渋谷/11月の絵本棚「双子の絵本作家/田島征彦と田島征三」
カテゴリ:親子クラス
- 作成:辻悦子
◎親子クラス講師:渋谷 葉子
最初は私のセレクトには入らない作家さんでしたが、 絵本の読み聞かせで読んでもらったのがきっかけで、すっかり魅力に取りつかれてしまいました。 一卵性双生児として生まれた二人は、ケンカをしながら常にお互いを意識し、やがては同じ絵本作家への道を歩みます。 お互い、画風が似ないようにと常に葛藤があったてたと思います。「たじまゆきひこ・たしませいぞう」と名字の読みをあえて変えているところにも、個に対するこだわりがより、二人の作風を深めているのだと思います。
おすすめベスト3
■「じごくのそうべい」作/田島 征彦 桂米朝・上方落語を題材としています。 綱渡りの最中に落ちてしまったそうべい。綱から地獄に落ちていく場面転回がとてもよく描かれています。地獄という恐ろしい世界をえんま大王をはじめとするキャラクターがとてもユーモラスに描かれているのも魅力の一つです。また、関西弁が関東人の私にはとても心地よく入ってくるので、何度でも読み返したくなる一冊となっています。
■「とべバッタ」作/田島 征三 表紙の絵からしてのもの凄い迫力 !! 物語が始まる所からグイグイと引き込まれていきます。太い線と筆の力強いタッチ、そして色彩を押さえところが私は好きです。見ていると自分がバッタになった気持ちになります。
■「ふたりはふたご」田島征彦・征三 小さい時に高知で過ごした思い出のお話です。 作風の違う二人ですが、それでも絵柄が見事に溶け合っているから不思議です。 描きながらも二人は遊んだり、ケンカしているような、そんな楽しさが感じられます。