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中高生 油絵/小学生と高校生の間

カテゴリ:中高生クラス

  • 作成:本田 雄揮

秋雨が残暑を拭い、雲の切れ間から見える空が高くなってきました。合評会、鑑賞会と充実した夏を超え、中高生秋の制作が今月から始まりました。木曜クラスのモチーフは『アジとハラン』。春の制作で発揮された構成力や観察力をさらに磨き、油絵の新たな表現を知ることが目標です。9月は主にアジのスケッチやハランとの組み合わせ方、作品全体のイメージを広げる作業に費やし、ひとつひとつの工程を丁寧に深めながら進めました。アジ特有のフォルム、鈍く輝く複雑な色、ハランの曲線と直線が導く豊かな影。自然物としての美しさが存分に詰まったモチーフを、新鮮に、且つ思慮深く観察し鉛筆を動かしていきます。個人毎にモチーフを組んでの制作は久しぶりだったのですが、ブランクを感じさせない、寧ろ以前にも増して生き生きと躍動感溢るる取り組みは、確かな成長を感じさせてくれます。

中学生という多感な時期に、描くこと、表現することと正面から向き合い、素直さをもって自らを喜びへと誘うことができること。今回まずアジを描くことを伝えた際、若干苦い顔をしていた皆が、いざ制作に入ると打って変わり、どこまでも輝く目を以って、触ったり、近くに寄って観察したりしている姿を後ろから眺め、その力を思いました。モチーフと対話することは、小学生クラスの時に学んだこと。そうしていると表情もその時のような、どこか幼さが感じられる程の純粋さが映ります。しかしモチーフから一旦離れ描写に掛かる際は、さながら高校生や大人のような思考深い顔つきで、半年前より一回り逞しくなった技術を発揮していきます。両者を併せ持つ成長著しい10代。アトリエ5の中学生はとても充実しています。

きっと今しか描けない作品になることでしょう。目が離せません。

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