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山田/作品展2015 の感想

カテゴリ:作品展

  • 作成:辻悦子
小学生クラス  2015年3月 ◎ 感想/講師:山田稔子 2年に一度のアトリエ5作品展が、盛況のうちに幕を閉じました。 数々の作品で構成された豊かな空間に、主催側の我々もがただただ圧倒されてしまいました。 幼児期のあどけない表現から、思春期の真摯な表現まで。どれも純度が高く、他の何ものにも代え難い作品たちでした。しかしそれらが出品のために作られたものではなく、ふつうの子たちのふつうの日々の中で生まれた表現なのだということに、また感慨を覚えます。 作者は、ひらがなを覚えたての子、虫が大好きな子、妹想いの子、水泳やダンスや野球に励んでいる子。ふつうの子という表現に語弊があれば身近にいそうな子と言い換えればいいでしょうか。彼らにはアトリエ通いも日常の一コマで、おしゃべりしすぎて注意されたり、終わる時間を忘れるくらい熱中したりと、普段の姿や制作中の子どもたちを思い出して、あの時にこの作品が出来たんだったなぁ、しみじみ。それがまた隣り合う作品と響き合ったりして、群で見ても個で見ても素敵でした。 翻っておとな会場では、ふつうの人たちの大切な時間、が制作の背景に流れている事を感じました。作者は、学生であり、社会人であり、主婦であり、普段絵とは別の日常の中に生活する方々です。 大人になるにつれ、ものごとや自分と丁寧に向き合うような時間は、残念ですが少なくなります。それでも自分の本来の「ふつう」を取り戻す大切な時間を、絵という表現に変えられているような印象でした。社会での立場・年齢に関係なく、個々の作品から漲る充実感に、こども会場の作品とまた違った感動があり、一つひとつに魅入られてしまいました。 こどももおとなもふつうの日々の中、その時の素の自分で何かと向き合い自らの手で表す時間を持っている。その中で生まれたものがこんなにも豊かで素晴らしいと、両会場、一同に並んだ作品から教えられた気がしました。 ご来場のご家族の驚きの表情、嬉しさに興奮する子どもたち、作品へのメッセージに言葉を選ぶ方々の真剣なまなざしが、強く印象に残っています。鑑賞者も作者も「ふつうのこと」の中にある輝きに触れられた、幸せな時間だったのではないでしょうか。作品展は終わりましたが、この感動の余韻が広がり浸透していってほしいと願います。 末尾になりましたが、ご来場いただいた多くの方々、関係者の皆様、保護者の皆様、素敵な作品を見せていただいた生徒の皆様に、厚く御礼申し上げます。今後ともアトリエ5をどうぞよろしくお願いいたします。
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