月の光−1
カテゴリ:小学生クラス
- 作成:辻悦子
小学生低学年ー聴想画
◎制作のねらい
・音楽を聞いて感じ取ったイメージで色をつくり、抽象的な絵画の色彩感覚や構成感覚を身につける。
・和紙のにじみで音の柔らかい印象を表現する。
・黒の画用紙を使用し、円の並べ方で空間表現について考える。
・絵の具の水の運び方、三本の筆の使い分けを確認し今後の制作にいかす。
◎感想/講師:中家総子
今月は音楽を聞いて、イメージでお絵かきをする「聴想画」でした。選んだ曲はドビュシーの『月の光』です。
一回目に床に横になりリラックスした状態で音楽を聞いてもらい、イメージした色を絵の具で3色つくり障子紙を染めました。音から色をつくるのは難しいように思いますが、子ども達は「もっと鮮やかなピンクにしたい!どうしたらいいの?」「もう少し白っぽい紫かな?」と細かくイメージして混色していました。みんなのパレットが美しい色で埋まり、洗ってしまうのがもったいないほどでした。中には「もっと沢山の色を思いついた!作りたい!」というクラスもあり、子ども達の感じ取る力と色に対する興味に、私がおされ気味でした。(笑)
二回目は染めた紙のお気に入りの部分を選ばせて切り取り、音のイメージで黒画用紙に貼りました。大中小の丸い型紙を用意し、円の大きさや並べ方で絵の印象が変わることなど、構成の指導に力を入れました。重ねて貼ったり隙間を工夫したり、子ども達の中で絵づくりに対しての発見があり次につながったと思います。
三回目でまわりを仕上げました。みんなの作った色が引き立つように背景は金、灰色、黒のシンプルな色を選び、綿棒と割り箸を使い、筆では出せない独特の線や点々の表現で絵を飾っていきました。綿棒も割り箸も使い方のポイントを教えると、後は子ども達自ら描き方や面白い表現を発見して、さすがだな〜と感心しまし た。
色も背景の表現も一人一人が個性的で、ドラマチックな『月の光』ができました!抽象的な絵に関して臆することなく向かっていき、素晴らしい作品をつくりあげることができたと思います!