辻 /中高生クラス:油絵「包む」
カテゴリ:中高生クラス
- 作成:辻悦子
◎宇野夏都(中2)「新たな一面」
今回の油絵は、中学二年生の春に描きました。久しぶりに布の表現をしたり、ビンをよく見て描いたりと、どんどん油絵の技法がレベルアップしていると、やってて思いました。
今回の油絵のタイトルは「新たな一面」です。なぜ、このタイトルかというと、私は去年の秋の油絵の時は、学校でのトラブルがいろいろあった時期に描きました。その油絵から春の作品になって、あの時とは違う自分がいるということが、あの時描いた油絵とは違うところだと思ったので、このようなタイトルにしました。
頑張ったことは三つあります。一つ目はビンです。今回のビンはよく見て、絵だけどビンがそこにあるかのように描くということをしました。なので、最初はなかなかうまく描けず苦戦をしましたが、悦子先生や友達の絵を参考にしながらやりました。二つ目は布です。布のどこが明るいかとか、影の付け方などいろいろなところを考えながら描きました。布を描くのは約1、2年ぶりに描いたのであの頃とは違う布の表現ができるようにしました。三つ目はバックです。モネの点描を参考にしたがら、今まで自分がやってこなかったやり方に挑戦をしました。いろんな色をするのはもちろん、ビンや布の色なども少しバックに入れたりして、全体が落ち着くようなバックにしました。
この油絵を通して、新たな挑戦ができました。油絵を見れば今まで描いてきた中よりも一段と大人らしい作品に仕上がっており、自分でも成長したなと思う作品ができました。
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◎感想/中高生クラス講師:辻悦子
今年の中学生クラスは、人数も多く熱気ムンムンです。みんな小さな頃からの長いお付き合いで、小学生高学年の頃に美術館巡りや人形劇などにも挑戦してきました。どれも心に残るものばかりで、作品群はそのままアトリエ5の歩みでもあります。子供たちの優れた資質とご家庭のご支援のお陰です。いつもありがとうございます。
中学校に上がり、部活動や通塾など学業との両立は困難を極め、交友関係など思春期の複雑な心境に揺れる時も、ガールズトークで互いに励まし合って発散している様です。いつも笑顔で集う仲間ですが、制作中は静かな独特の雰囲気になります。学校の図書室から、必要な画集を借りて来て参考にしたり、自ら研究する姿勢もようやく生まれて来た様です。途中何度も修正を重ね自分の考えを確かめつつ、でも妥協せず最後まで真剣に描きました。私の指導は、「どうしたい?」「他に方法は無いかな?」と、投げかけ一緒に考えるスタイルです。特に技法に関しては、本人が納得できるかどうかが肝心で、結局いろいろと試してみて一緒に悩むパターンが多いです。そうした中で、何とか今の自分が出し切れた様で、完成時の表情はとても満足そうでした。
私もこの濃密な制作の場に立ち会えて嬉しかったです。でも、完全燃焼で少しお疲れかも?夏はお待ちかねの「オルゴール」を作ります。粘土こねこねして楽しくやりたいです。お楽しみに〜!
*facebook[アトリエ5〕に、作品写真を追加しました。→☆