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小学生高学年 中高生 鑑賞/夏の美術鑑賞会
[小学生高学年] 2019.08.05
小学生高学年 中高生 鑑賞/夏の美術鑑賞会
くっきりとした光と影のコントラストが高揚をもたらす8月。夏休みへと突入した高学年、中高生クラスのメンバーで、毎年恒例の美術鑑賞会へと足を運びました。付き添って頂いた保護者、また後輩の為にとお手伝いに来て下さったOGの皆様、厳しい暑さの中誠にありがとうございました。 今年度は上野の国立西洋美術館で開催されている『松方コレクション展』を鑑賞しました。時代を超え集められた絵画、彫刻などのボリュームに舌を巻く一同。入場するなりせっせとメモを取り、皆一作品ずつしっかりと向き合っていました。海が描かれている作品の波に刷毛使いを見出したり、影の色づかい、光の表現を学び取ったり、時には作品の主題に疑問を投げかけたりと各自深く関心を寄せ、薄暗い会場の中で爛々と眼を輝かせていました。日頃のアトリエでの制作があるからこそ、目の前の作品を延長線上に捉えることができ、素通りすることならず、不可侵の空間を作品と自分との間に作り上げることができるのでしょう。生徒自らが築き上げた、大変充実した時間でした。   昨今、学校教育でも美術鑑賞の重要性が唱えられています。文化的な心を養う上で大変意義のあることであります。しかしながら伝える側の時間的、知識的な問題も少なからずあり、敬遠されがちであるのも事実です。受け取る側も、『別世界』と認識しているものに対しては興味は喚起されません。今回の鑑賞会で、美術鑑賞が自らの制作と共にあることの必要性、それはコツコツと続けることで育まれるという当たり前のことを、子供達が改めて教えてくれました。『この絵が好きで、どうしても見たくて、予定を空けてきた』と簡単に言えるまで、その実どれほどの時間がかかったことでしょう。刹那的ではない、劫としての美術鑑賞。アトリエ5でのひとつの成果であると自負しております。   国立西洋美術館『松方コレクション展』 https://www.nmwa.go.jp/jp/index.html ==================================== ★中高生春の制作合評会 8/8(木)19:00~(約1時間) 次年度中学生に進学する高学年クラスの方も見学を受け付けております。担当講師(本田)までお申し出下さい。
高学年 油絵 絵画/春の制作合評会『ふたつの言葉』
[小学生高学年] 2019.07.29
高学年 油絵 絵画/春の制作合評会『ふたつの言葉』
地を叩く雨粒の響きが、蒼穹へ広がる蝉の音へと移ろい、耳からも夏の訪れを感じるこの頃。今月初め、ついに完成に至った高学年クラス春の制作『春の休日』の合評会を行いました。お越し下さった保護者、小学生クラスの皆様、誠にありがとうございました。お陰様で大変有意義な時間となりました。   発表は一人ずつ、作品を前に予め準備した原稿を基に行いました。皆が注目し緊張感漂い、うまく言葉が出てこないのも頷ける雰囲気の中、全員が最後までしっかりとやり遂げることができたことを、私は大変嬉しく思います。皆の前で、自分の言葉で作品について話すと、その作品に対する愛情が深まります。そして次はもっと良い作品を描こうという思いに繋がります。また、仲間が発表している言葉を聞くと、その作品の良いところが見えてきます。そして次は自分もさらに良い作品を描こうという思いに繋がります。自分の作品と仲間の作品、両方を語る言葉が、自転車の車輪のように二つ合わさり、あなた達を先へ先へと運んでくれるのです。合評会にはそのような意味があるのです。 秋からの制作も、今回の合評会を自信に変え、更に先へ先へと進んで行きましょう。
小学生高学年 油絵 絵画/広がりと重なり
[小学生高学年] 2019.06.24
小学生高学年 油絵 絵画/広がりと重なり
新緑の葉を打つ雨の音に耳を傾け、来る夏へと思いを馳せる季節。高学年油絵クラス春の制作『春の休日』もいよいよ佳境を迎えました。今年度は木曜、金曜クラス共に定員越え、レッスンは常に熱気に溢れています。小学生クラスから移動した生徒も多く、新たな技法、画材に始めは翻弄されつつも、4月、5月、そして6月と日を追うにつれ自ら要領を得、培った集中力で毎回確かな成長を遂げています。今回は自分の『休日』に着目し、こちらが準備したバナナと組み合わせるモチーフを考え持参しました。普段の自分、アトリエでは見せない別の一面をそこに加え、作品に対する思いを深めていきます。集めたモチーフ同士の組み合わせ方も工夫し、高学年クラスでは水彩絵の具を、油絵クラスでは油絵の具を何度も重ね、重ね、また重ね、そして増す美しさと共に、期待と少しの困惑の色を帯びていた目が、達成の輝きへと変貌してきました。持参したモチーフから読み取れる皆の日常。そこに自らの世界を広げていっている意志を感じ、また重なりを作り上げる筆の動きに今まで積み重ねてきた経験を思います。広がりと重なりをもって臨んだ春の制作、是非皆様にご覧頂きたいです。   ============================ ■高学年油絵合評会…7月11・12日(木・金)16:30~17:30(約1時間) 今回制作した作品を、一人ずつ発表します。小学生クラスの生徒も見学自由です(要予約)。年2回の貴重な機会です。保護者の方、小学生クラス「鉛筆デッサン②」に取組んでいる生徒は是非ご参加下さい。    
小学生高学年 油絵/秋の合評会~アトリエより愛をこめて~
[小学生高学年] 2018.12.24
小学生高学年 油絵/秋の合評会~アトリエより愛をこめて~
冷たく澄んだ濃紺の夜をやさしく照らす雲間の月を見上げると、どこからか鈴の音が聞こえてきそうです。メリークリスマス。2018年も終わりを迎えようとしています。高学年油絵クラスでは先日、秋の制作合評会が行われました。お越しいただいた保護者、小学生クラスの皆様、誠にありがとうございました。充実した今回の制作を、作品を前にそれぞれの生徒がそれぞれの思いをとても立派に発表し、ひとつの形として成すことができました。自作を丁寧に選んだ言葉で紡ぎ、それに対して仲間として鋭い視点で感想を送り、共有する「描く」ことへの喜びと自信を繋げ合う姿は筆舌に尽くし難く、講師として一足早いクリスマスプレゼントを貰ったようでした。   今回の発表を聞いて私が感じたことのひとつに「作品への愛の深まり」というものがありました。言い換えると作品との関係性が上手くなったということ。ただひたすら夢中に筆を振るうだけでなく、時には冷静に見つめ、情けをかけずに問題点を探り、それを正す方法をまた作品から読み取り、次の一手を模索する。作品の事を考える時間が増える。モチーフである自分の姿や靴が、より理想に近づくことを希求し、その都度作品との適切な距離を測り、甘さを捨て色や形に還元していく。自作に対して厳しい視点が増えたこと。私はそこに真なる優しさと止めどない愛を感じました。 「この作品には、より良いものになって欲しい」 漲る熱意を基に研鑽を積み、思いを形に。本当に素晴らしい制作でした。   一方、今年最後のレッスンはお楽しみ会。最早普段あまり感じることのない小学生らしさを発揮し、弾ける笑い声で盛り上がりました。まさか紙コップや梱包材があんな姿になるなんて。一年の締めくくりに相応しい楽しい時間でした。   お越し下さった、また日頃よりご支援下さっている保護者の皆様、改めて感謝御礼申し上げます。春の合評会では普段ご自宅では見せないアトリエでの子供達の姿に驚く声を多く頂きましたが、今回はその逆、アトリエからご自宅へ帰ってきた際の、時には喜び、時には悩む姿をたくさんお話頂き、講師一同、子供達の制作への思いの強さと成長に感動致しました。また、ご家庭のご支援によって子供達ととてもステキな時間を過ごすことができているということに改めて姿勢を正す思いでした。これからも邁進して参ります。今年も大変お世話になり誠にありがとうございました。次年も何卒よろしくお願い申し上げます。良いお年をお過ごし下さい。
小学生高学年 油絵/重なりを重ねて
[小学生高学年] 2018.12.03
小学生高学年 油絵/重なりを重ねて
明るく染まった落葉が足元を埋め、さくりと音を立てる季節。きらめき包む空気はすっかり冬の様相。木曜高学年クラス秋の制作『今の私』も、いよいよ佳境となりました。よく知っているはずの自分の顔を改めて見つめ、表現する難しさを感じながら、表面的な造形だけでなくその奥にある心情を捉えようと皆邁進してきました。レッスンは常に熱気を帯び、何も会得しない回は一度としてありませんでした。毎回の終わりに皆の作品を壁に並べ、二時間前よりも明らかに増した絵の具の輝き、絵の中で成長していくそれぞれの顔は、まさに『自画像』としての真なる意味を持ってそこにありました。とても充実した制作でした。   『男子三日会わざれば括目して見よ』。もちろん男子に限ったことではありません。成長著しい高学年において、自画像は、当然のごとく変貌していく中の一瞬を捉えんとする試み。一週間前とは違う自分であることを感じ取り、油絵の具を重ねそれを『経験』として蓄積させていく。一瞬を重ねていく。そうしているうちに絵の中にもう一人の自分が作り上げられますが、鏡を通して観察し、似させていったものは、目鼻立ちではなく『存在』としての自分。日々変化していく自分。 今回それらを表現する際に、皆で油絵を用いることができたこと、大変喜ばしいことでした。初めて油絵に挑戦する生徒が半数以上でしたが、満足いくまで絵の具を重ね、筆致がそのまま残り、時には大胆に修正できる油絵の具の特性を理解するまでの早さは皆さすがでした。 あなた達が日々の生活で経験した全ての事柄と同様、キャンバスに乗せ、これは違うと布で拭き取った絵の具でさえ、一切無駄なものはなく、その全てに意味があるのです。絵の具の重なりは日々の重なり。日々の重なりは成長の重なり。完成した皆の成長が一堂に会するまで、あと少しです。   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 高学年油絵クラス秋の制作合評会 12月13日(木) 16:30~ 『今の私~自画像~』 12月14日(金) 16:30~ 『今の私~私の靴~』 木、金曜クラスそれぞれで行います。 保護者の方、来年度高学年油絵クラス希望の小学生クラス、デッサン修了又は修了見込み生徒の皆様も是非お越し下さい。 参観希望の方は事前に講師までお申し出下さい。  
小学生高学年 油絵/育ち盛りの君達へ
[小学生高学年] 2018.10.22
小学生高学年 油絵/育ち盛りの君達へ
肌を抜ける空気が透明度を増し、澄んだ青空へと心誘われる季節。金曜高学年クラス『私の靴』の制作も中盤戦となりました。それぞれが自分の分身ともいえる履き慣れた、または思い入れのある靴を、自身の『今』を見つめながら描いていきます。丁寧に考えられた構図の下、スケッチを繰り返し、キャンバスへと写し、光と陰影を意識しつつ下塗りを行い、いよいよ描きこみまで進んできました。その全ての工程に経験者らしい、充実した深いこだわりを感じることができ、一枚の作品制作からどれほど多くを吸収していることかとただ目を見張るばかりです。特に黄土系の色を明暗で五段階に分け、鉛筆デッサンのように陰影で描き進めていく下塗りでは、光量やその向き、靴の細かな変化や模様に反応し、色数を自在に増やしながら筆を走らせ、その姿は前回の制作時よりも何倍も逞しく、心強さを感じます。それはきっと、単に技術の成長のみが顕された訳ではなく、自作に向けイメージを生み出しそれを投影しようとする力の成長。内に秘めた、油絵への情熱が膨らんだ証。一歩ずつ着実に描いてきたからこそできる技。皆成長期でぐんぐんと背が伸び、視点が高くなると共に、心の視野も広がりを見せてくれています。 以前よりも少し遠くに、しかしより鮮明に見えるようになった自分の足元を支える靴。後半戦、どのように描き、どのような完成を迎えるのでしょうか。あと少し、頑張りましょう。
小学生高学年 工作/人生のメリーゴーランド
[小学生高学年] 2018.08.27
小学生高学年 工作/人生のメリーゴーランド
残暑厳しい折、夏休みも終わりを迎え、またそれぞれの日常が始まろうとしています。合評会や美術鑑賞会など、盛りだくさんだった高学年油絵クラスの夏。イベントの合間を縫って、特別制作である工作『私のオルゴール』も進めていました。短い制作時間でしたが、こだわりを持ち続け、イメージしたことを形にする粘り強さは春よりも増し、見事な作品へとなりました。 今回のテーマとなるオルゴールのメロディーは『人生のメリーゴーランド』。ジブリの映画で使用されていた名曲です。曲から想起された色や形を、粘土や特注のガラス石、ポスターカラーを用いて仕上げていきます。オルゴールを包むドーム部分やその上に飾られるオブジェ、たくさんの種類や色の中から選んだガラス石、丁寧につけられていくポスターカラーは、作者毎に様々。普段使用しない道具を使って、立体だからできること、今だからできることが存分に発揮されていました。手を動かしながら考え、こちらの予想の一歩も二歩も先を見据えて突き進む姿は、本当に、ものをつくることに対しての実力が備わっているのだと嬉しくなるばかりでした。 これから少しずつ大人へとなっていくあなた達へ、何かに挫けそうになったり、疲れてしまったりした時は、いつでもこのオルゴールを回して下さい。静かに響くメロディーと共に、この夏、この教室で仲間達と過ごした時間を思い出し、再び歩き出す為の力として下さい。ずっと大切にして下さいね。
小学生高学年 中高生 鑑賞/夏の美術鑑賞会
[小学生高学年] 2018.08.17
小学生高学年 中高生 鑑賞/夏の美術鑑賞会
夏期休暇の直前である先週の金曜日、高学年・油絵・中高生クラス合同による毎年恒例『夏の美術鑑賞会』を行いました。今年は横浜美術館で開催されている『モネ それからの100年』を鑑賞、OG、保護者の方も含め20名以上の参加となり、当日は台風も心配されましたが、幸いお天気にも恵まれ、夏らしい日差しと共に充実したイベントとなりました。皆様ご参加ありがとうございました。 美術館到着後、学芸員さんによるレクチャーを受け、印象派の代表であるモネの作品と、それらが後世に与えた影響などを解説して頂き、興味がグッと深まったところでいざ鑑賞。大盛況で混雑する中、一枚一枚の作品毎に自分の感想をメモに取る子、友達と意見を交わしながら楽しく進む子、初めて目にする技法、表現に食いつく子など、時間はいくらあっても足りない程。保護者の中にも「しっかり見ます」と音声ガイドを借りて絵画の世界に浸る方も。なんとなく、流しつつの鑑賞を行わないのは、自分の制作に、真剣に取り組んでいる証拠。ここにあるのは全く別の世界のものではなく、繋がっているという感覚、日々の制作の延長線上に、目の前に飾られている作品があるという確信、仲間であるという意識。それらがそれぞれの鑑賞をいかに豊かで実のあるものにしてくれているのでしょうか。きっと、ここでの発見が秋の制作に活かされ、花開いてくれることでしょう。 軽い昼食を頂き美術館を後にし、教室に戻ってきたらお楽しみのかき氷会。クラス、学年を超え、皆ワイワイガリガリかき氷を作っていきました。こんなところでもこだわりを忘れず、それぞれがなんだかやたらと美味しそうなトッピングで仕上げたかき氷で涼を感じる中、普段の制作では見せない、解れた表情で仲を深めていく生徒達。この親睦も、彼らの成長の一助となることは、もう言うまでもありません。クラスが違っても仲間がいる、それはとても心強く、とても嬉しいことです。   夏の開放の中で見つけた『仲間』が、これからのあなた達の制作をきっと力づけてくれることでしょう。   横浜美術館『モネ それからの100年』 https://yokohama.art.museum/
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