横山/色鉛筆クラス「自由制作②」
カテゴリ:色鉛筆画
- 作成:辻悦子
◎感想/講師:横山大河
前回までの講座では、色の重ね方や、立体感のある形の描き方など、基礎的な事を学んできました。今回の6~7回目の講座では1つ踏み込んで「表現する」事について考えながら制作を行いました。
モチーフはこちらが準備したものではなく、各自好きなモチーフとし、絵を描き始める前には、何故そのモチーフを選んだのか?そのモチーフの魅力は何か?などを考えて頂き、絵の「ねらい」を設定して制作を進めて行きました。
「ねらい」は人それぞれで、モチーフの色をきれいに秋らしく表現したい。色彩の幅を抑えて形態の違いを強く見せたい。同じモチーフでも距離による見え方の違いを描き分けたいなど様々なものが出てきました。
一通りの基礎を学んだ後は、モチーフをただ描くだけではなく、ねらいを定め、その人なりに「表現する」事を意識し始めてみるのに良いタイミングだと思います。ですが、だからと言って、やみくもに描き方を変えてみたり、見えてもいないものを無理に描く必要はありません。
描く対象としているものをよく観察して、一体自分はこのモチーフの何を描きたいと思ったのか、どこを魅力に感じたのかをじっくり考え、それが最大限画面に表れるようにする事で、単にものを写すだけではない「表現する」事に繋がっていきます。その時、自然と描き方にもその本人の意思が表れます。例えば、モチーフの色をよりきれいに見せたいから本物よりも鮮やかに描こう。形のでこぼこが面白いと思ったから、稜線をもっと強調して描こう、などと言った具合です。
そうして、ねらいを軸にしてモチーフから得た情報を取捨選択していく事で、その人にしか描けない魅力のある作品が出来ていくのだと思います。
また、人の絵を見る際にも、ただ上手い下手、好き嫌いで見るだけではなく、その人は一体何をこの絵で表現したかったのか、そしてそれがどの位絵に出ているのか、そのような見方をしてみるのも新たな発見があり、自分の制作の糧にもなると思います。是非試してみて下さい。
次回の講座では一旦基礎に戻り、ガラスと水を描く事で、透明なものの質感の描き方について学びたいと思います。
●展示のお知らせ
約2年ぶりに個展を行います。大きいものでは1mを超す色鉛筆の作品を展示しますので、よろしければ是非ご覧頂けますと嬉しいです。ご来場お待ちしております。
横山大河個展「借形庭園」
12月4日(金)~12月15日(火)
12:00~19:00
※水・木休廊
※金曜日は20:00まで
※12月4日(金)18:00よりささやかながらオープニングパーティーを行います。
どなたさまもお気軽にご参加下さい。(入場料金等はかかりません)
場所:ブックギャラリーポポタム
〒171-0021 東京都豊島区西池袋2-15-17
http://popotame.net/