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中高生 油絵/風景とドライフラワー

カテゴリ:中高生クラス

  • 作成:本田 雄揮

近所にある早咲きの紅梅が、凛と澄む青を背に今年も楽しそうに開いていました。皆様、本年もどうぞ宜しくお願い致します。

 

中高生クラス秋の制作「風景とドライフラワー」も、年明けの合評会を終え、無事完成となりました。

例年にも増して成長著しい今年の中高生ですが、今回の制作はまたひとつそれを実感できたのではないでしょうか。ドライフラワーとそれに合う景色を各自が選び、画面上で組み、いつもとは異なる「空間づくり」がテーマの制作。室内、抽象、海、建物…と描く対象は様々、ドライフラワーの加え方もまた万別。それによって技法も油絵の特性をより活かしたものを選択、新たな挑戦へと至ることができました。

 

今回のテーマである「空間づくり」とは、単に遠近法を用いた「広さ」を描くことのみではありません。色、形、質、光とかげ、構成、そして作者の感性が、画面上で化学反応を起こし生まれる「ワンダー(驚き)」によって生成されるもの、それが絵画における、また絵画にとって大変重要な「空間」です。意外性のあるモチーフの組み合わせ、見たことの無い色のハーモニー、ハッと目を覚まさせられたかのような構図、心震える絵の具の質感。初めての出会い。

 

しかし、それはただ派手に奇抜さのみを狙えば生まれるということではありません。大切なのは、自分にとっては「あたりまえ」で良いということ。己のあたりまえに「いいな」と思う気持ち、もっと単純にいえば「好き」を表現しようとする姿勢。それには、今まで自分が見て聞いて経験したあらゆる事象によって構築された内に在る「センス(感性)」を見つめ、何度も洗い直し何度も練り上げ、心から信じることが必要であるということ。誰かの「好き」を目標とせず、自分にとっての「好き」に忠実であること。それらを経て初めて、他者にとっての「ワンダー」となり得る空間表現ができるのです。

 

どうか皆さん、少しでも多くいいなというものと出会い、そこからさらに成長する自分の「センス」を磨き上げ、心から信じ、どんどん表現して下さい。それが私の思う、中高生クラスの制作目標のひとつでもある「能動的姿勢」です。今回の制作から次の制作へ、またどのような「空間」が生まれるのか、とても楽しみです。

 

 

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