体験を予約する

┃ blog ┃

本田/小学生:金属とドングリ
[小学生クラス] 2014.11.01
本田/小学生:金属とドングリ
小学生クラス  2014年10月 ◎作品のねらい  ・金属とドングリを楽しく組み合わせ観察して描く。  ・金属の質感や色など特徴を感じ、工夫して表現する。  ◎ 感想/講師:本田雄揮(月・水曜日クラス) お天気が変わりやすい10月。雨の日も多いですが、その分晴れた日はこの上なく清々しい季節です。集中力も増す気候の中、小学生クラスでは秋の観察画『金属とドングリ』を行いました。 金属って日常生活でよく使用するものですが、「これは金属だ」と改めて意識することってほとんどないですよね。金属に限らず、物の素材や質感をいちいち意識するなんて、実は少ないんじゃないかと思います。昔より多種多様な素材の中で暮らしていることが、逆に「もの」に対する興味を薄れさせているのではないのでしょうか。普段意識しないものの中にも、注目すると実は美しさや面白さが隠れているんだよ!ということで、とりあえずたくさんの金属を集めてみました。 講師達が持ち寄った金属は、形や色、使う目的などがどれも違い、並べて見ているだけでかなり面白いです。見ているだけでなく、音も観察してみようと、金属の中にドングリをいくつか入れ、振ってみます。カラカラ、ザラザラ、ガシャガシャ、リンリンと、見た目だけでなく、奏でる音色も様々。 「ドングリは何個入っているか、音で当てようゲーム」は、盛り上がりました。その後は描きたい金属をそれぞれ選び、特徴を感じながら描いていきます。ただ並べて描くのではなく、「どんぐりのかくれんぼ」を行いながら構成していくと、普通では思いつかない配置が完成。 集中して下描き、色を選んで絵の具で下塗り、そしてクレパスで色や質感を描写。金属は光を多く反射するものなので、色は大変難しい。白や黒やグレー以外の色はないか?このツルツルはどう表したらよいか?映りこんでいるものはどんなか?それぞれがそれぞれの観察を行い、工夫をしていきました。 難しいからこそ、新しい工夫が生まれます。その工夫こそが個性です。完成した作品は、最初に並べたモチーフ達のように、同じ『金属』のはずなのにどれも違い、しかしどれも確かに『金属』でした。 観察画というと、パッと思いつくのは、写実的で本物そっくりな絵ですよね。しかし、目でみて耳できいて肌で感じる「観察」が、全ての人間で同じ訳はないのです。自分にとっての「本物そっくり」にたどり着く力、それこそが本当の「観察したものを表現すること」ではないか。そんなことに改めて気づいた秋でした。 =====================
山田/小学生:夏のおわり
[小学生クラス] 2014.10.02
山田/小学生:夏のおわり
小学生クラス  2014年9月 ◎ 感想/講師:山田稔子(火曜日クラス) 四季の中でなぜか夏だけは、終わるのが寂しく感じるように思います。 9月の空想画では、「夏のおわりの、○○」というキーワードを まるごと子どもたちに託してみました。 朝顔が枯れたこと、鈴虫の声が聴こえること、自分の背が伸びたこと。 自分が夏休みに訪れた場所が今頃どうなっているかと想像したり、 9月といえばお月見・・・月、ということから宇宙へと発想を広げたり、 お盆とハロウィンの間で「おばけの季節」(なるほど!)という話が盛り上がったり。 子どもたちのアンテナは、大人とは少し角度が違っていて、 傍らで話を聞いているのが面白いのです。 夏のおわりについてあれこれ話を広げた後、 まず絵の具にのりを混ぜ、指・手を使って画用紙に下地の色をつくります。 色は、空想の舞台となる「夏のおわり」の、光・風・ムード。 指の動かし方、爪やてのひらの使い方で、独特のマチエールになっていきます。 ただただ感触に身を預け、画用紙の上で泳ぐように色を広げていると、 気持ちよさに目的を見失いそうになっています(笑)。 抽象画のようになった画面を並べて眺め、○○な感じがするね、と話し合います。 画面が乾いたあとから、自分の指あとを頼りに、登場する人物やモノ、風景など 思いつくまま黒コンテで描き込みました。ごしごし描いて塗って、ぼかして。 ・・・と今回は、なんだか手をたくさん使う制作でした。 「こんなこと、やってもいいのかな?(手を汚すなんて)」 という気分が、のり絵の具の最初はみんな少なからずあったようでしたが、 「こういうの、描いてもいいのかな?」 コンテで描き進むにつれ、そんなツブヤキも聞こえてきました。 ツブヤキの主は、ワクワクした目で言ってくれたので、こちらも目でGOサイン。 のり絵の具の感触を十分楽しめた後なので、気持ちがほぐれていた様子でした。 しかし、もしいつも大人の意向を汲み取って行動するクセがついてしまっていたとしたら、 絵では、そこから解放されて欲しいと思います。 とくに空想の絵は、自分の中のものをそのまま吐露できる場所ではないでしょうか。 こんな描き方をするんだ、こんな想いを持っていたんだね、と 普段のやり取りや、観察画やテーマ画では見いだせないような、素の部分というか 意外な一面をも出させてくれるところが空想画の大切な役割と感じました。 やっていいの?を臆せずやれる場所がちゃんとあると、安心して次に進めそうです。 夏をスッキリ終われたら、実りの秋に向かいましょう。 ============================ ◎こども美術コース・秋の入会キャンペーン(〜10月末) ・体験受講料:通常1500円→500円に割引(要予約・先着順) ・次年度(2015年4月〜)入会希望の方のご予約も受付けておりますので、 この機会に是非お問合せ下さい。スタッフ一同お待ちしております。 【小学生】月曜日クラス/火曜日クラス/水曜日クラス ・低〜中学年(15:30~17:00) ・中〜高学年(17:00~18:30) アトリエ5:☎ 044-411-5154 ============================
本田/小学生:マドバコ
[小学生クラス] 2014.09.29
本田/小学生:マドバコ
小学生クラス  2014年9月/講師:本田雄揮(月・水曜日クラス) ◎作品のねらい ・箱の中に窓の外の世界を空想し、空間づくりを行う ・絵の具の様々な表現を楽しみながら、イメージを広げる。 ・身近な窓の外の風景を観察し、季節の変化を感じる。  ◎ 感想  季節の変わり目となる9月。今年は例年より早く秋が来たように感じます。 今回の月・水曜クラスの空想画は、箱を用いて『窓の外の世界』を表現しました。窓の外に広がる様々な景色やものを、同じような四角形の箱の中に閉まってしまおう!ということです。各ご家庭で箱を準備していただき誠にありがとうございました! まずは、様々な窓に映る景色の写真や絵画を鑑賞し、イメージを広げます。窓だけを見て、その場所がどういうところか、天気は?季節は?時間は?住んでいる人は?などを想像します。 たくさんの意見が飛び交い、予想以上の盛り上がり。 次に絵の具を用いて箱の中に『光や空気』をつくっていきます。 光も空気もはっきりと形があるものではないので、筆で描くのでは表現しきれない、ということで、様々な道具を使って行います。 スポンジやビー玉、歯ブラシ、割り箸、綿棒…。 様々な使い方をして、偶然できる形や色を楽しんでつくっていきます。 なかでもビー玉はどのクラスでも大人気。 絵の具を付けたビー玉を箱の中に入れ、ふたを閉じて思い切り振ります。 教室に響くガラガラゴロゴロガラガラ…。 まるで雷雲の中にいるようです。 子ども達のテンションも一気に上がり、制作する手は止まりませんでした。 そしてそこから徐々に見えてくる風景。 抽象的な絵の具の重なりが、森の中や繁華街、海や草原など、 形あるものへと変化していきます。 自分の景色が決まったら、小さい『見えるもの』を加えていきます。 虫や車だけでなく、彼岸花や十五夜のお月様など、この季節のものもあってステキです。 最後に窓となるプラ板を箱の縁に取り付けて完成。 閉じられた箱の『中』に、どこまでも広がるそれぞれの『窓の外の世界』が出来上がりました。 変化の大きいこの季節。見慣れた窓の外の景色もコロコロ変わります。 その移り変わりを敏感に感じ取り、美しさを知る心が育って欲しいと思う9月でした。
山田/小学生:夏のスケッチ絵巻
[小学生クラス] 2014.09.04
山田/小学生:夏のスケッチ絵巻
小学生クラス  2013年7月 ◎ 感想/講師:山田稔子(火曜日クラス) 旅行に帰省、または夏期講習など、今年も子どもたちは多忙な夏休みでした。 8月はアトリエにクラス全員が揃うことも、珍しいくらいです。 どんな過ごし方でも、夏休みは、やっぱり子どもたちにとって特別。 充実した夏のカケラたちを手に取れる形にして残して欲しいなと、 火曜クラスでは数々のスケッチを「絵巻」風にまとめることにしました。 悦子先生のお宅へスケッチに行ったり、アトリエにある小物を描いたり、 また家庭やそれぞれの旅先などで集めたスケッチなどをもとに、 長〜い和紙に墨汁+わりばしペンで描き連ね、絵の具のうす塗りで仕上げます。 ところで「絵巻」とは? つまり、巻物状の絵、です。 『源氏物語』や『鳥獣人物戯画』なども絵巻物。 物語でなくとも同じ形状になっている作品(『○○図巻』など)も日本には古くからあります。 横長に連続した絵や物語は、本来は始めから終わりまで全部を広げず、 右から左へと少しずつ開いては巻き取りながら、辿るように鑑賞します。 そんなことを子どもたちに紹介したのち、さて描くときも、同様の動作で制作が進みます。 わりばしペンは便利ではないけれど、和紙との相性で独特の味が出ます。 握る手の持ち方・早さ・筆圧・角度によって、墨の線の強弱やリズムが多様。 描きながら一瞬止まりジッ...と見つめ考えた跡が、墨のにじみの節になったりします。 吸水のよい和紙は、自ら求めるように筆先から色を吸い込み、 染まっていくような水彩の淡い色にも、子どもたちがのめり込んで行く様子がわかりました。 描き進むたびにいちいち開いて巻くのも何だか楽しい様子で、 じっくり派もさくさく派も、自分の描きたいペースで、描きたいだけ描きました。 トリミングを活かした粋なこだわりの構成が表れたり、心憎い配色の妙が見られたり。 また、モチーフから想像したお話を絵で紡ぎ出す子が出てきたりもして、 それぞれのスタイルによる描き方・自発性を展開してくれる「絵巻」形態の絵画制作に、 ちょっと新しい?可能性を感じてしまったほどです。 まだまだ描きたい!との声がいくつも上がり、想像以上の子どもたちの意欲でした。 この伸びやかさ、夏だからというのもやはりあるのでしょうか。 それぞれタイトルもつけて、簡易な装丁をして仕上げました。 額装し壁にかけて鑑賞する絵画もいいけれど、 巻けば手中に収まるサイズ感、手元で少しずつ眺められる形も楽しいものです。 好きな場所に持ち運びそっと広げるも良し、鑑賞法とともに誰かに披露するも良し。 描くのも楽しい、観るのも楽しい美術を、子どもたちが方々へ運んでくれますように。 *facebook〔アトリエ5〕に、スケッチの様子や作品を追加しました。→☆ ============================ ◎こども美術コース・秋の入会キャンペーン(9月1日〜10月末) ・体験受講料:通常1500円→500円に割引(要予約・先着順) ・次年度(2015年4月〜)入会希望の方のご予約も受付けておりますので、 この機会に是非お問合せ下さい。スタッフ一同お待ちしております。 【小学生】月曜日クラス/火曜日クラス/水曜日クラス ・低〜中学年(15:30~17:00) ・中〜高学年(17:00~18:30) アトリエ5:☎ 044-411-5154 ============================
本田/小学生:夏のスケッチ
[小学生クラス] 2014.08.30
本田/小学生:夏のスケッチ
小学生クラス  2014年8月  ◎作品のねらい ・自ら描きたいものを見つけ、よく観察し、スケッチの魅力を知る。 ・枚数を重ねていきながら、線表現の幅を広げる。   ◎ 感想/講師:本田雄揮(月・水曜日クラス) 夏の工作もひと段落し、ほっと一息の8月は『夏の特別レッスン』です。 夏休み中ということもありクラス全員が揃うことが少ないので、一回のレッスンごとで出来ることかつ自宅でも行えるものとして『スケッチ』に取り組みました。 スケッチは、通常レッスンで制作している絵の作品と一枚にかける『時間』と『意識』が少し異なります。 ひと月かけて制作する作品を長距離走だとすると、スケッチは短距離走。 または、たくさんの原稿用紙でまとめる作文ではなく、さくっと気軽に書く一言日記みたいなもの。 その分、一本の線に発見や気持ちを込めるための『観察』は通常よりも大切になります。 また、スケッチは情報を収集、選別する力が養われます。 必要なものを見極め、不必要なものを省く。 作品制作のみならず、何かを行う上で、この力は非常に重要です。 もちろん初めからできるものではありません。 挑戦していきながら、自分でコツを見つけ出す。 その為にはたくさんやってみないと分かりません。 何事も経験です。 正確さよりも自分が感じた印象を。 夏休みという特別な時間には、ピッタリの制作です。 というわけで、多様なスケッチを試みる為、今回は様々な場所でレッスンを行いました。 まずは辻の自宅へ足を運び、普段見られない室内のものをスケッチ。 かき氷機や仏壇の仏様(!)、お庭で夕涼みする猫…。 どこからか聞こえる蝉の声と風鈴のやさしい音色が、集中した室内の静けさを際立たせていました。 田舎へ帰省したような心安らぐ空間で、スケッチのコツを掴むことができました。 頑張って制作した最後には、サプライズのスイカも!とてもおいしかったです。 次は教室で夏野菜のスケッチ。 トマトやトウモロコシ、ナス、ゴーヤなど、鮮やかに色付いた野菜を、割り箸ペンと墨で描いていきます。 描き慣れた鉛筆と違い、なかなか調節が利かない割り箸ペン。その分、線で表現する面白さを知ることができました。 モチーフとなった野菜は、私の責任の下、すべて夕飯と相成りました。健康になりました。とてもおいしかったです。 そして3回目は最寄りにある市の施設『国際交流センター』へお邪魔し、窓から外の景色をスケッチ。 目の前にモチーフを置いて描く今までのスケッチとは違い、風景は情報が多いので自分で選ぶ力がより必要となります。 どのように描くか楽しみにしていると、あるクラスでは『外で描くもの探したい』との声が。 素晴らしい。与えられたものだけでなく、自ら考え足を動かし対象と関わりに行く姿勢。 夕刻で涼しさもあり、野外でも気持ちよく活動できました。 (快く場所を提供して下さった交流センターの方々、誠にありがとうございました!) 最後の回は今まで描いたスケッチをまとめます。 参考資料を見ながら表紙のデザインを考え、順番に並べ、穴をあけ紐で結んで完成。 この夏の思い出が、ギュッと綴じられたかわいらしい一冊が出来上がりました。 スケッチはとてもお手軽に行える制作ですが、その効果は実は計り知れません。 有名な作家達も同じようにたくさんのスケッチを行い、作品づくりに活かしてきました。 今回驚いたことは、子ども達の『観察し捉える力』の柔軟性です。 始めは何を描いていいか、どのように描くか迷いがあった子も、回を追うごとに対象と積極的に関わり、線に豊かさが生まれてきました。 ただものをそのまま描くのではなく、何を感じるのか、どう表すのか。 そんなことをいつのまにか考え、実践している。 それがスケッチの魅力なのだと、改めて気づかされました。 これを機会に、レッスン以外でもたまにスケッチを行ってくれればいいなあ、と思う8月でした。 =====================
本田/小学生:誕生日モザイク
[小学生クラス] 2014.08.22
本田/小学生:誕生日モザイク
小学生クラス  2013年7月 ◎作品のねらい  ・自分の誕生日にちなんだモチーフを選び、心をこめて制作する。  ・色やその組み合わせ方を考え、ずっと大切にできる作品にする。  ・根気よく取り組み完成までの目標をもってモザイクを貼っていく。 ◎ 感想/講師:本田雄揮(月・水曜日クラス) 7月は夏の工作。月・水曜クラスは「モザイク画」に挑戦です。 細かく割った様々な色のチップを丁寧に組み合わせながら貼っていき、ひとつの絵を完成させていきます。 テーマは「誕生日」。誰もが必ず持っている特別な日です。 その日にまつわる花や石、星座などをモチーフに制作していきます。 誕生日はプレゼントをもらったりケーキを食べたりするだけではありません。 少し視点を変えて、自分の「生まれた日」について考えてみてほしいと思いテーマ設定しました。 まずは誕生花や誕生石、星座など本で調べアイデアスケッチ。 本によって同じ日でも誕生花が違っていて面白い。 知らない花でも、なんだか特別に感じる。 自分のものだけでなく、家族や友達の誕生日なども調べ、なかなかな盛り上がり。 「先生、私のお兄ちゃんの誕生花は何でしょう?」というクイズも。 それ、難しすぎる。 色のバランスなども考えたら、土台となる園芸用の丸い素焼き皿に写し、モザイクスタート。 モザイク用の板を手で小さく割っていき、それらをボンドで貼っていく。 単純だが細かい作業なので最初は苦戦。 ボンドの量やチップの形による貼りづらさなどを、各自試行錯誤しながら乗り越えていく。 徐々に多様な工夫がみられ始め、一気に手元がスムーズに。 慣れてきたら一段階ステップアップ。 印象派の点描画を鑑賞し、色の組み合わせによる効果を考える。 近くで見た時と遠くから見た時の違いを感じ、隣り合う色についてアイデアの幅を広げる。 自ら色相環を見てブツブツと色彩のバランスを考える姿はなかなかなもの。 モザイク板の数には限界があり、色によっては人気があってすぐになくなるものも。 そんな時はクラスで考え意見を聞く。みんなで分け合う、譲り合う、同系色を織り交ぜる、最初のアイデアと変更するなどなど…。 問題に直面した時、どう切り抜けるか頭をひねる。 まさに人が成長する瞬間。 作品がよりよくなったことは言うまでもなく。 雰囲気は回を追うごとに和やかになり、集中しながらも時にはお話をし、笑いあいながら進めていく。 褐色の地がカラフルなモザイクで埋まってくると、モザイク画の美しさを実感でき、余裕が生まれ、より工夫に力が入る。 最後に細かいすき間までピンセットできっちりと埋め、完成。 地道な作業が続く中、最後まで根気よく仕上げたことによる自信の笑顔が、作品をより美しく輝かせているようでした。 是非ともずっと大切にしてほしいです。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ *facebook「アトリエ5」に作品と制作風景を追加しました。→☆ 
山田/小学生「夏の丘のかざぐるま」
[小学生クラス] 2014.07.23
山田/小学生「夏の丘のかざぐるま」
小学生クラス  2013年7月 ◎ 感想/講師:山田稔子(火曜日クラス) 古風で粋な柄の和紙は、以前に悦子先生がお知り合いの方から譲り受けたというもので、 この夏、火曜日クラスの子どもたちが工作に活かしてくれることになりました。 元々人形づくりに使われていたというこの和紙の、モダンな着物柄は、 昔の日本の子どもを連想させました。 着物を着ていた時代の子どもたちはどんなだったのだろう、 どんな遊びをしてたんだろう、とみんなで話したりしながら、手作業が続きました。 投げかけたテーマとしては、風の吹き抜ける丘、のイメージ。 昔のかざぐるま(和紙製)と現在のかざぐるま(木製)が、そこに佇む感じです。 複数作って構成し作品にまとめあげること。 主役・脇役のかざぐるまを考えながら、一つひとつ、作っていきます。 細かい作業で、組み立て手順がややこしかったりもしましたが、 手を動かすうちにすぐに慣れてしまうのはさすがです。 麦わら帽子を花器のようにして、作ったかざぐるまたちを素敵に生けるためのヒントを いけ花の写真資料から探しました。 「高さの差があるのがかっこいい」「線がまっすぐなところと、かたまりがあるのがいい」 いけ花作品から自分の感じた「よさ」を、描いてみたり言葉にして共有しあい、 そこから構成に向かいました。 大きさや高さ・量のバランスで、ちょっとした表情が変わります。 空間の構成なので、上下左右+前後へと、それぞれの感覚や発想が発揮されます。 素材の扱いにも色々と細かな工夫が凝らされ、 また「ここは暖かいところ、こっちが涼しいところ、向こう側が冬」 「風が吹くから、高い山みたいにしたい」等々と、 作者なりの想い・意図も込められたことを耳にすると、 三次元以上の次元を持っている立体表現になっていてそれぞれ面白いです。 完成少し前に、作品のアクセントとなる夏草や小枝などを集めてきてもらったり、 採りに行ったりもしました。 そんな時間の思い出も、作品と一体になっていることと思います。 どの作品も、目に見える見所、聞いてわかる見所満載となりました。 振り返ってみると、扱う道具・素材もかなり多様な取り組みになりました。 制作を通して、色々な感覚が身についたのでは?と密かに期待しています。 難しくも楽しいものづくりの時間の中、自分なりの 「こうしよう」「こうしたい」「できるかな」「できた!」の想いを繰り返すことが 手の豊かさ、心の成長にいいビタミンになっていると信じています。 みんなよく頑張りました。 楽しい夏を過ごし、リフレッシュして下さいね。 *facebook「アトリエ5」に、作品写真と制作風景を追加しました。→☆ ============================ 〜こども美術コース・小学生クラス 生徒募集中〜月曜日クラス/火曜日クラス/水曜日クラス ・低〜中学年(15:30~17:00) ・中〜高学年(17:00~18:30) 体験・見学随時受付中です。お気軽にお問い合わせ下さい。 ☎:044-411-5154(アトリエ5) ============================
山田/小学生:まちの音
[小学生クラス] 2014.06.30
山田/小学生:まちの音
小学生クラス  2013年6月 ◎ 感想/講師:山田稔子(火曜日クラス) 6月のテーマは、音をイメージに表現すること。アトリエ5独自の『聴想画』です。 今回は「まちの音」がテーマということで、鉛筆とメモを手に、 みんなでトコトコ街へ出て、「音取材」からはじめました。 いつも通っている場所だけど、さてどんな音がみつかるでしょう? どこかのお宅のエアコンの音、遠くの工事の音、風で揺れる木の音、鳥のさえずり、 一見閑静な住宅街を通れば、静かだけど注意して聞けばたくさんの音・音。 小さな紙はすぐに音メモでいっぱいになります。 公園に寄って少し時間もとりました。普段アトリエでしか集まれないお友達と遊ぶのが楽しそう。 子どもたちは嬉しそうに「あっ!こんな音」と遊びながらもちゃんとメモメモ。 ぶらんこの音、すべり台の音、こちらは大人にとって懐かしく新鮮な音でした。 帰り道はブレーメン商店街を通りましたが、ここでは音の洪水! 人の往来、お店の呼び込みの声、音楽、自転車、とてもメモをとりきれません。 気付いてみれば、日頃からなんと種類豊かな音環境に身をおいていたことか。 聴こえた音を、メモとして文字に置き換えることが意外に難しい。 ゴオー?いや、ズオー、かな? サワサワ、それともシャラシャラ? 表現に向かう前に「???」という心の動きがあることも、とても大事だと思います。 とにかく、何か視点を定めて日常やものごとを捉えてみることは、発見や発想のチャンスです。 聴き集めた音は、文字のコラージュに置き換えて黒画用紙に貼りつけていきます。 新聞紙から色々な書体の文字を切り集めると、新たに不思議なオノマトペが生まれます。それも大アリ。 集まったり散らばったり、流れる音、大きい音、途切れる音など、文字の配置に工夫し ボンドやヒモの立体的なテクスチャーで音の感じや街を行き来する自分たちも表しました。 音は耳で聴くものだけど、目で見えるようにしたり、手で触れるようにも出来るんだ。 これは、美術に限ったことではないなぁ、音楽や文学や芸能の世界などでもきっと、 五感を通す「変換」の作業って、表現の根本かもしれないな、と思いました。 見えないものなんて、描けないよ!と大人ならつい言ってしまいそうです。 しかし小さなキッカケの種に反応して、実は高度なことでも 自分なりの解釈で面白く展開してくれる子どもたちの 柔軟性やアソビゴコロが今回の制作で垣間見えました。 たとえ他人には「?」でも、飛躍や逸脱ありでも、素直な自分の反応を 子ども時代に十分に発揮し、肯定し、追求し、昇華させて育って、 そんな楽しいアソビのココロを、大人になってもどうか失わないでいて欲しいです。 ============================ 〜こども美術コース・小学生クラス 生徒募集中〜 月曜日クラス/火曜日クラス/水曜日クラス ・低〜中学年(15:30~17:00) ・中〜高学年(17:00~18:30) 体験・見学随時受付中です。お気軽にお問い合わせ下さい。 ☎:044-411-5154(アトリエ5) ============================
本田/小学生:まちの音
[小学生クラス] 2014.06.28
本田/小学生:まちの音
小学生クラス  2013年6月 ◎作品のねらい ・生活の中にあるたくさんの音の種類に気づく。 ・音からイメージを広げ、目に見える形で表現する。 ・普段使用しない材料や、表現方法を楽しむ。 ◎ 感想/講師:本田雄揮(月・水曜日クラス) 6月は聴想画。 5感の中でも『聴覚』に注目し、目に見えない『音』を作品にしていく、ちょっと変わった制作です。 今回のテーマは『まちの音』。 普段あまり気にせず過ごしていますが、街には本当にたくさんの音が溢れています。 話し声、足音、自然のざわめき、動物の鳴き声、機械の動作音…。 そしてさらに、大きい音や小さい音、近くだったり遠くだったり…。 意識をすればこんなにも音があるんだ、と驚くほどです。 まずは、教室にいても街の音は分からない!ということで、音探しの旅(?)をする為、野外へ散策に。 幸いアトリエ5は、日本でも有数の活気ある商店街に面している為、音には困りません。 発見した音を、メモしていきます。 コツコツ、ザワザワ、シュー、ガガガガ…など、あっという間にメモはいっぱいに。 住宅地や商店街、公園など、場所によっても音の種類は違います。 音を敏感に捉えようとする子ども達の目はとても真剣。 その後、教室に戻り、新聞紙の文字を切り取っていく『文字集め』。 たくさん集められた文字は、フォントも大きさも様々で見ているだけでも楽しいです。 これらを音のイメージに合わせ、組んでいきながら『見える音』として黒画用紙に貼ります。 新しい『オノマトペ』がどんどん生まれ、感覚的な『音』が、感覚的なまま形になっていきます。 ここら辺の柔軟性は、さすがですね!大人ではここまで素直に感覚を出し切れないのではないでしょうか。 文字が貼れたら、次は『触れる音』として、ボンドやタコ糸で線を描いていきます。 ボンドで絵を描く新鮮さに、子ども達は大興奮! 次の週で、半透明に固まったボンドを触ってまた大興奮! 未知なるものと出会った、実にいい表情でした。 それで完成…と思いきや、今回は最後にもうひと山。 なんと、色々と貼ってきた黒画用紙を、真っ二つに切るのです! 細かい音がたくさん集まった黒画用紙を、さらに『音の塊』として捉え、もっと大きな台紙に貼り、音の世界を広げます。 正に、文字通り枠に囚われない大胆な行動。 もちろん、初めは子ども達からも戸惑いと不満の声が。 しかし、理由を説明すると『確かにその方が面白い!』とすぐさま納得。 やはりこの柔軟さ、見習うべきです。 切り方や大きい台紙への貼り方も、工夫ポイント。 多様な配置は、その子が感じていた『音の世界』をより深く表すことができ、大成功です。 そしてやっと本当の完成。 今までの作品とは全く種類の違う、新鮮な制作となりました。 具体的に目に見えるものがなくても、『感じる心』さえあれば自分の感覚を信じ、ここまで表現できるのですね。 子どもも大人も、情報が氾濫する現代で、徐々に些細なことを感じ取りにくくなっていますが、ただ流れに身を任せるだけでなく、そんな時こそ一旦足を止め、目の前の小さなことにも気づき、大切なことを『選び取る』ことが出来る人になってもらいたいなぁ、とか、そんなことを新聞の文字を集めながら思った6月でした。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ *facebookに取材の様子と作品8点を追加しました。「いいね!」宜しくお願いします。→☆
体験を予約する