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作品展/繋ぐ、届ける

カテゴリ:作品展

  • 作成:山田 稔子

【アトリエ5作品展2019のまとめ⑤】

作品展に携わるのは4度目になりますが、今回私は産休中ということで現場に付けず、数ヶ月前まで過ごしていたアトリエ5での日々が切り離されたような感じで会期を迎えることに、開催前は何となく落ち着かなさを覚えていました。が、生徒さんの作品にまた会える!という嬉しさ、純粋な期待感は今までとは違い新鮮でもありました。

一日中冷たい雨の降り続くこども会場の搬入日。やはり気になり、夕方に様子を見に行きました。ほとんどの作品はずらりと並べられ、スタッフはそれぞれの持ち場で細かな調整の作業中。赤子を抱いた私に気がつくと笑顔で挨拶を交わし、またすぐ作業に戻ります。皆の眼差しは真剣そのもので、絵を描く時のそれと同じ。隣り合う作品の僅かな間隔や照明の加減、キャプションの位置にまで厳しく神経を配り、会場を創り上げようとしていました。

ピリリと緊張したその場の空気を背に会場を離れながら、胸に熱いものが込み上げてきました。

選考会を経て集まった珠玉の作品群は、生徒さん一人ひとりの宝物でもあります。作者自身だけでなくご家族の想いも詰まった画用紙や工作、キャンバスはどれもズシリと重く、どれもが主役。それぞれの想いが映えるようにと、大切な作品を慈しみ丁寧に扱うスタッフの姿は愛情に満ちていました。

 

作品を生み出した人と観る人の間に、作品展という場があってよかったと、改めて思います。

一点一点が素晴らしくても、一つの作品だけでは成し得なかった空間。作品同士の響き合いや、集合体としての美が新たに生まれたり、名前も知らない観る人の心を駆り立てメッセージカードに鉛筆を走らせる機会は、この場の他にあったでしょうか。おとな会場も然りです。作品を取り巻く様々な人の温かな想いが溢れる会場に、スタッフ全員きっと無上の喜びを感じていたと思います。

アトリエ5は、作品づくりのみではなく、それを繋ぎ、届け、温かなコミュニケーションを生む場をも営んでいるということを、誇らしくそして幸せに感じました。

出品者である生徒の皆様、ご家族の皆様。ご来場の皆様、関係者の方々。そして親愛なる同志スタッフへも、改めて心からの感謝を申し上げます。素晴らしい作品展をどうもありがとうございました。

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