春日/5の画材:鉛筆と消しゴム
カテゴリ:5の画材
- 作成:辻悦子
今月末で退職する春日の功績を讃え、5年前のブログを再度掲載します。
作品展の案内状でもお馴染みの「5の画材」はこうして産まれました。
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◎小学生クラス アシスタント:春日千尋/投稿 2014年3月18日
今月から子ども達の制作を支えるアトリエ5の画材たちをご紹介します!
レッスンの端っこで起きたきらめきのエピソードなどもお伝えしたいと思います。
第一回目は「4Bの鉛筆と消しゴム」です。
アトリエ5では人物クロッキーをする時、最初の10分間だけは消しゴムを使わずに描きます。
「どうして消しゴムを使っちゃだめなのかな?」講師の問いかけに
「消しゴムを使うと線が甘えちゃうから!!」と答える子ども達。
甘えのない線を引くこと。
そんな絵を描く格言のような言葉があっさりと子どもから出てくるので驚きます。
ここに通い始めてからずっと「大切に真剣に一本の線を引く事」を心がけて
絵を描いてきたからこそ出た言葉なのでしょう。
アトリエ5で使っている北星鉛筆の「4B」の濃さは固すぎず柔らかすぎないので
心の動きがそのまま出るような、表情豊かな線を引く事が出来ます。
サラサラ シャカシャカ フンフン フーフー
教室は鉛筆の音と子ども達の呼吸する音のみです。
途中、悔しそうにこっそりと手を上げる女の子。
「先生‥ どうしても消したくて消していい?」
真剣に描いていると、消さねばならない線も分かるのですね。
よく観て、描いて、考えて、消して、また観て描くの繰り返し。
鉛筆と消しゴムはそうあるべきか、そうでないべきかといった
自分の判断を表現するはじめの道具だと思ったのでした。