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鳥獣戯画の模写-3
[小学生クラス] 2012.02.06
鳥獣戯画の模写-3
小学生クラス 制作:2012年1月 ◎感想/講師:中家総子 1月はアトリエ5に新しくお迎えした中上先生が中心となって『鳥獣戯画の模写』を行いました。「模写」は写すことで作者の筆遣いや呼吸を追体験することです。私自身も昨年の10月頃、土曜日の日本画クラスで鳥獣戯画の模写をやらせて頂きました。実際に線を写してみて、とにかく作者のデッサン力の高さに圧倒されました。一筆の置き方動かし方で植物の水みずしさや乾いた様子を描き、動物の骨格や毛の柔らかさが表現されています。墨の濃淡と計算された余白で空間を作っていて構成も絶妙!線を写しながらどんどん引き込まれてしまいました。 アトリエ5の子供達は普段のクロッキーや空想画の取組みで気持ちを込めて線を引くことを経験しているので鳥獣戯画の魅力にも敏感に反応していました。筆ペンを動かす姿は真剣で、レッスン中はどのクラスもシーンとした気持ちのいい集中の時間がありました。 バックの岩や植物はお手本を見ながら岩絵の具を塗った画用紙に直接描きました。やり直しがきかないのでドキドキでしたが、みんなを信じてゆだねてみました。高学年のクラスでは鳥獣戯画のテイストに合うようにオリジナルで背景や小物を描き入れてる子もいました。 今回の模写を通して線の太さや抑揚について体験し吸収できたとおもいます。子供達の感覚がますます磨かれ次回のクロッキーが楽しみです。それ以上に大きな収穫だったのが日本画の魅力を紹介できたことです!洋画に押されて日本画が衰退してきているのが現状で、学校の美術の時間でも詳しく教わる機会がないようです。私も模写や中上先生に色々な事を教えて頂いた中で、日本人独特の表現のかっこよさや繊細さユーモアのセンス等に改めて気が付くことができました。子供クラスで今後も日本画に触れる機会を作っていきたいです。
鳥獣戯画の模写-1
[小学生クラス] 2012.01.26
鳥獣戯画の模写-1
                                               小学生クラス 制作:2012年1月 ◎制作のねらい  ・鳥獣戯画を鑑賞しながら、筆による線の表現方法を知る。                 ・複数の模写を通じて、運筆を学ぶ。                            ・模写した動物を切り取り、自分で構成して物語をつくる。 ◎感想/アシスタント:中上佳子  初めまして、昨年の秋からアトリエ5のスタッフになりました、中上佳子と申します。日本美術は日常で殆ど目に触れる機会はありませんが、本来はとても身近なものでした。日本美術の良さ、技術の素晴らしさを子供達に少しでも多く伝えたいと思っております。どうぞ宜しくお願い致します。  1月は、平安時代の絵巻物『鳥獣戯画』の模写を行いました。『模写』とはお手本となる絵を写すことによって、その絵の線の良さや筆使いを学ぶ練習方法です。鳥獣戯画は言葉や彩色が無く、墨線の表現のみで物語が成り立っています。登場人物(動物)がまるで生きているかのようなのびやかな線を、子供達に味わってほしいと願い、レッスンがスタートしました。  筆で描く線は、シャープペンやボールペンとは違って千差万別です。太い線、細い線だけでなく力強い線、柔らかい線、勢いのある線…様々な線を、一本一本写していく行程は大人でも難しいものです。しかし、子供達は臆することなく果敢に挑戦!どんな気持ちでひかれた線なのか、一生懸命に絵を見ながら、夢中になって模写に取り組んでいました。  アトリエ5の子供達は、季節ごとにクロッキーを繰り返し、普段から線を大切にして制作しています。その成果が模写の線、一本一本に表れていることを強く感じました。真正面から全力で線と向き合う子供達の姿勢は、本当に頼もしいです。仕上げでは、模写した動物を切り取って構成し、自分で想像する物語を作ってもらいました。緊張感のある線と動物達の見事な構成で、子供達による『鳥獣戯画』がたくさん完成しました。  日本画は学校教育で取り上げられる機会が非常に少ないだけでなく、今や画材も無くなってしまうという危機に瀕しています。こども達と一緒に日本美術の面白さを感じ、その魅力を広めていきたいと願っています。
子供クラスの忘年会!
[小学生クラス] 2011.12.29
子供クラスの忘年会!
小学生クラス 感想/講師:中家総子 2011年最後のレッスンは、一年間がんばった子供達へのご褒美でお楽しみ会をしました。まずはジュースで乾杯!お菓子を食べながら今年を振り返りました。4月から順番に作品を思い出し、どの制作が一番楽しかったかみんなにインタビューしました。一番の人気は夏の工作の『帽子をかぶった生き物』でした。クラスみんなで取り組めて、お友達の作った生き物とつながりをもてたことが面白かったようです。 その後はピタゴラスイッチで遊びました。積み木やサランラップの芯等、沢山の材料の中から子供達が工夫して作ります。遊んでるうちアイデアがどんどん広がって大盛り上がり!いつもおとなしい子が声を出して笑っていたり、話したことのない子同士が一緒に作っていたり、普段の制作の時とは違う子供達の姿を見ることができ、とても良いかたちで一年を締めくくることができました。子供たちの楽しそうな様子は、ギャラリー5にまとめたのでご覧下さい。→☆ (全6クラスたっぷり約100枚!)  2011年は日本でも海外でも様々なことが起こり世界中が揺れた年でした。大切な人との絆、共にいることの出来る幸せをかみしめた1年だったので、小学生クラス60人のみんなと無事に年末を迎えることができて幸せです。今年も様々な場面でのご支援、ご協力ありがとうございました。来年も子供達と共に豊かな時間を過ごせたらとおもいます。宜しくお願い致します。それでは皆様よいお年をお迎え下さい…!
木のオブジェ-2
[小学生クラス] 2011.12.15
木のオブジェ-2
小学生クラス 制作:2011年11月・12月 ◎制作のねらい ・枝の動きを活かした美しい組み方を見つけて構成する。 ・毛糸の配色を工夫し、丁寧な手仕事で編んでいく。 ・枝とのバランスを見ながら、細部を飾っていく。 ・家族みんなで楽しい冬を過ごせるように、心を込めて制作する。 ◎感想/講師:中家総子 前回のブログでは毛糸で編む所までお伝えしました。→☆ 「枝の線・毛糸の面」で大まかな構成が決まったら周りを飾ります。「フェルトとコルク、アイロンビーズ」はバランスを補充し、リズムを与えます。「布」は配色でポイントになるのと、枝を結んだを箇所を隠す役割があります。「赤い実」と「鈴」はアクセントになりクリスマスの気分にもぴったりです。 写真は3年生の女の子の作品です。芽の付いた枝の形が作品に表情を与え、ディティールは丁寧に編み上げた「毛糸の面」との調和を考えながらバランス良く配置されています。アイロンビーズの色に毛糸で使用した紫系を取り入れ、大人っぽくてとてもお洒落!パーツのひとつひとつに「こういう風にしたい!」というその子の意思を感じます。 制作中みんなに何度も声がけしたことは、「お家に飾って家族のみんなで幸せな冬を過ごせるように、心を込めて作りましょう。」ということです。2011年は震災や自然災害、原発など様々な問題があり、家族一緒に過ごせる事の大切さをかみ締めた年だったとおもいます。放射能の問題で枝を使った工作をする事に迷いもありましたが、こんな年だからこそ桜の枝の美しさを愛でてほしいという思いがありました。(中原区役所に問い合わせた所、枝を拾ってきた11月頃特に高い数値は計測されていなかったようなのでご安心下さい。) 自然のもつ形の美しさと、子供達が細かい手仕事で作り上げた可愛らしい飾りを見て、ゆったりとした気持ちになってくれたらと思います。 今週と来週でカード作りをします。内容は…まだ秘密です!お楽しみに!
国際児童画展-3
[小学生クラス] 2011.11.23
国際児童画展-3
小学生クラス ◎感想/講師:中家総子 今週は工作はちょっとひと休み。「カナガワビエンナーレ国際児童画展・巡回展」を観に国際交流センターへお出かけしました。会場に展示されているのは世界の子供達が描いた素敵な作品ばかり!世界中、文化や気候が違うように、絵も国ごとに色彩や表現技法が異なっていて驚きます。みんなも興味しんしんに眺めながら丁寧にメッセージカードを書いていました。 特に大賞の作品は格別です。『うし』の絵は黒に赤い線のコントラストが個性的で、画面の隅々まで全部にが気持ちが入っていて、絵を描くことが楽しくてしかたがない熱い想いが伝わってきます。 『ニュージーランドのとり』は背景の青とオレンジとが響き合って非常に美しく、作者は素晴らしい色彩感覚の持ち主です!クレパスで描いた草や虫も押さえになっていて効果的。どのようにしてこの絵が生まれたのか、指導者にお会いして聞いてみたい気分です。 美しい楽しいものばかりでなく、戦争や平和やエコをテーマにした作品もあり、考えさせられる部分もありました。会場にあった作品のひとつひとつから描いた子の息づかいやパワーが伝わってきました。作者の想いや夢中で表現した事がエネルギーになって画面からあふれ出ていてとても感動しました。 観終わった後は、前半のクラスは芝生で紙飛行機やシャボン玉を飛ばして遊び、後半のクラスはアトリエに戻って羊毛でボール作りをしました。普段の制作とは違う楽しい時間をみんなと共有できてとても良かったです。
木のオブジェ-1
[小学生クラス] 2011.11.11
木のオブジェ-1
小学生クラス ◎感想/講師:中家総子 先週から冬の工作が始まりました!毎年、秋に観察画をうんと頑張ったごほうびで、音楽を聞きながら、毛糸やフェルトを使ってほっこりと楽しい気分で制作します。今年は、震災や台風など自然災害が続き、特に小さな子供がいるご家庭にとって、まだ不安は消えたわけではありません。2011年を心に刻み、新しい年が幸せを運んでくれる様に、心を込めて作りたいと思います。 今年の春も桜の咲く頃、我々日本人は本当に心が救われる思いでした。その事も忘れない様にと、工作の材料は桜の枝を使います。色味が美しく、形に動きがあるので、組み合わせると自然とリズムが出来て造形的にも面白いです。 6クラス分の約300本の枝は、スタッフで手分けして集めました。私は渋谷先生と一緒に、さくらヶ丘・長寿荘のグランド・神庭緑地まで拾いに出かけました。お天気が良く気持ちの良い日で、枯れ葉でふかふかの地面を踏みしめながら、「この枝、色が綺麗だな〜」「カッコいい形だな…」みんながどんな風に作品を作ってくれるのか、楽しみに思いながら心を込めて拾いました。落ち葉の色が綺麗で秋を満喫できた素敵な時間でした。みんなにも小さいものでいいので、学校や公園で桜の木の枝を拾って来て作品に加えるように声がけしました。 最初の週は、枝の美しい構成を考えて、針金と格闘しながらベース作りをしました。「美しい線の造形」にこだわり、ペンチを使う細かい作業にも挑戦してもらいました。今週から針金の間に毛糸を通して作品のメインになる部分に取り掛かっています。毛糸の配色で作品の魅力が決まるので、みんな真剣に選び、いつもより順調に進んでいます。来週も音楽を聴きながら楽しい気分で制作します。お楽しみに!
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