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ゆきむすめー1
[小学生クラス] 2011.02.09
ゆきむすめー1
小学生クラス 制作:2011年2月 ◎制作のねらい ・絵本「ゆきむすめ」(著:内田 莉莎子 挿絵:佐藤 忠良)を通して、彫刻科としての佐藤忠良さんを紹介する。 ・ゆきむすめや女の子達の気持ちの動きを想像して描く。 ・鉛筆のタッチの表現を活かした絵作りを目指す。 ◎「ゆきむすめ」のあらすじ… 子供がいないおじいさんおばあさんが雪遊びをしている子ども達をみて、自分達も雪で女の子をつくります。すると突然雪で作った女の子が動き出し、やがて人間の娘へと成長します。夏が来て、ゆきむすめは友達に誘われ森へ行きました。女の子達が遊ぶ中、暑さが苦手なゆきむすめは川のほとりで足を冷し夜が来るのを待 ちました。日が落ちて女の子達が焚き火を始め、一人が焚き火の飛び越えごっこを思いつきます。炎が怖いゆきむすめでしたが、女の子達に笑われ、思い切って焚き火を飛び越えました。そして白い煙になって空への昇って消えてしまいました。 ◎感想/講師:中家総子 今回は「ゆきむすめ」というロシア民謡の絵本を元にお絵かきしました。挿絵は彫刻家の佐藤忠良さんが描いています。佐藤さんが描いた絵本の挿絵では「おおきなかぶ」がとても有名です。私が大学時代、佐藤先生の考え方や制作に対する姿勢にとても感動したので子ども達にも是非紹介したいと思っていたところ、ちょう ど世田谷美術館で展覧会が開催されていたのでこの機会にと思い今回の制作に至りました。 最初の週に絵本を読んだ後、絵のベース作りをしました。ゆきむすめにぴったりの氷の表現です。水を多めに溶いた絵の具の上にしわくちゃのサランラップをかぶせると氷が張ったような面白い表情が作れます。翌週、白く残した部分に「ゆきむすめ」の場面を描きました。もう絵本を一度を読み、どんな感想をもったか、ゆきむすめや女の子達の気持ちについてもみんなで考えてみました。 『ゆきむすめは女の子達に笑われてどんなふうに思ったかな?』 『はずかしかった!』『悲しかったと思う…。』 『女の子達はゆきむすめが煙になって消えてしまってどういう気持ちになった?』 『笑ったことをすごく後悔した。』『どこにいったのか不思議と思った。』 など様々な意見が飛び交います。 『ゆきむすめは雪の国に帰ったんだよ。』『おじいさんとおばあさんがかわいそう…』 『おじいさんは冬になったらまたゆきむすめをつくるとおもう。』 『うん!それでもう暑い場所には連れて行かないようにするの!』 お話の中に入りを想いを膨らませてくれました。 描写には鉛筆を使いました。モノクロなので氷の色の表現が活きてきます。技術指導で鉛筆の線を活かしたタッチを紹介しました。ゆきむすめや焚き火の周りにタッチを入れたことで絵にメリハリや動きが出て表情豊かになりました。以前ブログでも紹介した佐藤忠良さんの図工の目当てを制作前にクラス全員で音読しました。「上手く描けることより、自分で考えたことを自分の手を動かし一生懸命に表現しようとすることが大切」ということを伝えることができ、子供達も自分で想像した「ゆきむすめ」を描こうと頑張ってくれました。 佐藤忠良さんは身近な人々の中にある人間の生命の美しさを彫刻作品にした人です。基本を大切に、謙虚な気持ちで日々スケッチや素描を繰り返し積み上げられた観察力と、職人のような熟練の技術で表現された作品は、派手ではないけれど、気品と優美さがにじみ出ています。展覧会では今回の「ゆきむすめ」「おおきなかぶ」の原画も展示しています。この機会に是非世田谷美術館に足をお運び頂いて、彫刻の魅力に触れてみて下さい。 ◎子どもの美術/佐藤忠良が小学生の図工の教科書に寄せた文章 図画工作の時間は、じょうずに絵をかいたり、ものを作ったりするのがめあてではありません。 じょうずにかこうとするよりも、見たり考えたりしたことを、自分で感じたとおりにかいたり作ったりすることが大切です。 しんけんに絵をかき、ものを作り続けていると、じょうずになるだけでなく、人としての感じ方も育ちます。 このくり返しのなかで、自然の大きさがわかり、どんな人にならなければならないかがわかってきます。 これがめあてです。
冬の人物クロッキー
[小学生クラス] 2011.01.20
冬の人物クロッキー
小学生クラス 制作:2011年1月 ◎感想/アシスタント:高橋 千晴 新年最初のアトリエでは、久しぶりに「人物クロッキー」に取り組みました。アトリエ5のカリキュラムには、4月と1月の年2回、人物クロッキーが組まれています。この人物クロッキーでは、「鉛筆の線に実感をこめて描く」ことを丁寧に教えています。タイマーで時間を計り、10分間の間は消しゴムを使いません。 「じーっと見て、ちょっと描く。またじーっと見て、ちょっと描く。」「あわてないで・・・ゆっくり、じっくり線を引くよ。」 今回は、複雑な模様のセーター、イヤリング、深みのある緑のズボンをはいた、”冬の中家先生”を描きました。「そのセーター難しいよ〜」と騒いでいた子どもたちも、タイマーのピッという音が鳴ったとたん、眼が変わります。教室はしんと静まり、子どもたちの鉛筆の音だけが聞こえてきます。 子どもたちの集中力は本当にかっこいい!教室は、心地よい緊張感に包まれます。中家先生を見つめる真剣な眼差しに、こちらまでドキドキします。そして、10分間のクロッキーの合間に、人間の体の関節や肉付き、構図の入れ方などについて短い指導が入ります。そしてまた10分集中して描く・・・。これを何度か繰り返し、最後に教室の飾りなどを描きこみ、色鉛筆で色をつけました。 「実感をこめて描いた」子どもたちのクロッキー。どの子のスケッチブックにも、「生きている中家先生」がいました。そして驚かされるのは、4月のクロッキーと比べての、子どもたちの成長です。ある子は線が伸びやかになっていたり、またある子は画面を思い切り使えていたり、人体の特徴を捉えられるようになっていたり。。。一人ひとりの成長に、胸がいっぱいになりました。 みんな、この一年を通してアトリエ以外の場所でも様々な経験をし、成長したんだなぁと実感しました。それが、素直に表れています。そして、子どもたち自身も、それぞれ自分の成長を感じることができたようです。周りから褒められることも大切ですが、子ども自身が自分の成長を実感できることは、その子の自信につながる、とても大事なことだと思います。人物クロッキーの一番のよさは、そこにあるのかもしれません。ご家族の方にも、子どもたちの素晴らしいクロッキーを是非ご覧になっていただきたいです。アトリエ5はこれからも、人物クロッキーの取り組みを丁寧に行っていきます。
春の生徒募集−2
[小学生クラス] 2011.01.14
春の生徒募集−2
2011年4月入会のお申込みを開始しました。毎年、2月中旬には定員オーバーのクラスが出ますので、お早めの登録をお願いします。 見学は随時受付中ですが、3月の作品展の準備中のためお席に余裕が無く、誠に勝手ながら体験はお受けできません。ご了承下さい。 体験をご希望の方は、以下の入会説明会にご参加頂ければ幸いです。なお、在籍生徒さんのご友人は、優先させて頂きますので是非お早めにご紹介下さい。教室案内は看板と入口に設置していますので、ご自由にご利用下さい。宜しくお願い致します。 ◎新年度・子供クラス入会説明会/お申込みお問合せはこちらから→☆ 日程:2011年2月24日(木)25日(金)/定員:各回親子8組様(先着順)/場所:アトリエ5     【親 子クラス】14:00〜14:30     【幼 児クラス】15:00〜15:30     【小学生クラス】16:00〜16:30  内容:生徒作品・講座の詳細は、予めホームページをご覧下さい。→☆ ◎在籍生徒の皆様は、そろそろ新年度のクラス編制の時期になりました。進学進級による曜日変更や、鉛筆デッサン・油絵などに挑戦したい方はこの機会に是非ご検討下さい。お手元の「冬のアンケート」は、1月26日(水)が締め切りです。少人数定員制のためお早めに提出をお願い致します。ご不明な点は、お気軽にお問合せ下さい。お待ちしております。→右の「メッセージを送る」をクリックして下さい。
ひとみ座クリスマス公演ー5
[小学生クラス] 2010.12.28
ひとみ座クリスマス公演ー5
◎感想/講師:渋谷葉子 *人形劇鑑賞について 今回の作品は昨年に続いてセリフのない人形劇でした。エドワード・ゴーリーは初めての絵本でしたが、独特な世界観があり、今ひとつ理解しにくいところもあるので、子供達がどこまで入っていけるか興味がありました。人形達は見事にゴーリーの世界を表現しており、音と字幕だけでストーリーが展開していきました。第何章というのが不規則に表示されたり、意外な展開に「エ〜ッ!」と声が上がっていましたが、そんな中でもグイグイと物語に引き込まれていました。私は幼稚園に努めていた関係で30年以上ひとみ座さんの人形劇を観て来ていますが、昨年、今年と、新しいことに挑戦している感じにとても感銘を受けました。 *展示について 今回はゴーリーのモノクロの世界に合わせて、展示も鉛筆だけのモノクロ作品となりました。正直、あのもの寂しい階段にモノクロだけで表現するのはどうかとも思いましたが、思っていた以上に子供達の鉛筆の線が力強くアピールしていていました。グイグイと引かれた線、細かい所まで丁寧に描かれているもの、微妙な色遣いで表現されている作品と、本当にどの作品もすてきでした。また、星も今回は卵のからはなく、モノクロだけでしたが、アルミホイルがかえって美しさを引き立たせていました。中家先生の天使の絵がとてもすてきで、草花と天使のなんともいえない世界観が表現されていたと思います。
ひとみ座クリスマス公演ー4
[小学生クラス] 2010.12.27
ひとみ座クリスマス公演ー4
◎感想/講師:中家総子 今年の人形劇は、エドワード・ゴーリーの台詞のないモノクロの劇だったので、会場をどう飾るのか…11月頃から悦子先生と高橋さんで企画を練って下さっていました。テーマが『夜の野原』に決まり、原っぱを飛び回る天使のイラストを任せていただくことになりました。悦子先生から「虹色の天使・モノクロで・天使の持っているステッキのスパンコールだけに色味をしぼる」などのキーワードを伝えられました。 作風の細かい指示はなかったので、天使のポーズをスケッチブックに何枚も描き、ペン、水彩絵の具等どのように描くか試行錯誤しました。ポーズを微調整できることと、子ども達の作品とテイストを合わせることを考え鉛筆で描くことにしました。描いてるうちにに迷いが生じてなかなか描き込みが進まなかったり、伝統ある人形劇団ひとみ座さんの会場を飾るプレッシャーで冷や汗が出ることもありまし たが、子ども達の素晴らしい野草のスケッチと、悦子先生の「納得がいくまでやってみなさい」という言葉に勇気をもらい、心を込めて描きあげることができました。 野草のスケッチの裏にはその子の叶えてみたいお願い事がかいてあります。みんな天使に願いを叶えてもらえるよう気持ちを込めて野草を描きました。お願い事の横に天使の絵をまねして描いてくれた子が何人かいました。嬉しくて私もお礼に野草を摘み取っている天使を描きました。作品で子ども達とつながり合うことが出来た瞬間でした。 人形劇を観に来られたた沢山のお客様に展示を観ていただきとても幸せです。子ども達の作品と一緒に一つの空間を彩ることができ喜びでいっぱいで、一生の思い出になりました。ひとみ座さん、企画をして下さった悦子先生、高橋さん、そしてアトリエ5の子ども達のおかげで幸せなクリスマスを送ることができました。皆さん本当にありがとうございました!
ひとみ座クリスマス公演ー3
[小学生クラス] 2010.12.24
ひとみ座クリスマス公演ー3
◎感想/アシスタント:高橋千晴 今回の展示のテーマは「夜の野原」です。クリスマス公演の人形劇と合わせて、モノクロの世界を創りました。銀色の星の下で、たくさんの野草が静かに、きらきらと風に揺れています。天使たちが遊びに来ました。冬の夜は空気がキンとして、透明です。そんな野原ができあがりました。 野草は、子どもたちが鉛筆だけで描いてくれました。葉の柔らかさや、強い茎、可愛らしい実、繊細な花・・・みんなとてもよく見て描きました。子どもたちの鉛筆の線は、本当に美しいです。一人ひとりの線が違うので、野草もとても表情が豊かになりました。ぐいぐいと思い切りのよい線も、優しく重ねられた線も、どれもとても素敵です。子どもたちには、自分の線の魅力・持ち味をずっと大切にしてほしいなぁと思います。カラフルで色彩豊かな絵や空間ももちろん素敵です。しかし、白、黒、銀・・・そんなモノクロだけの持つしっとりとした美しさもあります。今回の展示で、それが伝えられたら嬉しいです。 私は24日にアトリエの子どもたちとクリスマス公演を観てきました。幻想的な舞台と不思議なストーリーがマッチして、ゴーリーの世界に入り込んでしまいました!劇を見た後はアトリエに帰って、みんなでジュースでクリスマスをお祝い!子どもたちと楽しい時間を過ごしました。来年もみんなが元気に笑顔ですごせますように。。。自然と、そんな気持ちがこみ上げてきました。 今回の展示にあたって、ひとみ座のみなさんにも子どもたちにも、感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。
冬の工作ー7
[小学生クラス] 2010.12.15
冬の工作ー7
小学生クラス 制作:2010年11月〜12月(全6回) ◎制作のねらい ・麻布のもつ風合いと他の素材との美しい出会いを楽しむ。 ・お散歩する気持ちで一針一針丁寧に一本の線をつくる。 ・毛糸の色や縫い目の幅、間の取り方など構成を工夫する。 ・家族の思い出のボタンや布を取り入れ、何年たってもお家に飾って 楽しめる作品をつくる。 ◎感想/講師:中家総子 1回目のレッスンで縫い方の練習をしました。針と糸を使うのが初めての子も学校や過去の冬の工作で経験がある子も、練習用の毛糸でたっぷりと時間をかけて縫ってもらいました。最初は糸が抜けてしまったり、縫い目を間違えたり、ハプニングもありましたが、慣れてくると麻布に毛糸を通す「ズルズル〜」とした感触が気持ちよくみんな背中を丸くして夢中で取り組んでいました。 今回のチクチクのテーマが「家族のお散歩」です。練習後、本番の毛糸でまずは一本、あせらず、じっくり、心を込めて麻布の中を一歩づつ歩く気持ちで縫ってもらいました。「私は紫、妹はピンク!」麻布の中に少しずつ家族のお散歩の線が増えていきます。「弟はお母さんのまわりをちょろちょろしてるの。」「お友達も入れちゃおう!」ストーリーが生まれ作品が豊かになっていきます。 近目の作業だったので、時々離れて見て自分が縫い進めている線を確認しながら進めていきました。縫わずにわざと空けておく所をつくったり、密度やバランスを考えて構成も工夫しました。 ベースの縫い目が完成したら次はステッチに挑戦してもらいました。サンプルで、すぐにできる簡単なものから、少しコツのいる難度の高いものまで用意して紹介しましたが、みんな意欲的に難しいステッチに挑戦してくれました。画面の中でアクセントになり作品の魅力のひとつになりました! ステッチが出来たら最後に周りを飾ります。導入で麻布の落ち着いた色に合うボタンについて考えてもらいました。いくつかボタンを用意して、似合うものとそうでないものをみんなに意見を聞きました。灰色のボタンで意見が2つに別れましが「灰色の毛糸を使っていたら似合うとおもう!」という声が自然に出てきて、色 彩の構成に関する鋭い感覚に驚きました!沢山もってきて頂いたボタンの中から合うものを選んでつけてもらい、布は厚紙に巻いて手作りのボタンにしてつけてみました。 家族の思い出を取り入れることができて、気持ちを込めて作品に向かうことができたとおもいます。材料の協力ありがとうございました。お家の壁に飾って寒い冬ををほっこりあたたかい気分でお過ごし下さい!
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