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小学生 絵画/モノクロームの宝物
[小学生クラス] 2020.11.02
小学生 絵画/モノクロームの宝物
くっきりと冴える月が夜を殊更静かにみせる季節。小学生クラス「水墨の旅」も完成を迎えました。分散でのレッスンでクラスの人数が半分、だからこそと教室を広々と使った墨のダイナミックな表現。集中と賑わいが混在したとても楽しい制作となりました。「にじみ」や「かすれ」など水墨の技法を学び、そこでできたモノクロームの形を何かに見立て、長い紙の上を旅していく。お外にあまり出られなかったと思われた時期だからこそ、絵の中ではどこまでも遠くへ羽を伸ばしてほしい。子供達はその期待に応え、シュールでごきげんな冒険を繰り広げていました。話を聞いてみるとストーリーの設定が思いの外しっかりと成されていることに驚きつつも、それぞれの発想力に破顔せずにはいられませんでした。 例年一度は行う墨を使った表現ですが、今回はいつもと少し違ったものとなりました。似ているようで絵の具とは明らかに異なる墨と言う画材。その色、紙面上での変化や特性に、より迫ったものとなったように感じます。そしてそこに子供達が面白さと美しさを見出してくれたのは、とても喜ばしいことでした。筆先で静かに水を一滴、じんわりじんわりと広がるモノクロームの形。それは偶然性に委ねている訳ではなく、「こうするとこうなる」という実にシンプルな墨と水と紙の因果関係。水量が多いと円が大きくなる、筆を速く動かすと線がよりかすれる、水をひいていないところには墨は広がっていかない…それらを繰り返しの中から理解し、思った形へと誘っていく。楽しくないはずがないですし、なによりそれを楽しいと感じるところまで自分をもっていけたということが素晴らしいことです。さらにそれを「きれい」と感じることのできる心。カラフルではないからこそみえる繊細なニュアンス、そこに名前を付けるように意味を持たせる「見立て」の小意気さ。それこそが墨の美しさであり「モノクローム」の美しさなのです。それを屈託のない姿勢で向き合えたことは、とても大切なことです。きっと将来宝物となるでしょう。ずっと大切にして下さいね。   
感じる心のストレッチ
[おとな美術] 2020.10.31
感じる心のストレッチ
コロナ禍により生活が一変して以来、もう半年以上が過ぎました。子どもクラスの保護者様やおとなの方にも「ほぐし」を、との想いから9月に立ち上げた月1回の『おとな図工クラス』。リピーターの方の存在もありがたく、次回で3回目の実施を迎えます。写真は9月の染め物、10月水彩遊びの回の様子です。11月はコラージュ制作、12月に羊毛フェルトの工作を企画しています。 ただこちら図工クラスでの制作の目的は、作品づくりレクチャーというより「素材と場と時間」の提案と提供、と捉えていただく方がしっくりくるように思います。 新鮮な視点を持って、素材や画材を手にとり感じて、手を動かしながら考える。日常の気忙しさから解き放たれ、それぞれの心の中にある快さや美意識と向き合う時間となれればと思っています。そして身の回りのものの美しさや価値に気付き見つめ直したりと、また日常を生き生きと感じるきっかけとしていただければ何よりです。 なので、制作に臨むのに、経験や知識・センスも技術も度合いはあまり関係がなく、どんな方もお手持ちのもので十分です。感性をストレッチさせ、少しリフレッシュした気持ちを作品と共にお持ち帰り下さいね。是非、ご参加をお待ちしております。   【受講ご予約受付中!】 ●11/20(金)コラージュ制作『落ち葉のシルバーレリーフ』 秋の落ち葉や異素材を使い、黒とシルバー基調のコラージュを制作します。葉脈や素材の凹凸を触覚的に楽しむことから始めてみましょう。レリーフ風の作品に仕立てます。   ●12/18(金)羊毛フェルト工作『五つの夢』 寒い季節にほっこりと温かいフェルトに触れ、優しく丸めて形を作ります。その手仕事に想いを込めて。吊るして飾れるオブジェとなります。   ==おとな図工クラス== 毎月第3金曜日 10:00〜12:00 場 所:アトリエ5 定 員:6名 先着順 参加費:材料費込¥3,000(税込)当日納入 持ち物:作品持ち帰り用袋(B4程度) 講 師:山田 稔子  (アトリエ5 幼児/おとなクラス担当) 在籍生徒様のご紹介の方は2回分予約で受講料割引! ☆¥6,000→¥5,500 https://coubic.com/atelier5/440935  
親子/「きれいだね」と感じる心
[親子クラス] 2020.10.29
親子/「きれいだね」と感じる心
講師 : 渋谷葉子 武蔵新城のNAYAで「親と子の造形」を始めて、今年の3月で3年目を迎えました。キャンセル待ちが出るとの嬉しい声を聞き、これから新年度スタートという時にまさかのコロナ禍‥‥ この今まで経験したことのない出来事は、本当に不安と我慢の毎日でした。家庭内で過ごす制約のある生活の中で、私達は何気ない暮らしが如何に大切だったかを改めて気づくいい機会となりましたね。そして、少しずつ新たな生活を築き始めました。   「親と子の造形」の再開は7月になりました。三密を防ぐため定員4組の所を2組にして2回行っています。 最初のテーマは「のびのびと描こう!」コロナ禍の不安で固くなった心をほぐそうと、大きな紙面に向かいました。7月は模造紙に大きなヤツデの葉っぱを、8月は段ボールやボディペインティングで絵の具をたっぷりと使って描きました。お家ではなかなかできないダイナミックな造形遊びに、母と子の弾けるとびきりの笑顔が沢山見られました。   そして、落ち着きを取り戻してきた9月・10月は、毎年恒例の「お月見」と「落ち葉」の造形。身近な自然に目を向け「きれいだね」と感じる心を育むをテーマにしています。お母さんと一緒に美しい物を見た経験は、大人になっても必ず記憶のどこかに残っているものですよね。レッスンの後、もう一度公園でお母さんと一緒に落ち葉探しをしている姿を見ると「伝わった」と喜びもひとしおです。   また、今年度は特に身近な草花を意識的に取り入れるように心がけています。お母様方から「前回のヤツデ、まだ元気ですよ!」「ススキ、作品と一緒に飾ってあります」という嬉しい声を聞くと、次は何のお花にしようかなと私自身の楽しみにもなりました。   子ども達の生活環境が、スマホやゲームにどんどんとバーチャル化されてきている今。都会の便利な地域に住んでいると、つい忘れがちになってしまいますが、ふと視点を変えるだけで、又は普段とは違う道を歩くだけでも自然はあります。「親と子の造形」はそんなきっかけ作りをこれからも目指していきます。 「みどりなくらし」のfacebookで制作中の様子をたくさん紹介して頂きました。⇒☆ 「親と子の造形あそび」のご予約・詳細はこちら⇒https://midorinakurashi.jimdo.com
小学生 絵画/じっくり、のびのびと
[小学生クラス] 2020.10.27
小学生 絵画/じっくり、のびのびと
  ここ最近は肌寒い日もあり、季節の移ろいを感じています。 小学生クラスではまだ暑さが残っていた9月から、「水墨の旅」に取り組みました。   昨年、日本画の模写を経験した子や今回初めて墨を使って絵を描く子、それぞれでしたが、みんな夢中になって制作していました。   初めは真っ白だった長い紙いっぱいに、水墨での表現をたっぷりと味わい、その後は描き上げた墨の形を何かに見立て更に描き足し、絵の中で旅をしました。 花火や風が吹く様子、昆虫や魚・・・・ 偶然出来た形が想像力を掻き立て、旅をより面白くしているようでした。   そして今回は完成した水墨画に和紙を貼り、題名を付けて巻物に仕立てます。 各御家庭、ラップの芯をご持参いただき、ありがとうございました。   最後はクラスごとに鑑賞会。 自分の作品だけでなく、お友達の作品にも興味津々。 こちらが想像していたよりも、子どもたちは遥かに壮大な物語や波乱万丈の旅を繰り広げていて、その様子を沢山話してくれました。 だいぶ緊張がほぐれてきたのか、クラスの雰囲気もより良くなってきています。一人一人、体力や集中力もぐんと上がり、素晴らしい作品の数々でした。   ==第21回カナガワビエンナーレ国際児童画展 作品募集== 先週から各御家庭へお便りを配布しています。 出品作品の選定やご不明な点がありましたら、アトリエまでご相談ください。   公式ホームページ http://www.earthplaza.jp/biennial/
こどもいけばな/月と愛でる花
[いけばな] 2020.09.28
こどもいけばな/月と愛でる花
            土曜特別講座「こどもいけばなクラス」:2020年9月26日 【感想】講師:吉田花倫 もうすぐ中秋の名月ですね。毎年9月の中頃で、こどもいけばなの開催前に終わってしまいます。ですが今年は10月の頭ということで、お月見いけばなをいけて、是非名月と一緒に愛でてもらおうと思いました。 “お月見”ですから、ススキをメインに秋の花を用意し、数種類の花からメインにしたい植物はどれにする?と聞くと、ススキを選ぶ子の少ないこと!! リンドウやワレモコウ、ケイトウやスプレーギクまで様々に選びます。もちろん決まりはないし、一番気に入った植物でいいよ?どれを一番見せたい?と聞いて選んでもらったので、チョイスからもみんなの個性が出ました。固定観念がないということの素晴らしさを目の当たりにしました。私も新しい発見の連続でした。 いけばなの上達に欠かせないのが、他の人の作品を多く見ることです。まさに上達のヒントがたくさんありました。 秋色の落ち着きのある赤、くすんだ黄色の配置が絶妙だったり、一見脇役にしがちなハランを造形的に見せたり、1教えるとそこから5にも10にもできる柔軟な発想に脱帽でした。 細くてすぐ折れてしまうススキやワレモコウに苦戦している姿もありましたが、それぞれの良さが引き立つお月見のいけばなになりました。 春にたくさんの花があることは知っていたかもしれないですが、秋にも春とは違う魅力のある花がたくさんあることを覚えてくれたら嬉しいですね。 中秋の名月、いい天気に恵まれますように。 *********************** 【インスタグラム】 「アトリエ5_いけばな」 生徒さんの作品や活動風景をご覧頂けます。 フォローも宜しくお願いします。↓ https://www.instagram.com/atelier5_ikebana/ 自宅でいけた花など是非 #アトリエ5こどもいけばな を つけて投稿してください。 *********************** 2021年度【こどもいけばなクラス】開講予定 2021年6月と9月(土)(年2回 午前と午後) ○10:30~12:00  ○13:30~15:00  詳細は2021年4月以降にアトリエ5HP、Instagramアトリエ5いけばなにて お知らせ致します。 *********************** 草月流のHP 勅使河原茜家元の作品やイベント情報が見られます。 https://www.sogetsu.or.jp/
小学生 絵画/ユーモアとリアリティ
[小学生クラス] 2020.09.21
小学生 絵画/ユーモアとリアリティ
熱を含んでいた雨が涼しさを運んでくる季節となりました。雲の切れ間から覗く空が高くなってきましたね。小学生クラスで行った二つの絵画制作「こいのぼり」と「夏やさい」も無事完成を迎え、お家へとお届けできる運びとなりました。分散でのレッスンによりひと制作の期間が長くなりましたが、生徒の皆さんは気持ちを途切らせることなく、最後まで集中し、楽しみながら作品と向き合うことができたこと嬉しく思います。各クラスの親睦も深まり、良い影響を与えながらの制作も多々見られ、場の力として教室が活用されていることも深く感じさせてくれる三ヶ月となりました。   空想画「こいのぼり」では、五月五日のこどもの日である端午の節句の由来(疫病などを祓う行事だったようです)を知り、自分なりの願いを込め考えた新しいこいのぼりを描く、というテーマでした。「普通のこいのぼりは五月五日のものだから、この時期に描くこいのぼりは全く新しいものでいいんだよ」という言葉をきっかけに、様々な模様や形、面白い設定のこいのぼりが次々と生み出されました。柏餅ミサイルを飛ばしたり、ただただ白米を食べ続ける食いしん坊だったり、やたらとオシャレすぎたり、地球を見下ろすほどのサイズだったりと、空想は止まることを知りません。悠々と空を舞うこいのぼりのように、どこまでも自由に筆を動かし続けることができました。いつの世もこいのぼりは子供達の味方。描いたこいのぼりのように、ユーモアを忘れずに過ごしていきたいですね。   観察画「夏やさい」では、幼児クラス同様、京都のあらい農園様のご協力を頂き、畑からの直送夏野菜を瑞々しく描きました。スーパーなどでは見られない不揃いで歪な形、輝かしいまでに鮮やかな色、その「生き物」として迫ってくる力強さのなんと美しいことでしょうか。それに作用され意気も揚々、子供達は夢中で形を追い、まぜ色を行いました。トマトの赤色、ナスの紫、ピーマンの緑、どれも同じものはありません。ひとつひとつ丁寧に、それこそ根気よく野菜を育てていくようにじっくりとモチーフと向き合い、視覚では分からない重さや触覚的な質感も確かめ、小さな発見に胸躍らせ、確かな観察を表現しようと苦心しました。最後は配置や背景のバランスにも気を配りながらの絵の具、描き切ることができた喜びと共に一安心でした。 野菜に添えられていたあらい農園様のお手紙には、日々野菜を狙う猿との闘いや、農薬にまつわる悩みなどが記され、混じり気のない農家としての言葉が目の前の野菜達の背景に思いを馳せるきっかけとなり、解釈を立体的にし、新たなリアリティをもたらして下さいました。本当にありがとうございました。感じ取り、表現しようとしたこのリアリティ、忘れずに過ごしていきたいですね。    
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