山田/小学生:夏のスケッチ絵巻
カテゴリ:小学生クラス
- 作成:辻悦子
小学生クラス 2013年7月
◎ 感想/講師:山田稔子(火曜日クラス)
旅行に帰省、または夏期講習など、今年も子どもたちは多忙な夏休みでした。
8月はアトリエにクラス全員が揃うことも、珍しいくらいです。
どんな過ごし方でも、夏休みは、やっぱり子どもたちにとって特別。
充実した夏のカケラたちを手に取れる形にして残して欲しいなと、
火曜クラスでは数々のスケッチを「絵巻」風にまとめることにしました。
悦子先生のお宅へスケッチに行ったり、アトリエにある小物を描いたり、
また家庭やそれぞれの旅先などで集めたスケッチなどをもとに、
長〜い和紙に墨汁+わりばしペンで描き連ね、絵の具のうす塗りで仕上げます。
ところで「絵巻」とは? つまり、巻物状の絵、です。
『源氏物語』や『鳥獣人物戯画』なども絵巻物。
物語でなくとも同じ形状になっている作品(『○○図巻』など)も日本には古くからあります。
横長に連続した絵や物語は、本来は始めから終わりまで全部を広げず、
右から左へと少しずつ開いては巻き取りながら、辿るように鑑賞します。
そんなことを子どもたちに紹介したのち、さて描くときも、同様の動作で制作が進みます。
わりばしペンは便利ではないけれど、和紙との相性で独特の味が出ます。
握る手の持ち方・早さ・筆圧・角度によって、墨の線の強弱やリズムが多様。
描きながら一瞬止まりジッ…と見つめ考えた跡が、墨のにじみの節になったりします。
吸水のよい和紙は、自ら求めるように筆先から色を吸い込み、
染まっていくような水彩の淡い色にも、子どもたちがのめり込んで行く様子がわかりました。
描き進むたびにいちいち開いて巻くのも何だか楽しい様子で、
じっくり派もさくさく派も、自分の描きたいペースで、描きたいだけ描きました。
トリミングを活かした粋なこだわりの構成が表れたり、心憎い配色の妙が見られたり。
また、モチーフから想像したお話を絵で紡ぎ出す子が出てきたりもして、
それぞれのスタイルによる描き方・自発性を展開してくれる「絵巻」形態の絵画制作に、
ちょっと新しい?可能性を感じてしまったほどです。
まだまだ描きたい!との声がいくつも上がり、想像以上の子どもたちの意欲でした。
この伸びやかさ、夏だからというのもやはりあるのでしょうか。
それぞれタイトルもつけて、簡易な装丁をして仕上げました。
額装し壁にかけて鑑賞する絵画もいいけれど、
巻けば手中に収まるサイズ感、手元で少しずつ眺められる形も楽しいものです。
好きな場所に持ち運びそっと広げるも良し、鑑賞法とともに誰かに披露するも良し。
描くのも楽しい、観るのも楽しい美術を、子どもたちが方々へ運んでくれますように。
*facebook〔アトリエ5〕に、スケッチの様子や作品を追加しました。→☆
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【小学生】月曜日クラス/火曜日クラス/水曜日クラス
・低〜中学年(15:30~17:00)
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アトリエ5:☎ 044-411-5154
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