紫陽花が五月雨に潤う季節から、雲の峰そびえ蝉の声響く季節へ。
蒸し暑い日々が続き、体調管理に十分気をつけたいところですね。
今年度新たなメンバーでスタートした高学年クラス。その最初の制作、テーマは「パイナップルとアイビー」。2種類のモチーフを組み合わせ、油絵または水彩で描きました。紆余曲折、約3ヶ月の制作期間を経て、先日無事に完成し、皆で合評会を行いました。
今回初めての油絵制作だった生徒も多い中、皆非常に真剣に作品と向き合い、知らなかった表現技法を楽しみ、同時に難しさを感じながら、新たな絵画的視点を得て、作品が完成する頃には技術的にも精神的にも大きく成長していたように感じます。
パイナップルとアイビーという、シンプルながらも描きごたえのあるモチーフに各自の観察は鋭く光り、実の複雑な色彩やゴツゴツとした質感、アイビーを含めた幅広く豊かな緑色を前に、皆レッスンを重ねるごとにどんどん作品にのめり込んでいきました。
高学年クラスでの重要な制作目標である「画面内で光とかげを設定し、モチーフに立体感を与えて描く」という、小学生クラスの観察画と異なる課題を前に、初めは苦戦しつつも、絵の具が重なっていくにつれ理解を深め、単にモチーフを描いて終わりではない、光とかげの色づかいや場面設定により、画面内に作者それぞれの携える「空気感」を無意識にも醸し出すまでに至り、完成したパイナップルとアイビーは、全て異なる解釈で描かれたことがはっきりと分かる作品となりました。皆とても良い制作でしたね。
自ら学ぼう。新たな技法との出会いにその思いは強くなり、より多くのことを吸収できる。高学年の制作においてその姿勢が大切だということを改めて知ることのできた3ヶ月でした。
*作品群や活動の様子をぜひご覧ください*