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中高生 油絵/秋の制作「道具と色」
[中高生クラス] 2025.01.22
中高生 油絵/秋の制作「道具と色」
   大寒を迎え、一年で最も寒さの厳しい季節となりました。    中高生クラス、秋の油絵制作「道具と色」。4ヶ月の制作期間の後、年明け初回のレッスンにて合評会を行い、締めとなりました。    今回は各自が持ち寄った「道具」「自身が選択した色のもの」と、教室準備の「グラス」「アクリルケース」を組み合わせ描くというもの。  目標は、観察をもとにした描写をすること。    完成作品について、総じて皆の今持っている視点や価値観、技術が分かりやすく表現され、頑張りが感じられる一方、新たな壁、課題も充分にみえた制作でした。   合評会を終え、それぞれが感じた今後の課題は決して少なくはないと思いますが、忘れずにしっかりと心に留め、次の制作に活かしてください。    制作中に「よくみて描く」とはどういうことか、ところどころで話をしましたが、憶えていますでしょうか。  油絵制作に対して慣れてきた今だからこそ、一度本当に基本的なことを見直し、もう一回行ってみても良いのかもしれません。   自身が以前よりどう成長しているのか、振り返り自覚をしつつ、次の課題へと向かっていってください。  
中高生 油絵/春の制作「白」
[中高生クラス] 2024.08.10
中高生 油絵/春の制作「白」
中1↓ 中2↓ 中3↓ 高1↓ 大1↓ 連日続いている暑さの終わりは、まだ見えません。そんな日々の中、アトリエ5の中高生達はとても元気に部活や勉強、また夏の思い出づくりに勤しんでいるようです。   4月から始まった春の油絵制作、7月末に完成後8月初めに合評会を行い、ひと区切りとなりました。   今回のテーマは「白」。生徒各自がテーマに則したモチーフを準備し、教室準備のモチーフ(電球、蛍光灯、マシュマロ、トレーシングペーパー)と組み合わせ描くというものです。 全体での目標は幅広い色づくり、また絵の中で「関係性」を構築していくこと。これに各個人の目標を併せ制作しました。   完成した作品群は非常にバリエーション溢れるものとなり、その原因として、今年度から生徒数がさらに増加したこと、また中1から高校生、大学生と、例年より年齢幅が見られたこと、さらにそれによって各年齢差に拠る経験値の異なりに起因する表現幅が、段階的に理解しやすく、分かりやすくなったことがあるのではないかと考えました。みなさん大変よくできました。     中高生クラスでは、その時々のテーマに対して各自が「どういう絵にしようかな?」と、「答え方」を考えて描き進めます。言い換えますと、必ず作品の「ゴール(目標)」を自分自身で決めなければなりません。   小学生高学年クラスの油絵制作では、油絵の基礎基本を学び慣れるという目的がありますので、「答え方」についてはそこまで意識せず、むしろ制作の中で自然発生した自らの絵の良さ、魅力、を知ることが大切になります。   翻って中高生クラスは、その点を意識的に、または自覚的に深掘りしていくことを重要としています。そうすることで、油絵制作を介して生徒の自己形成、アイデンティティー構築の一助となると考えているからです。   「答え方」を考え実行することは、もちろんすぐにできるものではありません。身につけるには単純ですが繰り返し行うことが何より肝要です。     今回の制作で、改めてその肝要さを、また中学生の中学3年間における飛躍的な変貌とその面白さを感じることができました。       中1で、戸惑いながらもまず考えてみること。(「答え方」を考える筋肉を使ってみること。) 中2で、考えたことを少し変えたり、広げてみたりすること。(動くようになった筋肉で、いろいろな運動をしてみること。) 中3で、広げた「答え方」から取捨選択し、それを楽しむこと。(動きたいように動けるようになること。)       中学生は3年間で畏怖するほど急速に(また半強制的に)自己の世界を拡充させていきます。 そしてその人生で最も著しい成長の最中で、何においても過渡期と謳われる中で、この3年間の(絵画制作における)成長はある意味でひとつ完結した、完成の様相を呈しているように思われました。   成長することとは、積み重ねることとともに、積み重ねたものを打ち壊しもう一度積み重ねることでもあります。一度完成した砂の山をもっと高く立派にするためには、一度、ある程度崩さなければなりません。   「答え方」を考えられるようになった、特に中3のみなさんは、次にそこから離れ、新たな「答え方」について考えてみてください。それができるのもまた、中高生の特権ですので。       兎にも角にも、現在進行中である、世界の拡大、視野の広がりとともに増加した認識できること、その中で今の自分ができる最良の「答え方」をこれからも考えていってもらえれば嬉しいです。    
中高生 油絵/聴想画・抽象表現
[中高生クラス] 2024.05.01
中高生 油絵/聴想画・抽象表現
新年度が始まって1ヶ月。皆様、新たな生活にも慣れてきた頃でしょうか。ツツジが美しく街を彩っていますね。今年度もよろしくお願いいたします。   今年度の中高生クラスは昨年度よりひとクラス増設され、4クラス総勢27名。各クラス初回から活気あふれるレッスンとなり、フレッシュな中1からベテランの高校生まで、これからどのような表現を見せてくれるのか、今から楽しみです。勉強や部活、友人関係など、諸々忙しいとは思いますが、アトリエ5での時間を各自で有意義なものとしていただきたいです。   冒頭の作品画像は、昨年度行った中高生クラス秋の油絵制作「聴想画・時刻と天候」です。   小学生クラスで行った聴想画と異なるのは、中高生クラスでは各自が曲を決めること。テーマからそれに見合う曲をそれぞれが選択し、イメージを構築していきます。流行りのポップスから海外の民謡、映画やゲームのテーマソング、誰もが知るクラシックなど、実に多様な曲がモチーフとして名を連ね、それだけでも生徒一人ずつの解釈や知見の幅を感じることができました。   また、描き進め方も小学生クラスの聴想画とは大きな違いがあり、それは「曲への理解を深めた上で、直接その曲を想起させるような表現、ないし具体的な表現は行わず、自分なりの新たな解釈を得た上で抽象的に表現する」というものです。   具体的な表現を行わないとは、例えば車のCMで使用されている曲を使用した場合に、直接車を描くことはもちろん、そこで用いられているデザインされたイメージカラーやトーンなども用いらないということです。なぜならそれはもうすでに「誰かがその曲で表現したこと」だからです。「模倣」は学び方の一つとして優秀ですが、ただの安易な便乗は今回は避けて然るべきとしました。   とは言っても、もとより音楽とはたくさんのイメージが付随するものです。そこからの脱却、新たなイメージをつくり上げることは、そう易々とできるものではありません。   ですので制作ではまず、曲についての主観的、客観的双方のキーワード集めから行い、そこから簡単なスケッチを行うこと数回、ある程度の抽象的な視覚情報にまとめ、それを繰り返し取捨選択しながらスケッチブックに情報を精査、積み重ねていきました。さらに、意外性や偶然性をもたらす為に異素材でのコラージュを行い、自身の手中のみからでは得ることのできない視点を手に入れて、そこでようやくキャンバスへと移行、油絵に取り掛かりました。   制作期間のおよそ半分をアイデアスケッチに費やし、曲を通して「自分が表現してみたいこと」を模索した結果、皆、大多数の人が持つと思われる、その曲の月並みなイメージから、見事殻を破り、各自の解釈が表立って印象付ける、一枚の絵画として成立し得る抽象作品となったと思います。     今回の制作で行ったプロセスは、聴想画に限ったことではなく、あらゆる表現を行う時に利用できることであると私は考えます。静物画を描く際にも必要なことです。選択し、新たな解釈を得て、さらに選択し、突き詰めていく。この繰り返しを行うことでしか、理解できない「自分」があります。すぐにはできませんが、ちょっとずつ理解していってもらえると嬉しいです。   新たな気持ちと共に継続による充実感も併せ持ち、今年度も頑張っていきましょう。
中高生 油絵/布の動き
[中高生クラス] 2023.08.07
中高生 油絵/布の動き
止めどなく流れる汗を拭い、ふっと見上げた蒼天が不意に心を奪って、蝉の声もどこか遠のいていったような気がしました。 今年の夏は猛暑日が続きますが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。 中高生クラスでは夏休みに入った生徒達が、宿題や部活などに追われながらも、相変わらず元気に通っています。今年度から進級した1年生も、この4ヶ月で中学生らしい表情になってきましたね。   先日は春の制作『布の動き』の合評会を終え、クラスの仲間と共に成長を認め合い、自らの強みやこれからの方向性などを確認することができました。 どの曜日も良い合評会でした。   昨年に引き続き大所帯の中高生クラスですが、人数が多い分、生徒達の多彩な様子が伺えます。 先週と今週で異なる表情をしたり突然背が伸びたりと、皆がそれぞれ行ったり来たり、ゆらゆら変化すること著しい中学生、諸々柔軟で不安定、思春期、青春。   そんな中、(今回の合評会でも述べましたが)私が思ったことは、絵画制作において、今現在それぞれ自身が『できること』に対して自覚的になって欲しいということです。 自分の長所、強み、得意分野は何か、に対して考えを深めることで、中高生クラスとしての制作基盤ができ、新たな挑戦へ手を伸ばす余裕が生まれます。その挑戦の中から『こんな絵が描きたい』という目標が見えてくるのです。   もちろん、『できること』は現時点のもので、いつでも変わっていって良いです。固執すると挑戦もできなくなりますので、中学生自身のように、可変的、(時には自ら壊すもの)と捉えていただきたいです。     自分がどうして立てているのか、まずは足元の地面を観察し、次に視線をあげ、そうして目指すべきものを探し、空を見上げる。 その繰り返しが、中高生の自己形成時期の一助となれば大変喜ばしいことです。          
中高生 工作/夜のかたち
[中高生クラス] 2023.03.29
中高生 工作/夜のかたち
桜も盛りを迎え季節はもうすっかり春ですが、夜はまだまだ冷えますね。中高生クラス、冬の制作で行った工作『夜のかたち』も、年度終わりとともに完成を迎えました。『夜』をテーマに各自イメージを広げ、粘土とガラス石等を使用し、木枠に固めていき、壁掛けのオブジェへと仕上げました。粘土の質感、フォルム、コントラスト等を工夫し、『夜』への憧憬、畏怖、諸々併せ持つその美しさを表すことにより、各自の『今』が色濃く反映された作品となりました。 中高生クラスでは今まで油絵中心の制作で、工作を行うことはあまりなかったのですが、生徒の粘り強い要望によりとりあえずやってみようと今回実現した次第です。学校の美術ではできない、やらないような内容、久しぶりの粘土の感触、中高生になったからこそできる挑戦的な表現に、この3ヶ月間、生徒達は心から楽しんでいたように感じます。 『お腹が減るのは、胃が空っぽというよりは、血液内の栄養が不足しているから』と何かで聞いたことがあります。定かではありませんが、中高生の工作、立体作品制作への渇望も、きっとそのようなことだったのでしょう。今回の制作が、各自の血肉となったのであれば、思い切って行った甲斐があるというものです。また、さらに内なる渇望の声に耳を澄ませ、次から次へと挑戦していってもらいたいと思います。何せ今が人生で最もお腹が減り、その分成長する季節なのですから。    
中高生 油絵/風景とドライフラワー
[中高生クラス] 2022.01.17
中高生 油絵/風景とドライフラワー
近所にある早咲きの紅梅が、凛と澄む青を背に今年も楽しそうに開いていました。皆様、本年もどうぞ宜しくお願い致します。   中高生クラス秋の制作「風景とドライフラワー」も、年明けの合評会を終え、無事完成となりました。 例年にも増して成長著しい今年の中高生ですが、今回の制作はまたひとつそれを実感できたのではないでしょうか。ドライフラワーとそれに合う景色を各自が選び、画面上で組み、いつもとは異なる「空間づくり」がテーマの制作。室内、抽象、海、建物…と描く対象は様々、ドライフラワーの加え方もまた万別。それによって技法も油絵の特性をより活かしたものを選択、新たな挑戦へと至ることができました。   今回のテーマである「空間づくり」とは、単に遠近法を用いた「広さ」を描くことのみではありません。色、形、質、光とかげ、構成、そして作者の感性が、画面上で化学反応を起こし生まれる「ワンダー(驚き)」によって生成されるもの、それが絵画における、また絵画にとって大変重要な「空間」です。意外性のあるモチーフの組み合わせ、見たことの無い色のハーモニー、ハッと目を覚まさせられたかのような構図、心震える絵の具の質感。初めての出会い。   しかし、それはただ派手に奇抜さのみを狙えば生まれるということではありません。大切なのは、自分にとっては「あたりまえ」で良いということ。己のあたりまえに「いいな」と思う気持ち、もっと単純にいえば「好き」を表現しようとする姿勢。それには、今まで自分が見て聞いて経験したあらゆる事象によって構築された内に在る「センス(感性)」を見つめ、何度も洗い直し何度も練り上げ、心から信じることが必要であるということ。誰かの「好き」を目標とせず、自分にとっての「好き」に忠実であること。それらを経て初めて、他者にとっての「ワンダー」となり得る空間表現ができるのです。   どうか皆さん、少しでも多くいいなというものと出会い、そこからさらに成長する自分の「センス」を磨き上げ、心から信じ、どんどん表現して下さい。それが私の思う、中高生クラスの制作目標のひとつでもある「能動的姿勢」です。今回の制作から次の制作へ、またどのような「空間」が生まれるのか、とても楽しみです。    
中高生 油絵/玉ねぎと紙
[中高生クラス] 2021.08.19
中高生 油絵/玉ねぎと紙
夕立の後にひぐらしの声がぬるい風と共に聞こえてくるようになりました。夏もそろそろ終わりを迎えようとしています。中高生クラス春の『玉ねぎと紙』の制作、8月初めに合評会を行いました。木、金曜両クラス共、新中1を多く迎え活気と熱気に溢れた制作となりました。   『日常にありふれたものを新たな視点で捉え、自分なりの答え方=表現を試みる』というテーマを掲げ、各自構成、配色、筆致、陰影などを工夫、小学生時とは一味も二味も異なる『油絵』を目指しました。   講師の意図としましては、皆キャリアのある生徒達ですから、その中でなんとなく構築されてきた『油絵像』に腰を据えずに打ち破り、油絵という画材の無辺の可能性に一歩踏み出して欲しいということ。また作品制作に対し、より能動的な姿勢、言うなれば『わがままさ』を獲得して欲しいということでした。要するに『絵を描くこと、表現することをさらに真剣に考え、その先の楽しさを知って欲しい』という願いです。   そのような講師のねらいから、生徒は指導の中で頭を悩ませた場面が多くありましたが、学年やキャリアの異なりの中、それぞれがそれぞれのゴールを迎えられのではないでしょうか。   作品のゴールはもちろん一つではありません。また、最初からどこかに存在するものでもありません。さらにそれが常に喜びを伴う訳でもありません。 どこをとっても特徴のない広大な荒野のどこか一点に小さな旗を立てるように自らがゴールはここと決めます。他の誰も決めてくれません。それが正解なのかどうかは、分かりません。しかし、それで良いのです。『失敗した』と落ち込んでも良いのです。それを繰り返しているうちに、今まで気が付かなかった何かに触れることができるようになり、時々たまに楽しくなるのです。   油絵の楽しさ、絵を描くことの面白さをさらに求め、どんどん次のゴールを目指していって下さい。    
美意識を携えて写真を撮ってみよう
[中高生クラス] 2020.05.18
美意識を携えて写真を撮ってみよう
若葉を濡らす滴りに耳を澄ませ音より知る季節の移ろいは、日ごとに過ごし方を変えてみるのも面白いことを教えてくれます。中高生の皆さん、いかがお過ごしでしょうか。今年度もクラスを担当する本田です。お久しぶりですね。進級や進学、普段の学校生活がままならない状況で、煩悶を重ね夜更かしなどしていないでしょうか。風の噂では学校からの課題がどっさりだとかなんだとか。何かと忙しい中、絵を描くことから遠ざかってしまっているかもしれません。しかし、如何な状況であれど自分の感覚を磨くことは可能です。例え筆を握らずとも、今だからこそ教室では出来ない美術の学びがあります。今回はお手軽に出来る方法を提案しますので、是非試みて下さい。   ☆絵画的写真を撮ってみよう 絵を描くような気持ちをもって写真を撮ってみましょう。構図や構成、色彩バランスの勉強になります。「どのように捉えるか」を意識し、普段とは異なる作品性を考えた写真を目指しましょう。 【準備】 スマホ、またはデジカメ 【方法】 室内、または近所で気になったもの、見つけたものを写真に撮る。 【注意】 写真を撮る際は、周辺に気をつけましょう。また他人のプライバシーを守り、安全を考慮して行いましょう。 【コツ】 概ね油絵制作の始まりに行っていることと同じです。これらを大切に行ってみて下さい。   ①対象との距離を変えてみる。 撮りたいものを見つけたら、すぐにシャッターを切らず、近寄ってみたり離れてみたりしてみましょう。それだけで見え方に変化が生まれます。   ②視点の高さを変えてみる。 直立した自分の目の高さからではなく、座ってみたりしゃがんでみたり、見上げたり見下ろしたり、さらに斜めになってみたりしてみましょう。少し変えるだけで異なる面白さに気が付きます。   ③余白をつくってみる。 撮りたいものを画面の真ん中にいれるばかりではなく、少しずらして撮ってみましょう。絵と同じで、背景となる周辺部分の「余白」をどのように扱うか、時にはその「余白」を主役として考えてみましょう。   ④なんでもないものを面白くする。 撮りたいものが見つからない!と言う場合は、特にこだわる必要はありません。何でもないものを撮ってみましょう。その際①~③のコツを意識し、コラージュや油絵を制作しているように、どうしたら面白い画面になるか考えることが大切です。猫やタピオカじゃなくても、例えば机の角や何でもない壁の汚れも、撮り方によってよいモチーフとなります。むしろその方が、実は面白くなることが多かったりもします。     如何でしょうか。普段の油絵制作の初めに行っている構図・構成の工夫を、今回は写真で練習してみるという訳です。写真なので何枚も撮ることができますし、何よりお手軽です。デッサンする時間や気力がないよ…という場合でもこれならできそうですね。たくさん撮っていくうちに、何が良い構図か、どうすれば美しい構成となるのか段々分かってきます。そしてさらに自分がどういうものを美しいと思っているのか、自分なりのものの見方を知り美意識の参考資料として新たな気づきも与えてくれます。大切なのは「工夫してみること」です。「映え」など気にせず挑戦してみて下さいね。  
中高生 油絵/春の制作合評会『美しさをつくる』
[中高生クラス] 2019.08.12
中高生 油絵/春の制作合評会『美しさをつくる』
熱気増す彼方に膨らむ入道雲が新たな光を指し示す夏。高学年クラスに続き、先日中高生クラスでも春の制作合評会が行われました。足をお運び下さった皆様、誠にありがとうございました。中学生、高校生として一回りも二回りも成長した生徒の発表に逐一心打たれ、それぞれの思いが詰まった大変素晴らしい会と相成りました。   今回のモチーフはジャガイモ。変哲もなく極日常的に目にする対象を、如何にして描くか。一見しただけでは理解し得ないその『美しさ』を描く為、各自がそこに足りないと思う要素を加え、自らが想う美しさを表現すること=『美しさをつくる』が、今作の目標でした。形、色、サイズ、質、そして世界観。知識や経験を率いて深慮し、精選を繰り返し、行為への変遷で生じる新たな問題にまた思い巡らす。ひとつの価値を創り上げる為に、時間を費やす。それによって生まれてくる作品はどのようなかたちであれ人跡未踏に至ることは、始めから約束されています。見たことのない輝き方を教えてくれるのです。それは作品のみではなく、作者自身も同様です。   今自分が想う美しさとは何か。その一点に時間を注ぐ。ひとつの対象と向き合う。その行為こそ、未来に繋がる自らの核を構築する手立てです。それを肌で感じ、実践して芽生えた、決して砂上の楼閣ならざる『美しさ』に自信をもって、また新たな地平へと歩き出していきましょう。
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