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小学生 観察画/二つの観察今の自分

カテゴリ:小学生クラス

  • 作成:本田 雄揮

乾いたアスファルトに映される影の色に冬の到来を感じます。小学生クラス10月の観察画『自画像』。苦心の末、続々と完成を迎えました。鏡を前に鉛筆で形を追い、絵の具での実験を繰り返しながら肌や髪の色を再現し、本物に触れるかのような筆遣いでそれを置き、『今の自分』を丁寧に見つめました。対象が人物ということで難しい点も多々ありましたが、春から培ってきた集中力と技術でそれぞれが新たな表現を得ることができました。あともう少しで完成の子も、焦らずに完成を目指しましょう。

 

今回の観察画では、顔の造形はもちろんですが、目に見えない部分もしっかりと観察することが重要であると子供達に伝えてきました。今の自分の気持ちや感情、『内面』を表そうとすること。それこそが似顔絵ではない、世界でただ一人自分にしか描けない絵であると。過去を振り返ると多くの画家が自画像を残しています。その文脈に思いを馳せ、今、そして未来を生きていく子供達に新たな視点を見つけて欲しい。その為にポーズや表情、目線の工夫や、顔の中にある色の数を数え、肌の色と同時に『顔の色』を探すことなど、二方向からの観察を求めました。正直とても難しかったことだと思います。年齢に関係なく、自身を見つめることはいつだって難しく答えが決まって在るものではないのですから。しかし、1年生から5年生までその全員が、毎回一歩ずつ紙の上に『自分』を着実に積み重ねていきました。その底力には本当に驚かされます。そうして完成した全ての作品には、線の微妙な強弱、繊細な色の重なり、ちょっとした筆致の違いによって本物の人間と同様かそれ以上に作者の『存在』が感じ取れ、思わず笑みがこぼれてしまいました。

 

今の自分を見つめ大切に思うこと。そのことを知り、何かあればまた鏡を前に筆を走らせてみて下さい。

 

 

 

 

 

 

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