今に通じる鳥獣戯画
カテゴリ:小学生クラス
- 作成:本田 雄揮
立春を迎え、梅の蕾も膨らみ始める季節ですが、まだまだ寒い日が続きますね。1月から制作していた『鳥獣戯画の模写』も、今週で完成を迎えます。日本画専門の講師が考えた企画と熱意を引き継ぎ、日本文化の面白さ、素晴らしさを伝えたいとスタートしました。正直難易度が高いのではないかと多少の不安もありましたが、いざ制作に取りかかると予想以上の反応と集中力を見せてくれた子供達。『まだまだ描きたい!』という声が止まらず、難しい生き物にも目を輝かせながら挑戦し、笑いながら物語をつくっていく姿はこの季節、春から積み上げてきた経験があるからこそのものでした。1ヶ月前までは『ちょう…?…が?』と作品名もあやふやだったものが、『鳥獣戯画面白い、あの場面のあの蛙を描きたい!』とリクエストするに至る子供の吸収力に改めて驚く一方、この作品の底知れぬ魅力にも気づかされました。擬人化された生き物、それらが繰り広げる滑稽な動きや物語、澄んだ墨の線の迫力、それらを引き立てる余白。日本最古の漫画とも言われる鳥獣戯画は、海外の絵画には見られない独自のユーモアと美しさを感じることができます。この独自の美的感覚、西洋文化が溢れる現代でも、失われず、大きく通じるものがあり、実は今の日本文化の根底にあるものかもしれません。今回の制作で子供達が感じた鳥獣戯画の面白さは、未知のものと出会った新鮮さと共に、どこか懐かしい、平成生まれの自分達にもしっくりくる感覚があったからなのかもしれません。長い時を超え、『古くて新しい』ものを吸収し、それが奥底に眠っていた美意識を静かに揺り起こしているような、そんな特別な感覚があったように感じました。
今に通じる鳥獣戯画、古き良きものを吸収し、新たな文化へと繋げる一枚。それぞれが特別なものとなればとても嬉しいです。
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