に会話をしていき 仲良くなっていく友達の様に、それぞれドラゴンフルーツとの関係性をつくっていきます。
なんとなく見ているだけではよい関係は築くことはできません。においや音、手触り、大きさや重さなど色々な角度からアプローチしていきました。
彼(彼女?)のことをよく知ることができたら、クレパスのみで描いていきます。
色づくりにこだわりながら、まぜ色を駆使し、美しい表現を目指します。中には表面の点々を表すのに、画鋲で紙に穴をあける子も。(4月のレッスンがうまく活きています!)
ドラゴンフルーツは色が非常に特徴的です。1色のみでは絶対に表現できない複雑さ。苦戦しながらも各々が素直に追及した色で描くことが出来ました。
1個だけでは物足りない子は、半分に切ったドラゴンフルーツもプラスで描きました。
食べたことのない子も多くいたので、切る前に中の様子を想像し、ドキドキしながらナイフ入刀。
「おぉ~!つぶつぶだ!」「白い!」「ゴマごはん!」とユニークな感想。
「ゴマごはん」が気に入った講師は、その後この言葉をつかい続けました。
次の回では絵の脇役となるラディッシュと緑色のビンを描きました。
なぜ、ラディッシュなの?どうして緑色なの?
てきとーに決めたのではありません。ちゃんと理由があります。
ここで簡単に色のお勉強をしました。
まぜてもつくれない3原色や色相環、補色など、色を知るための第1歩。
ちょっと難しい話なので、最初はポカンと聞いていた子ども達。ですが話の後、実践で効果を試してみると納得!
ドラゴンフルーツのボリュームのある美しい赤紫に、類似色のラディッシュのリズム、補色の透明なビンがよく合います。
絵にバランスが生まれ、無意識にも絵の関係性を感じるようになります。まぜ色の幅もグンと広がりました。
あるクラスでは講師の「かげは黒いんじゃなくて暗いんだよ」発言に奮起し、かげの色づくりに夢中になりました。
最後に水をうまく使用しながら絵の具で背景を描き完成。
この季節にピッタリの爽やかな作品となりました。
観察といっても、ボンヤリ見るだけでは何も描くことはできません。
あらゆることを試み、時間をかけて体全体で「感じ取る」ことこそ、本当の観察です。
また、「観察」することは「考える」ことの基本です。
「感じ取り、考える」。この繰り返しで、表現はどこまでも伸びていきます。
いつまでも新鮮な気持ちで、ものごとを観察して欲しいですね。
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