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小学生高学年 油絵/金曜日の躍動
[小学生高学年] 2018.06.25
小学生高学年 油絵/金曜日の躍動
長雨の切れ間からたまに覗く眩しい陽光が、早い夏を思わせます。油絵クラス春の制作もいよいよ佳境。金曜クラスでは今春辻の自宅の庭に、例年に比べより美しく咲き誇った「シャクナゲ」をモチーフに取り組んでいました。木曜クラスとは異なり、全員が油絵の制作。ですが、今作が初めての油絵という子が約半分、2作目、3作目というベテランがもう半分といったそれぞれのキャリアの中、こちらも木曜同様、お互い感化し、感化されながらこの3ヶ月を乗り切ってきました。 道具の扱い、水彩とは違う油絵具の質感、それを時間と共に重ねていく工程。初めてだらけで多少の戸惑いがあった4月から、それらと徐々に距離を縮めていった5月、そして完成が見え、それぞれの中で「油絵」が消化された6月。キャンバスを捉えて離さない熱い視線、同様に筆を握る手に漲る「楽しい!」という気持ちが、瑞々しい躍動をもたらしています。第1作目にして多様な表現を自分のものにし、心躍る作品へと仕上げることができた初めての油絵。その背後には、同じ教室で制作しているベテランの力があります。慣れた所作で、皆の1歩先の工程を行き、直接語らずともその背中で進め方や考え方、心構えまで示してくれていました。油絵制作の先輩としてその役割を全うしてくれ、自作といえば今までよりも「もう1層」多く絵の具を重ねることができていました。この「もう1層」がどれだけ大きな意味があるのか、きっと本人達も実感していることでしょう。 新しい扉を仲間達と共に開き、更なる躍動へ。それぞれのキャンバスに微笑む見事なシャクナゲが、皆のこれからを示唆しています。合評会がとても楽しみです。   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 予告【高学年油絵クラス合評会】 それぞれのクラスで、春の制作を披露致します。是非ご参加下さい。 日時:7/12(木)、13(金)16:30〜17:30/参加:本人、保護者の方 ※小学生クラスの生徒も見学OK!(対象:鉛筆デッサン修了、または修了見込みの方、要予約) ※詳細は担当講師にお問合せ下さい。  
小学生高学年 絵画/木曜日の感化
[小学生高学年] 2018.05.28
小学生高学年 絵画/木曜日の感化
湿り気を帯びた風に雨季の気配を感じます。高学年クラスでは4月の制作『未来のまち』を終え、観察画『初夏の食卓』に取り組み始めました。高学年らしい突き詰めたアイデアで、色鉛筆の新しい表現を試みた空想画。そこから学んだ、絵の中でイメージを広げていくことを今回の観察画でも応用しています。用意されたモチーフを複数選び、並べ、自ら場面を設定して描いていく進め方は、油絵の制作と同様です。物同士の重なりや関係性、空間の捉え方、小学生クラスの観察画よりもステップアップし、モチーフを描写するだけではない『絵づくり』に挑戦しています。折り返しを過ぎたところで、クレパスによる色づくりが始まり、いよいよここからが本番です。 木曜日は、高学年と油絵の混合クラスで行っています。限られた教室のスペースをギリギリまで使い、講師が二手に分かれ指導しています。それぞれの話をよく聞き、皆とても集中しているのですが、見ているとどうやらやはりお互いの制作が気になっているようです。油絵が下塗りから描きこみなど次の段階に入る時や、高学年が初めて目にするモチーフを並べている際など、どちらも可愛らしくチラリと横目で観察しています。時には手を止め、ジッと見つめる瞬間などもあったり。ただの羨望や感嘆ではなく、それはきっと吸収。自作に反映する為、消化し、血肉としているのでしょう。同じ教室で、同じ年代で、制作中言葉を交わさずとも、作品を介して高め合う仲間。これからさらにどのような影響を与え合うのでしょうか。未知なる喜びを秘めた、そんな木曜クラスです。
見る人から伝える人へ
[小学生高学年] 2018.03.29
見る人から伝える人へ
1月にスタートした『冨嶽三十六景神奈川沖浪裏』の模写も、約3ヶ月の長い制作を終え、ついに完成に至りました。墨で線描きをした後、絵の具の重色を用いじっくりと波の藍を出し、アレンジを加えた空をグラデーションで表現、そして仕上げに波しぶきを施しゴール。黙々とした作業が続く中、最後までよく集中を切らさず、作品と向かい合うことができました。ただの模写ではない、ちゃんと自分の作品へと昇華できている素晴らしさ、実に見事でした。早く終わったクラスでは作品の発表を行い、自分が考えた場面の説明や、作者の葛飾北斎に質問を述べました。「この後舟は沈みます」「刷師が1番スゴイと思います」など、ユーモア溢れる発言に皆で笑顔になり、それが今年度最後のレッスンを飾るに相応しいものとなりました。 今回、とても充実した制作となりましたが、同時に大変充実した「鑑賞」でもありました。作者や作品を自ら調べ、細部に至るまで余すところなく形を観察し、色の出し方を何度も繰り返し研究、そして自分なりの解釈を直接作品に加えていく。「波の先端はこんな形じゃない」「この青では大波の感じは出ない」そんなことを思って作品を見続けた3ヶ月。稀代の名作を体感し続けた3ヶ月。この鑑賞経験は、大きな宝となるに違いありません。この先葛飾北斎の作品と出会った時、もうただの「すごい」という感想は出ることはないでしょう。何がすごいのか、どこが他と違うのか、さらにはもっとこうしたら良くなるぞ、という自分だけの視点、価値の置き方ができる人になっているでしょう。そしてそういう人は、きっとそれを、周りや自分の子供、孫まで伝えてくれることでしょう。鑑賞の力とは、ただ豊かに作品を見ることができるかだけではありません。感じたことを伝えることができるかも含まれているのです。この制作を経て、この作品に止まらず「見る人」から「伝える人」に皆が成長できたことに、大きな喜びを感じます。平成の最後に、この作品が特別なものとなったこと、誇りをもって新しい時代へと伝えていって下さい。
百見は一描に如かず
[小学生高学年] 2018.02.05
百見は一描に如かず
皆さん、葛飾北斎の『冨嶽三十六景神奈川沖浪裏』をご存知でしょうか。名前は分からなくても、一度は目にしたことがあるという方がほとんどではないでしょうか。『あっその絵みたことある!』と話した幼児クラスのお友達もいたほどですし、本屋に行くと特集が組まれた雑誌がたくさんあります。そんな老若男女『有名な絵』として当たり前のように知っているこの作品ですが、実際になぜ有名なのか、一体何がすごいのかを語ることができる人は多くありません。パスポートのデザインにも起用されることが決まり、『ひまわり』で有名なゴッホなどもこの作品を始めとする浮世絵に衝撃を受けこぞって真似したという歴史があり、間違いなく日本を代表する作品のひとつですが、海外での評価に対して日本ではその真の価値が徐々に希薄になっているようにも感じます。 今回子供油絵・上級クラスでは、なんとなく知っているこの作品の本当のすごさを、ゴッホのように『描く』ことで理解しよう、ということで模写の制作がスタートしました。   作品や作者である葛飾北斎について学んだ後、鉛筆で下描き、現在は墨による線描きの真っ最中です。どんな作品も、描いてみて初めて分かることがあります。波の先端の形、線を引くリズムや方向、その太さの違い、計算された構図…。まさに『百聞は一見に如かず』ならぬ『百見は一描に如かず』。描いてみないと分からない北斎の生きた表現、息づかい。今まで赤の他人だった北斎との距離が、グッと近くなったようで『北斎ここちょっと細かすぎない?』と、気が付かないうちに友達のような感覚で作者と会話をする。もうすでに『なんとなく知っている有名な絵』ではありません。一般的な評価を超え、人とは違う自分だけの価値をこの作品に見出すことができています。 次回からいよいよ色つけ。浮世絵独特の色彩を、絵の具でどのように表現していくのか、とても楽しみです。   ===================== ☆内部生進級説明会☆ 次年度より新しく子供油絵クラスに進級する生徒、保護者の方に向け、入門セットなど用具の準備についてご説明致します(希望者)。ご希望の方は担当講師にお伝え下さい。 日時:3月第1週小学生クラス終業後(3/5㈪・6㈫・7㈬ 18:30~のいずれか) 対象:次年度小学生クラスから油絵希望の生徒・その保護者の方
自分の表現~子供油絵クラス秋の合評会~
[小学生高学年] 2017.12.13
自分の表現~子供油絵クラス秋の合評会~
2017年も、残すところ1ヶ月を切りました。子供油絵クラスでは、秋の制作『かぼちゃと柚子』の完成を迎え、先日合評会が行われました。それぞれが作品と真剣に向き合い続けた3ヶ月間。どんな思いで取り組んできたのか、言葉を選びながらとても丁寧に発表する姿から、春の時よりも大きくなった彼らの自信と成長を感じることができました。決して順調なことばかりではないこと。何かを本気でつくるということは、悩みが尽きないこと。彼らはそれを理解し、そして正面から飛び込んでいきました。自ら油絵の持つ表現の幅を広げに行き、大胆さと繊細さを併せ持ちながら、挑戦を繰り替えしたこと。発表を聞いて、初めて『そんなことまで考えていたのか!』と驚かされるばかりでした。皆さん、とても立派な発表でした。 今年の子供油絵クラスのメンバーは、例年稀にみるほどの多様性を持ち、しっかりと『自分の表現』が意識されています。個性が強く、制作中は自らのキャンバスにのめり込み、教室は心地よい静けさに包まれます。仲間同士で作品について言葉を交わすことは、ほとんどないのですが、しかしながら、誰一人、決して独りよがりに描いている訳ではありません。実はしっかりと仲間の作品を見ているのです。仲間の作品から多大なる影響を受け、そして気づかない内に自分も誰かに影響を与えているのです。筆のタッチ、色の選び方、細部の描写…。あの子の作品の、あんなところがすごい、自分もやってみたい…。この教室で、皆で共に制作しているからこそ、自分と異なる表現がすぐ隣にあるからこそ、彼らが今まで培ってきた目指す『自分の表現』が、さらに豊かなものへと向かっていくことができるのです。スポンジのような吸収力、ただの真似っこはできない矜持、仲間への敬意、それらの核となるとてもシンプルな『いい作品をつくりたい!』という熱。実際、講師として行ったことは、ほんの些細な絵の知識を提供するくらいのことです。彼らの滾る熱が、彼ら自身の成長に何が必要か正しく選択し、それを促しているのです。『自分の表現』に対する真摯な心は、大人、子供関係なく、対等な一人の人間として本当に尊敬に値するものです。 仲間と共につくっていく『自分の表現』が、これからもずっと続いていくよう願っています。そして、間違いなく名作であろう今作を、いつまでも大切にして欲しいです。   ================================= 小学生高学年クラス見学・説明会 日時:1/18、25(木)  17:00~18:00 対象:新小5、小6の生徒、保護者 担当講師より、ご予約下さい。 =================================  
ゴールからスタートへ
[小学生高学年] 2017.11.27
ゴールからスタートへ
2017年も残り1ヶ月。日々早まる冬の足音を感じながら描いた子供上級クラス秋の制作も、無事完成を迎えることができました。大画面に四苦八苦しつつも、芽生え始めた「自分らしい表現をしたい」という思いを糧に、背景、最後の仕上げまで丁寧に行い、今の自分達ができることを出し切り、自ら作品を名作へと導くことができていました。そこには高学年らしい深まり、瑞々しさが充実し、無自覚にもこれからの彼らの人生における、ひとつのターニングポイントとなり得るものではないかと感じます。今まで培ってきた技術、知識、絵に向かう心。「小学生」で出来ることのゴール。そして、今回の作品で新たに学んだこと。「中学生」へのスタート。そんなちょうど間に位置する場所で、悩み、揺れ動きながらも自分を信じ作品を制作することができる素晴らしさ。温かみのあるかぼちゃや熟れ色の柿と対比させつつも、お互いを尊重している心地の良い余白が、正にそんな彼ら自身を表しているかのようです。「描き切った!」という思いをいつまでも胸に、これからも自分らしい道を選び、自信をもって歩んでいって下さい。   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 予告【子供油絵クラス合評会】 日時:12/8(金)16:30〜17:30/参加:本人、保護者の方 対象:鉛筆デッサン修了、または修了見込みの方 ※詳細は担当講師にお問合せ下さい。
豊穣
[小学生高学年] 2017.11.06
豊穣
子供油絵クラスと同様に、木曜日の子供上級クラスでも、現在秋の制作が行われています。『秋の彩り』をテーマに、晩秋から初冬にかけてかぼちゃや綿の木、枝付きの柿などを観察し描いています。いつもの観察画と異なる点は、4つ切画用紙を2枚連結させ、大画面での取り組みに挑戦しているということ。これには観察画に慣れている彼らの表情にも、当初戸惑いがうかがえました。というのも、大きさが2倍になったので、その分たくさん描けばよい、という単純な発想ではなく、変化した紙の矩形、余白、描くものの大きさ、バランスなどを、新たに対応させなければならない、ということを理解していたからです。紙の大きさよりも、紙の形の違いが重要だということを、画面上での配置をいかに上手く魅せるかが鍵だということを、今までの経験上知っているからです。その難しさを一瞬で感じ取ることができたのは、やはり今までたくさんの観察画を描いてきた経験によるものでしょう。講師に相談することは、ものの描写、色づくりに関することはほとんどなく、大半は画面構成、配置、客観的な見え方など、絵としての骨格に当たる部分のこと。今まで培ってきた、描写の技術、発想、画材への理解、観察する心の安定が余裕となり、余白のとり方を熟考し、絵の中の雰囲気、そして作者の思いをそこに乗せようとする新たな試み。そこからは、彼らが今『豊穣の季節』にいることを感じます。小学生クラスからコツコツと丁寧に積み重ねてきた様々が横にも縦にも繋がり、柔軟な対応力と漲る生命力をもって実を結ぶ。まさにこの季節と合致したような実力。慣れ親しんだ紙とクレパスの可能性を、さらに引き出すことのできる、彼らの内の『豊穣』。その熟成された素晴らしさが目に見える形で表れている今回の制作。いよいよ今週から背景。完成まであと少しです。   == 子供油絵クラス見学 == 小学生クラス在籍で、次年度油絵をやってみたい!でもよく分からない!とりあえず見てみたい!鉛筆デッサン終わるとどうなるの?という方に向け、10月に続き11月も、子供油絵クラスの見学をお勧めしています。通常の制作風景見学ですので、とても具体的に油絵クラスのご理解がいただけます。保護者の方も是非!ご希望の方は、小学生クラス講師に、お気軽にご相談ください。 日時:11/10・17(金) 17:20~18:00くらい 対象:小学3、4年生、または鉛筆デッサン修了、または修了見込みの方※デッサン1でも、ご希望であればご相談ください。 参加:本人、保護者の方※講師が油絵やクラスに対する質問などに答えさせていただきます。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 予告【合評会】 日時:12/8(金)16:30〜17:30/参加:本人、保護者の方 対象:鉛筆デッサン修了、または修了見込みの方 ※詳細は担当講師にお問合せ下さい。
重ねていく絵
[小学生高学年] 2017.10.09
重ねていく絵
子供油絵クラスの秋の制作『かぼちゃと柚子』も、開始から1ヶ月が経ち、下塗りが終わって本格的な描写が始まろうかという10月。前回の『パイナップルと春』とはまた違う、秋らしい落ち着いたモチーフに反応しながら、着実に進めています。 自分で気に入った形の柚子を選び、存在感のあるかぼちゃと組み合わせ、『どのような絵に仕上げたいか』を十分考えながら構図を決め、テーブルや背景の入り方を工夫し、デッサンを繰り返しながら細部まで形を修正しつつ、同じトーンで光とかげを描いていく。これらの工程を全て経て、初めてモチーフ自体の色に着手するのです。約1ヶ月の長い下準備、誰一人手を抜かず、こだわりを捨てず真剣に画面と向き合いました。描き出しの重要さが身に沁みているのはもちろん、何より自作に対する愛情、思いが、彼らの制作を前へ前へと推し進めていることは言うまでもありません。自ら作品を深めていける力、それが油絵クラスの強みです。 『油絵は、重ねていけるところがいいところ』 『初めは水じゃなくてオイルを使うのにびっくりした』 『水彩絵の具とは全然違う。筆も硬いし、絵の具の分量も難しいし。水彩は紙に沁み込む感じだけど、油絵はどんどん乗せて厚みがでていく』 『準備とか片付け、大変だったけど今はもう慣れた』 『油絵はキラキラしてる』 自身2作目となる生徒達に油絵の印象を尋ねたところ、何とも的を得た答えがたくさん返ってきました。春の時には真っ白なキャンバスと同じだった君達の中の『油絵』。今ではステキな色が重なり始めていることに、胸が震えます。今回初めて油絵に挑戦する生徒、彼女が使うのは、お母様から譲り受けた道具。オイルの良く染みこんだ使いやすいパレットの上に、恐る恐る色を広げていく姿は、油絵の懐の深遠さを感じさせてくれました。それらの道具を使い、これから彼女がどんな色を重ねていってくれるのか、楽しみでなりません。 使う度に仲良くなり、好きになっていく油絵。秋の制作もきっと実のあるものとなるでしょう。     == 子供油絵クラス見学 == 小学生クラス在籍で、次年度油絵をやってみたい!でもよく分からない!とりあえず見てみたい!鉛筆デッサン終わるとどうなるの?という方に向け、10月は子供油絵クラスの見学をお勧めしています。通常の制作風景見学ですので、とても具体的に油絵クラスのご理解がいただけます。保護者の方も是非!ご希望の方は、小学生クラス講師に、お気軽にご相談ください。 日時:10/13・20(金) 17:20~18:00くらい 対象:小学3、4年生、または鉛筆デッサン修了、または修了見込みの方※デッサン1でも、ご希望であればご相談ください。 参加:本人、保護者の方※講師が油絵やクラスに対する質問などに答えさせていただきます。  
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