幼児 絵画/氷の池と、解けた氷
カテゴリ:幼児クラス
- 作成:山田 稔子
絵の中で池や川を凍らせる!? 絵の具と水の効果を用いての制作活動をしてみました。どうなるかわからないドキドキ、乾くまでワクワク。翌週には見違える画面…キインと冷たい音のしそうな美しい世界です。氷の底にはお宝を沈めてあります!
絵の仕上げは効果を活かし銀色スタンプを軽めに施して完成の予定でした。が、中でもとても美しく模様が出ていたHくんは楽しさが止まらずどんどん加筆(加工?)が進み、結果、彼の氷の模様はすっかり失われてしまいました。(あぁぁ…)解けてしまった、美しい氷。
ですが惜しむ気持ちと共に、気づきがありました。
美しいと勝手に感じたのは私。
絵は彼のもの。
美しさには、待ってくれないものもある。
子どもは、そこにとどまらないもの。
心が動いて自分を解放し、結果のためにでなく今のために描いている、その瞬間こそが尊かった。
その温度に絵は変化し氷は解けたんだ。
これは美しいものだから、とっておきなさい。>はいわかりました先生。ではなくて、
これを超えるとどうなっちゃうんだろう…と冒険に踏み出しその顛末を受け止める経験。それこそが、彼が自分で美に出会うために必要なルートなのかもしれない。加筆前か後のどちらが美しいか?その問いは今の彼には必要ないのかもしれない。美しさはきっといつか自分で見つける宝もの。誰かの言う美しさを自分の基準にしなくていい。
加筆前の氷の模様、きれいだねとその場で共感し合えたけれど、彼自身はそれをエネルギーに進み、私の心にはそれが留まっている。大人が止まれば子どもは進む。彼らは彼らの時間を生きる。
絵画教室だけど、作品づくりだけが目的じゃない。
過程の中に生まれる心の動きを大切にしたい。
そして軌跡として現れるもの、残るもの。
そのたくさんを並べて眺めることのできる、2年に一度の機会が間もなく訪れます。3月、作品展会場にはメッセージカードを設置します。作品から受けた印象を作者へ向けて綴っていただけますと、とても嬉しいです。
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