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過程として

カテゴリ:中高生クラス

  • 作成:本田 雄揮

子供油絵クラスに続き、中高生クラスも前期の合評会を行いました。水、木曜クラスでは、サイズ、技法、キャリアも様々なメンバーの中、お互いの発表に刺激を受け合いながら、とても充実したものとなりました。

素直な表現が輝く中1の作品から始まり、新しい表現を模索する高校生の油絵、最後に描写力を深めた高校生の鉛筆デッサンと、幅広い年齢、技法でしたが、全員がこの一作に込めた思いや苦悩をしっかりとした姿勢で発表できたことが講師としてとても嬉しいです。

人生で最も多感な時期に、日々変化する自己を見つめ、新たな価値を手探りで獲得せんとする姿。そしてそれをなんとか形にする苦しみ。『自分のやりたいこと』と現実のギャップ。その全てが詰まった作品でした。自分の中のハードルを下げて、今まで成功したことを同じように行い、無理やりに作品の完成度を上げることもできた中、誰一人としてその選択を行わず、失敗するかもしれない未知の表現へと自然と踏み出せていたことが画面に焼き付き、作者の現状を体現しているかのようでした。特に高校生は、発表の中でも『これで満足しているわけではない』といった表情がうかがえ、今、まさに今、挑戦している真っ最中だ!と、言葉にせずとも気持ちが伝わるものでした。

『過程の一枚』。これから長く続いていく表現の道中、今回の作品を是非そのように捉え、飽くことなく今以上にひたむきに多くを吸収し、自分の表現へ繋げて欲しいです。子どもから大人へ成長するまさに人生の過程であるこの時期に、悩みや失敗を恐れず、今だからこそ出来る思い切った挑戦と、打算のない高い理想を、どこまでも追求して欲しいです。いつか、描き続けた先で足が止まり、顧みた時、きっと今回の作品がひとつの道しるべとして在ることを信じています。

迷うことを恥じない制作。秋からも頑張りましょう。

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