重ねていく絵
カテゴリ:小学生高学年
- 作成:本田 雄揮
子供油絵クラスの秋の制作『かぼちゃと柚子』も、開始から1ヶ月が経ち、下塗りが終わって本格的な描写が始まろうかという10月。前回の『パイナップルと春』とはまた違う、秋らしい落ち着いたモチーフに反応しながら、着実に進めています。
自分で気に入った形の柚子を選び、存在感のあるかぼちゃと組み合わせ、『どのような絵に仕上げたいか』を十分考えながら構図を決め、テーブルや背景の入り方を工夫し、デッサンを繰り返しながら細部まで形を修正しつつ、同じトーンで光とかげを描いていく。これらの工程を全て経て、初めてモチーフ自体の色に着手するのです。約1ヶ月の長い下準備、誰一人手を抜かず、こだわりを捨てず真剣に画面と向き合いました。描き出しの重要さが身に沁みているのはもちろん、何より自作に対する愛情、思いが、彼らの制作を前へ前へと推し進めていることは言うまでもありません。自ら作品を深めていける力、それが油絵クラスの強みです。
『油絵は、重ねていけるところがいいところ』
『初めは水じゃなくてオイルを使うのにびっくりした』
『水彩絵の具とは全然違う。筆も硬いし、絵の具の分量も難しいし。水彩は紙に沁み込む感じだけど、油絵はどんどん乗せて厚みがでていく』
『準備とか片付け、大変だったけど今はもう慣れた』
『油絵はキラキラしてる』
自身2作目となる生徒達に油絵の印象を尋ねたところ、何とも的を得た答えがたくさん返ってきました。春の時には真っ白なキャンバスと同じだった君達の中の『油絵』。今ではステキな色が重なり始めていることに、胸が震えます。今回初めて油絵に挑戦する生徒、彼女が使うのは、お母様から譲り受けた道具。オイルの良く染みこんだ使いやすいパレットの上に、恐る恐る色を広げていく姿は、油絵の懐の深遠さを感じさせてくれました。それらの道具を使い、これから彼女がどんな色を重ねていってくれるのか、楽しみでなりません。
使う度に仲良くなり、好きになっていく油絵。秋の制作もきっと実のあるものとなるでしょう。
== 子供油絵クラス見学 ==
小学生クラス在籍で、次年度油絵をやってみたい!でもよく分からない!とりあえず見てみたい!鉛筆デッサン終わるとどうなるの?という方に向け、10月は子供油絵クラスの見学をお勧めしています。通常の制作風景見学ですので、とても具体的に油絵クラスのご理解がいただけます。保護者の方も是非!ご希望の方は、小学生クラス講師に、お気軽にご相談ください。
日時:10/13・20(金) 17:20~18:00くらい
対象:小学3、4年生、または鉛筆デッサン修了、または修了見込みの方※デッサン1でも、ご希望であればご相談ください。
参加:本人、保護者の方※講師が油絵やクラスに対する質問などに答えさせていただきます。