中高生 油絵/輪郭線を突き破り
カテゴリ:中高生クラス
- 作成:本田 雄揮
乾いた風に落ち葉舞う季節。今年もあと僅かとなりました。中高生秋の制作もいよいよ大詰め。木曜クラス『アジとハラン』も順調に完成へと向かっています。行事やテストなど忙しい学校生活の中、週1回2時間の取り組みを集中力と熱意をもって行い、自分の表現をさらに深められています。色の研究を熱心に行う生徒、パレット上での混色がより丁寧になった生徒、筆づかいに新たな試みを加え、画面上での質感に意識が向くようになった生徒、陰影に対する理解が一層増した生徒。それぞれが目指すゴールまで一体何が必要か、皆しっかりと考えることができています。
元より長年培った技術と絵に対する理解がある中高生ですが、今回の制作で油絵具や、それらで表現することへの関心がさらに高まったように感じます。それはただモチーフだけに集中して描写するだけではない、キャンバスの四隅まで意識を張り巡らし、『もの』がない空間にもそれと同じぐらいの愛情を込めて絵の具を置くことであったり、輪郭線に拘り過ぎずに陰影を観察し、もの同士の関係性をよく見つめ、画面全体に統一感を持たせたりする姿に顕著に表れています。つまりそれは『視野の広がり』を獲得できているということ。作品を『ひとつの平面』として捉えられ始めているということ。ひとつひとつを輪郭線の中でただ描き上げていくのではなく、画面上を行ったり来たり、何度も巡り巡って平面1枚としての強さをつくっていくことの面白さを理解し始めた、制作中の皆の表情をみているとそれを感じます。
輪郭線を突き破り、さらに広がる世界へ。正に中学生らしい成長です。ラストスパート、あと少し頑張りましょう。
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中高生クラス秋の制作合評会
12月20日(木) 19:00~
木、金曜クラス合同で行います。
保護者、OG、また、来年度中高生クラス希望の高学年油絵クラスの生徒の皆様も是非お越し下さい。
参観希望の方は事前に講師までお申し出下さい。