本田/小学生:扇面画・墨染めの花
カテゴリ:小学生クラス
- 作成:辻悦子
小学生クラス 2015年1月 /*facebokに他の写真を追加しました。→☆
◎作品のねらい
・墨や毛筆の特性を知り、新鮮な表現、技法を楽しむ。
・扇面や水引を用い画面構成を考える。
◎ 感想/講師:本田雄揮(月・水曜日クラス)
だいぶ遅くなってしまいましたが(申し訳ありません…)1月はここ数年お馴染みの、墨を使った制作を行いました。しかし、例年の模写とは違い、今回は自ら創作していくことが目的。
講師の山田が専門性を活かし、子ども達が楽しんで臨めるテーマを準備しました。
期待していた子も多く、最後まで大変意欲的に取り組むことができました。
墨と毛筆を使って線の練習から始まり、今回のポイントである『没骨法』や『永楽墨染』を行った時には、もうみんな墨の虜。
初回は私に代わって墨に造詣が深い山田に指導を願ったので、隙をみて子ども達と一緒に行ってみたのですが、これがとても楽しい。
筆さばきだけで墨の線が竹になったり草になったり枝になったり…。
はたまたただの黒点の上に水を垂らすだけでゆっくりゆっくり花になっていったり…。
子ども達と共に感動しっぱなしでした。
学んだ技法を使って扇面という特殊な形の画面に、オリジナルで植物を描き、最後に『仕立て』としてミニ扇面や水引をあしらい完成。
描いている量はいつもより少ないのですが、いつもとは違う工程&一発描きという緊張で、毎レッスン終わる頃には全員ドッと疲れていました。
しかし、その疲れはいつも以上に集中した何よりの証拠。作品も今までにない新たな側面がうかがえる素晴らしいものとなりました。
今回特に私がおもしろいなあと思ったことは、日本画、引いては日本で培われてきた思想の『遊び心』でした。
変哲もない墨の線が、見方によっては植物にも生き物にもなる曖昧さ。
何も描かれていない『余白』を意味のある空間として成立させる潔さ。
思惑と外れても、それを逆手にとって楽しむ柔軟さ。
それを許してしまう懐の深さ。
『自由』という言葉が遠く目指すものではなく、気が付けばそっと隣にいるような感覚。
きっとそればかりではないのでしょうが、そういったある意味『ゆるい』ことって、日常生活ではつい等閑にしがちです。
答えは一つではないし、しかも見つけるのではなく自分でつくる。
そのことの大切さを身をもって感じました。
さて、もうすぐ作品展です。
子ども達の『こうしないといけない』ではなく『こうしてみた!』を是非とも多くの方に堪能して頂きたいと思います。