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春日/5の画材:油絵道具
[5の画材] 2019.06.19
春日/5の画材:油絵道具
作品展の案内状でもお馴染みの「5の画材」はこうして産まれました。 ☆☆☆☆☆ ◎小学生クラスアシスタント:春日千尋/投稿;2014年7月21日   今回は子供油絵クラスからパレット、オイル、筆についてご紹介します。 油絵クラスでは、絵を描き始める前に、 自分のアイデアスケッチを見て、今日使いそうな色を全て木製パレットに出します。 描いている間は、途中で使う色をチューブから出す時間も惜しい。 そのぐらい手と頭が一緒になって、今の自分の一瞬一瞬に反応して色を作っていきます。 中華屋さんが、鍋で調味料を混ぜるあの早さのよう。 木製パレットは、ちょうど美味しい色を作り出す実験室なのです。   次にペインティングオイル。これは、固着性を高めるもの。 絵具とオイルを丁寧によく混ぜないと 厚塗りした層がしっかりとくっつかず、発色も落ちてしまいます。 臨機応変即効性を重んじるこのクラスでも、そこはしっかり指導します。   最後は筆について 筆先が丸い筆はラウンドといって細い線がひけます。 平たい筆はフィルバートといって、背景など面の表現で使います。 この二本を表現に合わせて選んで描きます。 この筆はくびれがあり握りやすいのも特徴です。   油絵クラスでは一つの作品を長期間にわたって制作するので 使いやすさはとっても大切。 アトリエ5で使っている油絵セットは、 本当に使いやすいものを一つ一つアトリエ5の母である辻が選んだものです。   誰もいないアトリエで、こっそり子どもの油絵箱を開けてみました。 強いオイルの匂いとともに現れた道具達。続きを早く描きたいと、うずうずしているようでした。 このクラスの子ども達は、小学生クラスで絵や工作を楽しみながら作ってきた子たちです。 その子達が今、油絵クラスで「自分自身と向き合って 制作する」喜び•苦しみを感じているんだろうな。 とピカピカと奇麗に手入れをされた道具を見ながら感じたのでした。   さてさて、 アトリエで使われている画材達を毎月ご紹介してきました。 今月でひとまずおしまいです。アトリエの様子伝わりましたでしょうか? 自分の使っている道具を見つめてみる。 そんなふうに、道具と仲良くなることが、実は、思いを素直に表せる近道だったりするんじゃないかなと思いました。 お付き合いありがとうございました!
春日/5の画材:日本画道具
[5の画材] 2019.06.18
春日/5の画材:日本画道具
  作品展の案内状でもお馴染みの「5の画材」はこうして産まれました。 ☆☆☆☆☆ ◎小学生クラスアシスタント:春日千尋/投稿;2014年6月24日 今回は大人コースの日本画の道具をご紹介。 日本画を専門とする講師の山田にインタビューしました。 筆、絵皿、お匙と使い方を見せてくれたのですが、 その無駄の無い所作の美しいこと。 日本画はほんの少しの加減で絵に作用する効果が変わるので、 道具達はとても微妙なコントロールが出来るのです。 道具のシンプルな形や素材にそんな理由があったのか~と感動でした。 まずは日本画の筆について。 一番長い中心の毛一本のことを「命毛」といいます。 水や絵具を含むと、この命毛を中心に毛先がまとまり 細い線から太い線まで様々な太さの線が筆一本で描けるんです。 続いて絵皿について。 日本画では絵に使う一色一色を一本の指で混ぜて作ります。 その時に使う陶器の絵皿は白いので色味を見るのに確認しやすいのです。 同じ白い皿でもプラスチックだと、顔料が鉱物など硬いため 傷がついてしまいます。 最後に真鍮で出来たお匙。 一見ぐんにゃりと凄いカーブで使いにくそうなのですが、 深く口の狭い水入れからお水をすくう時にちょうど良いカーブなのです。 井戸からお水を汲む感じ。さらに、一滴二滴と垂らすお水の量の調節がしやすく まさに、さじ加減! 混ぜる。すくう、たらす。描く。 人の意思と道具がぴたり一体になっているゆえに 道具を使う人間の姿が美しく見えるのでしょう。 日本画の道具に用の美を感じたのでした。
春日/5の画材:スケッチブック
[5の画材] 2019.06.17
春日/5の画材:スケッチブック
作品展の案内状でもお馴染みの「5の画材」はこうして産まれました。 ☆☆☆☆☆ ◎小学生クラスアシスタント:春日千尋/投稿 2014年5月20日 アトリエ5の画材たちの3回目は「スケッチブック」をご紹介します。 アトリエでは1人1冊自分のスケッチブックを使っています。 スケッチブックの良いところは、気軽なところ。大きい画用紙に取り組むには緊張するけれど自分のスケッチブックなら準備体操のような気持ちで取りかかれます。 そして自分の成長を確認できること。子どもも一年前の人物クロッキーを見ながら「へたくそだったな~。」なんて今の自分と比べてちょっと誇らしげ。 スケッチブックや画用紙を使う前に講師からよく言うことは「紙の表に描きましょう!」です。紙にも表と裏があり、えのぐ、鉛筆、クレヨンののり方が違うので、これからずっと絵を描く為に知ってほしいこと。デコボコとしていて鉛筆がのりやすそうな方が表、裁断されたひっかかりがあり滑らかなほうが裏です。しかしこの方法、荒い目の紙なら分かりやすいのですが、紙の目が細かかったりすると見分けるのはなかなか難しい! 子ども達は紙の表と裏の微妙な差を目で見て指で感じ、描く側を確認してから描き始めます。 人物クロッキーやアイデアスケッチに技法の練習おまけの絵しりとりなどなど‥気がつけば一冊終了!一枚一枚描き溜めたスケッチブックにはその子の考えたこと、悩んだこと、楽しんだこと、全てが詰まっています。その日の心と体のコンディションが表れていてそれは文章で描いた日記よりもありのままの「その時」なのではないかなと思います。 くたくたになったスケッチブック自分にとってもお母さんお父さんにとっても宝物ですね。
春日/5の画材:クレパスとクレヨン
[5の画材] 2019.06.13
春日/5の画材:クレパスとクレヨン
作品展の案内状でもお馴染みの「5の画材」はこうして産まれました。 ☆☆☆☆☆ ◎小学生クラスアシスタント:春日千尋/投稿 2014年4月22日 アトリエ5の画材たちの2回目は「クレパスとクレヨン」をご紹介します。 新しいクラスで皆そわそわワクワク。4月の制作は春の色作りからスタートしました。 クレパスセットの中から春をイメージした色を三本選び、画用紙に塗っていきます。 最初は画用紙の上で一色一色が遠慮がちに離れていましたが、だんだんと色が混じりあい 何とも言えない色が出来上がってきます。 「チョコレート色だ!」「あのカーテンの花の色みたい。」と子ども達は自分が作った色に 名前をつけていました。色が濁ってしまっても「小川の影の色かな」と色にあうイメージを 自分の春の体験の中から見つけ出します。感じたものを描くにはセットの中にある24色だけ でとうてい足りないこと、色は自分で作れることを実感できたんじゃないかなと思います。 アトリエ5で使っている「マンレイクレヨン」はツルツルと滑らかな描き心地で発色も鮮やか なので描いていて気持ちがいいんです。   「サクラクレパス」は油絵の具の様に盛り上げることができるので重ね塗り、混ぜ色、スクラ ッチに最適です。どちらも描き心地が楽しく本当に心がリラックスします。 子ども達も、どんどん大胆になって指でのばしたり、爪で引っ掻いたり、ポキッと折れたら、 横にして転がしてみたり、手の平を使って…などなど自分の技法を発明します。 最後には「トリャー!オリャー!」とかけ声が出るほどヒートアップ! 「一気に描いちゃった楽しかったー!」と満足げににっこり、新しいクラスでちょっと緊張して いた顔もどこへやら、ココロを解き放った「クレパスとクレヨン」のお話でした。
春日/5の画材:鉛筆と消しゴム
[5の画材] 2019.06.12
春日/5の画材:鉛筆と消しゴム
今月末で退職する春日の功績を讃え、5年前のブログを再度掲載します。 作品展の案内状でもお馴染みの「5の画材」はこうして産まれました。 ☆☆☆☆☆ ◎小学生クラス アシスタント:春日千尋/投稿 2014年3月18日 今月から子ども達の制作を支えるアトリエ5の画材たちをご紹介します! レッスンの端っこで起きたきらめきのエピソードなどもお伝えしたいと思います。   第一回目は「4Bの鉛筆と消しゴム」です。 アトリエ5では人物クロッキーをする時、最初の10分間だけは消しゴムを使わずに描きます。 「どうして消しゴムを使っちゃだめなのかな?」講師の問いかけに 「消しゴムを使うと線が甘えちゃうから!!」と答える子ども達。 甘えのない線を引くこと。 そんな絵を描く格言のような言葉があっさりと子どもから出てくるので驚きます。 ここに通い始めてからずっと「大切に真剣に一本の線を引く事」を心がけて 絵を描いてきたからこそ出た言葉なのでしょう。 アトリエ5で使っている北星鉛筆の「4B」の濃さは固すぎず柔らかすぎないので 心の動きがそのまま出るような、表情豊かな線を引く事が出来ます。 サラサラ シャカシャカ フンフン フーフー 教室は鉛筆の音と子ども達の呼吸する音のみです。 途中、悔しそうにこっそりと手を上げる女の子。 「先生‥ どうしても消したくて消していい?」 真剣に描いていると、消さねばならない線も分かるのですね。 よく観て、描いて、考えて、消して、また観て描くの繰り返し。 鉛筆と消しゴムはそうあるべきか、そうでないべきかといった 自分の判断を表現するはじめの道具だと思ったのでした。
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