体験を予約する

┃ blog ┃

作品展2017の感想 おとな会場:吉田
[中高生クラス] 2017.03.22
作品展2017の感想 おとな会場:吉田
金曜日 中高生クラス担当 吉田一民作品展2017を終えて、私は今年の作品展にスタッフとして初参加の中、其々の展覧会場には多くの人に足を運んで頂き、3日間という期間を感じさせないような活気と其々の作家の熱量を感じることが出来た展示会となっていたのではないでしょうか。おとな会場の熱気のある雰囲気の中、完成度の高い作家の自己紹介ファイルを囲み友人や家族の方々と話すことが出来る空間を作り出していたのは、其々の作品に対する思いがあったからだと感じます。私はおとな会場の照明を担当したこともあり、全体の雰囲気や偏りを見つつ作品を出来るだけ生かせるようにライトで調節を行いました。美術館では照明専門のプロがいる程大切な仕事なので、会場全体の雰囲気が良く見えていたならよかったなと感じています。作品展が終わった後の交流会の感想発表では、皆生き生きと発言して自分の思いを話していたました。適度な緊張感を持ち、制作にじっくりと取り組むことが出来るアトリエ5のメンバーならではの雰囲気を感じることが出来、次回となる2年後の展示がどの様になるのか楽しみになる内容だったと思います。また、参加された方々も他の様々な作品を鑑賞することで、次となる目標を見つけることが出来た作品展であったのではないでしょうか。今年も更に良い作品が見られることを楽しみにしています。
作品展2017の感想:中村
[中高生クラス] 2017.03.10
作品展2017の感想:中村
◎中高生クラスアシスタント:中村朝咲(武蔵野美術大学 在学)3月3日〜5日の3日間にわたる展覧会が無事に終わりました。私はこの1年間、アシスタントとして未熟ながらもたくさんのことを経験させて頂きました。その最後に、展覧会に関わらせてもらって本当に良かったと思います。どの作品も力作でメッセージカードを書いても書いても書き足りないくらいでした。こどもクラスの作品には、かなわないな…と圧倒されました。作品を見ると、その絵や立体作品を作った子供たちと会話しているような気持ちになりました。私は今、大学で美術教育について学んでいます。美術を教えるとはどういうことなのか、ずっと考えていました。アトリエ5で生徒さんと共に制作したり、時にアドバイスをしたりするうちに、私の中に"絵を教えてあげよう"という気持ちがどこかにあったことに気づき、そしてそれは間違っていると思いました。それは教える側のエゴであるのだと思ったのです。アトリエ5の先生方は、誰も絵を教えてあげようと思って生徒さんと接しているのではない、"共にいい作品を作り上げていく"。主役はあくまで生徒さん一人一人だというアトリエ5の精神が、子供たちの感性をここまで引き出しているのだなと感じました。私は今回おとな会場に「予感」というタイトルの油絵の作品を展示させてもらいました。この作品は美しい光と影をテーマに、枯れた植物をモチーフとして描いています。描きはじめから完成に至るまで、色々なアドバイスを受けながら、本当にこれで完成か…?いやまだだ…と自問自答を繰り返す日々でした。でもそのおかげでとても充実した時間を過ごせたと思います。私は小学校1年生から高校1年生までこのアトリエ5に通っていました。そして大学生になり今度はアシスタントとして1年間お世話になりました。私は3月いっぱいで辞めてしまいますが、生徒さんと過ごした時間、また自分が生徒としてではなくアシスタントとして関わることができた時間は本当にかけがえのないものになりました。これからもアトリエ5は進化し続け、しかし変わらずそこに在る、そんな存在であるのだと思います。今までお世話になりました。ありがとうございました。
今を描くということ
[中高生クラス] 2016.12.11
今を描くということ
中高生 吉田クラス:制作:2016年12月◎感想/講師:吉田一民アトリエ5に入り早一年、季節も移り変わりが早いものであっという間に時間が過ぎていってしまいます。今月からクラスのメンバーも増えたこともあり、沢山の可能性を秘めた作品を見ることができました。金曜日のクラスは皆中学生、テストや部活動でクタクタになりながら来ていますが、時間になるとしっかりと気持ちを切り替えて制作しています。今回の制作では枯れ物と影を中心として作品の制作をしてきました。枯れたモチーフが持つ存在感と造形の美しさ、そしてそこに写る影という存在に皆興味を持ちながら描けていたように思います。長く描いていた油彩も今月で終了となるため、みんなは自分の作品にどのような思いを持って描いているのでしょうか。12月の最後のクラスで発表となるので今から楽しみにしています。作品を制作するということは高いエネルギーを使いつつ、黙々と作品に向かい合っていく必要性があります。イメージとしては「作品との対話」ということに近いのですが、相手(作品)は言う事を聞いてくれず、文句ばかり言ってそっぽ向いている割にはよく見ろと注文くるような感じです。今回の作品では皆色々と悩み振り回されながらも、作品の可能性を信じて前を向いていたように感じました。作品の完成度の高さばかりを見るのではなく、現在の制作の中で挑戦することや新しい自分を発見することこそが大切なのではないのかなと思います。今回の作品は皆の気持ちに応えた作品が多かったように思います。頑張りましたね。制作お疲れ様でした。
絵を描く=常に考える
[中高生クラス] 2016.11.25
絵を描く=常に考える
中高生クラス アシスタント:中村朝咲(武蔵野美術大学)秋も深まりいよいよ冬の気配が近づいてきました。土曜日クラスも、今制作している枯れ物をモチーフにした作品が大詰めを迎えていて、徐々に完成に近づいています。 二時間という短い時間の中、今日は何をするのかという事を明確にして、制作に取り組んでいるように思えます。絵を描くという事は常に考えるという事だと思います。集中できていないときの筆ののせ方と、絵とよく向き合っているときの筆ののせ方、その時は違いがよく分からなくても、時間をおいて見ると、その差がよく見えたりします。絵は行ったり来たりの繰り返しです。時間と上手に付き合って自分の考えを見つめることが大切だと思うのです。土曜日クラスの生徒さんはそれがよくできているように思います。人数が少ないということもあって、ゆとりをもって自分と向き合うということができている気がします。 また油絵と並行して行っている鉛筆デッサンも物を見るとはどういうことか考えるきっかけになっていると思います。違うモチーフを描くたびに新しい発見がある、それを油絵に活かそうとしているのが、絵を見ているとよく分かります。どんどん成長していく生徒さんを見て、私も頑張ろう!と触発される日々です。今制作している作品は3月の展覧会に展示されますので、皆様是非見に来て下さい!
中高生、秋の制作佳境
[中高生クラス] 2016.11.18
中高生、秋の制作佳境
 9月から始めた中高生秋の制作『美しい陰影』も、いよいよ佳境に入りました。木曜クラスは高校生4名、中学生2名の構成で、全員で制作すると教室はぎゅうぎゅう。特に高校生はキャンバスサイズがF10号の為、制作スペースを確保するにも一苦労。しかしそこはなんとか工夫できるのはさすがです。制作スタートと同時に熱い眼差しが作品に注がれ、筆は生き生きと動き続け、終わる頃には談笑。メリハリをつけた確かな制作と熱意。全員が小学生クラスからアトリエ5に通い続け、学校も違う仲間と『自分の作品をよりよくしたい』という気持ちを共有し高めあえる大切な場所。彼女達にとってここはかけがえのない空間なのでしょう。制作ではうまくいくことばかりではなく、息詰まることも多々あります。飽くなき向上心が故、作品に対する悩みは常に尽きません。そんな時―たとえ安易で楽な方法に逃げてしまいそうな時でも、選択は常に逆。作品にとってよりよい方を重視できる安定した心の強さは、小学生の頃から積み上げてきた『自分のやりたいことを見つけイメージをもつ』そんなキャリアに裏打ちされています。それらの目に映らずとも大きく育まれた心は、高校生になり充実した技術面と歯車が合致し、自分でも驚くほどの飛躍を見せる大事な宝物です。しかも喜ばしいことに、それらを分かち合える長い付き合いとなる仲間がいます。切磋琢磨できる仲間は、自分らしい表現を考える為に必要不可欠です。木曜クラスの高校生4名の表現は、誰一人どこも似ていない、しかしどれも自分の価値観をはっきりと持っていることが分かる美しさがにじんでいます。それは、アトリエ5の生徒としての、ひとつの到達点と呼べるものかもしれません。さらにそんな自在な表現に、たくさんの刺激を常に貰っている中学生2名は、この3ヶ月毎レッスンの度に目に見えて内面、そして技術面の成長著しく、次世代として勝手に期待してしまう程です。完成まであと1ヶ月、3月の作品展に並ぶ予定です。熱く、そして堪らなく瑞々しい中高生の作品、是非足をお運び下さい。
向かい続ける力
[中高生クラス] 2016.08.08
向かい続ける力
4月から約4ヶ月間取り組んできた中高生クラスの油絵「春の静物画」が、ついに完成を迎えました。曜日毎に講師が定めたねらいを深め、決して長くはない時間の中それぞれ何が出来るかを工夫し、真剣にキャンバスと向き合いました。新たな技法や表現、制作中の見方や考え方など、今まで描いてきた油絵から一歩進んだ「描くこと」への取り組み。特に新高校生は、キャンバスを今までのF6からF10にサイズアップしたことによって表現の幅が広がり、そこから新たに生まれる面白さや難しさと毎回格闘していました。おそらく「うまくいかない」ことの方が多かった今回の制作。やりきれた要因は、長年の「作品と向き合う」キャリアでした。制作は誰に強制されるわけでもないので、続けることも諦めることも自分の気持ちひとつ。「楽しい」が原動力だった小学生が、鉛筆デッサンや子供油絵クラスで表現の「面白さ」を知り、中高生となって自分だけの「興味深い」を模索する。成長と共に制作に対する気持ちや姿勢が変化していく中で、全員に共通して言えることは、時を重ねれば重ねるほど制作することが自分にとってかけがえのない、大切なものになっていくこと。困難な課題に、自ら培った経験や感性で挑み、新たな何かを獲得する。その先にある喜びは人生の宝。知ってしまえば諦める選択肢は自ずと姿を消していきます。「作品と向き合い続ける」ことでしか得られないものが確かにある。真剣な眼差しでキャンバスを見つめる中高生が、無言で教えてくれたことです。デッサンを始めた小学生の皆さんも、これからこの場所でより多くの、自分だけの宝を増やしていって欲しいです。 一方、先日行われた夏の美術鑑賞会。アトリエでは見せない、実に中高生らしい笑顔でとても楽しく過ごしていました。ただ、作品を前にしたらやはり真剣。明らかに他の観覧者と目の色が違いました。これも、作品に向かい続けることで培われた「受け取る力」なのでしょう。新鮮で豊かな感性。秋の制作でどのように形を変えていくのか、とても楽しみです。  
鉛筆の”線の集合体”
[中高生クラス] 2016.07.22
鉛筆の”線の集合体”
作者の感想/中高生クラス アシスタント:中村朝咲(武蔵野美術大学) 私は小学1年生のとき、母の紹介でアトリエ5に通いはじめました。 アトリエ5は、子供の頃の私にとって唯一自分の世界を存分に広げることのできる場所でした。ただ絵を描くことを教える、教えられるの関係ではなく、一緒になってその時その時の作品について考え、感じていく。自分の好きなこと、自分だけのこだわり、そういうことにとことん付き合ってくれるのがアトリエ5というところです。  今回のたまねぎの鉛筆デッサンは、鉛筆の"線の集合体"によってモチーフを描くということを意識して描きました。これは色鉛筆の技法から影響をうけて思いつきました。鉛筆デッサンなのだから線で描くのは当たり前だと思われるかもしれませんが、たまねぎを描くことだけに夢中だった私にとってこれは大きな発見でした。 当時の私はこれに気づくまで、モチーフの魅力を描こうと思いつつも、どこかただ何となくそれを描いてしまっていて思うように描けていなかったのです。そんなとき、横山先生の色鉛筆の特別講座と出会い、今まで知らなかった色鉛筆の使い方を学んだことによってそれを発見し、鉛筆デッサンに活かしました。 デッサンを学んでいくにあたって鉛筆でのデッサン力を高めていくことはもちろん大切です。しかしそれだけでなく物の捉え方、考え方は固定せず柔軟でいることも大切です。今回の私の場合は色鉛筆でした。しかしどこにヒントがひそんでいるか分かりません。皆さん、美術に限らず色々なことをたくさん経験して下さい。そうして得たものはただの線一本であっても全く違うものに変えていってくれるはずだと私は思います。
体験を予約する