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鳥獣戯画の模写-1

カテゴリ:小学生クラス

  • 作成:辻悦子
                                               小学生クラス 制作:2012年1月 ◎制作のねらい  ・鳥獣戯画を鑑賞しながら、筆による線の表現方法を知る。                 ・複数の模写を通じて、運筆を学ぶ。                            ・模写した動物を切り取り、自分で構成して物語をつくる。 ◎感想/アシスタント:中上佳子  初めまして、昨年の秋からアトリエ5のスタッフになりました、中上佳子と申します。日本美術は日常で殆ど目に触れる機会はありませんが、本来はとても身近なものでした。日本美術の良さ、技術の素晴らしさを子供達に少しでも多く伝えたいと思っております。どうぞ宜しくお願い致します。  1月は、平安時代の絵巻物『鳥獣戯画』の模写を行いました。『模写』とはお手本となる絵を写すことによって、その絵の線の良さや筆使いを学ぶ練習方法です。鳥獣戯画は言葉や彩色が無く、墨線の表現のみで物語が成り立っています。登場人物(動物)がまるで生きているかのようなのびやかな線を、子供達に味わってほしいと願い、レッスンがスタートしました。  筆で描く線は、シャープペンやボールペンとは違って千差万別です。太い線、細い線だけでなく力強い線、柔らかい線、勢いのある線様々な線を、一本一本写していく行程は大人でも難しいものです。しかし、子供達は臆することなく果敢に挑戦!どんな気持ちでひかれた線なのか、一生懸命に絵を見ながら、夢中になって模写に取り組んでいました。  アトリエ5の子供達は、季節ごとにクロッキーを繰り返し、普段から線を大切にして制作しています。その成果が模写の線、一本一本に表れていることを強く感じました。真正面から全力で線と向き合う子供達の姿勢は、本当に頼もしいです。仕上げでは、模写した動物を切り取って構成し、自分で想像する物語を作ってもらいました。緊張感のある線と動物達の見事な構成で、子供達による『鳥獣戯画』がたくさん完成しました。  日本画は学校教育で取り上げられる機会が非常に少ないだけでなく、今や画材も無くなってしまうという危機に瀕しています。こども達と一緒に日本美術の面白さを感じ、その魅力を広めていきたいと願っています。
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