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小学生高学年 絵画 模写/『冨嶽三十六景神奈川沖浪裏の模写』

カテゴリ:小学生高学年

  • 作成:本田 雄揮

大地を温める雨が季節の背中を押し、見上げればいつの間にやら、桜が白く大きく青空へと広がっております。高学年クラス、1月より冬の特別制作として行っていた『冨嶽三十六景神奈川沖浪裏の模写』が完成を迎え始めました。

日本の美術作品として世界的に最も有名といえる江戸時代の絵描き、葛飾北斎による『神奈川沖浪裏』を、模写することによって知ろうという試み。一体何が凄いのか、どのような技法が用いられているのか、北斎は何をみていたのか‥。描いてみないとわからない、描いてみたからこそわかることを求め、皆懸命に荒々しい大波と向き合いました。

鉛筆での下書きから始まり、面相筆による墨線の練習、江戸時代当時も実際に使用された絵の具『ベロ藍(現在のプルシャンブルー)』による波の重ね塗り、空のグラデーションなど、様々な制作工程を丁寧に重ね、重ねる程に皆多くを学びました。実際は木版画作品ですので異なる部分も多々あるのですが、それはそれ、むしろチャンスとばかり自分なりに面白くできそうな点はアレンジを加え、ただなぞるだけの模写ではない、北斎と並んで進むような制作を繰り広げました。

細かい作業の連続、集中力も切れそうになることもあったでしょうが、そんな時はクラスの仲間とちょっとした雑談をし、意図せずとも支え合いながら制作できたこと、盛り上がりすぎた時などは先生として注意することもありましたが、実はとても素敵だと思っていました。自分の道をひたすら進んでいた北斎も、同じように誰かに支えられていたのかもしれません。

この冬、皆で行った模写。描いた大波、知り得た北斎の凄さ、共にこの教室で行った思い出があなたたちにとってよりよいものになることを願っています。

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