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絵を「つくる」
[小学生クラス] 2016.09.05
絵を「つくる」
  残暑が厳しい中、皆様いかがお過ごしでしょうか。朝晩はだいぶ涼しくなりましたね。夏の疲れが出やすい季節なので、体調に気をつけて過ごしましょう。8月は「夏の光とかげ」をテーマに、この季節ならではの絵画制作を行いました。先日行った辻の自宅や休み中に描いてきたスケッチを、絵の具で作った「夏色画用紙」の上から「光とかげ」に注目しコンテで表現しました。絵の具を使う際、普段使う筆ではなく、スポンジやたわし、スキージーなどを用いたことによって「描く」よりも「つくる」という意識が強まり、続くコンテでもそれは同様で、完成作品はかなりダイレクトな、それぞれの「感覚」が残るものとなりました。最近の子供達の制作を見ていると、特に今回は、上述したように「つくる」という感覚を有していることがとても多くなってきたように感じます。前回の夏の工作で扱った粘土などの立体作品はもちろん「つくる」なのですが、それが平面作品にまで伸びてきたような、制作する姿を見ていると「絵を描く」という言葉だけでは当てはまらないような、寧ろ「描く」という言葉を忘れ、一言では表せないことをしているような、不思議な気持ちになってきます。具体的には体の使い方が多様になったとか、作品との距離感が少しずつ自在になってきたとか、相応の答えは思いつくのですが、それだけでは片づけられない、もっと「ものをつくる」ことの根本に迫るものが芽生えてきたように思えてなりません。専門性を深めた「能力」の幹となる「人間力」とでもいいましょうか。ルネッサンスの巨匠であるダ・ヴィンチやミケランジェロが、専門以外の様々な分野でそれぞれ一流の才能を発揮したように、またはピカソが絵だけではなく立体や陶器なども手掛け世界一の作品数を誇るように、自分を決めつけず、ただ夢中になることを喜べる原始的な感情。無意識に形作られ、成長するにつれより細分化し、時に窮屈に感じてしまう頭の中の枠組をずらしたり取っ払ったりして、もう一度自分の意志で構成し直す力。得意とか苦手とかを超越した、おそらくそのようなものだと思います。工作で何かをつかんだ子が、粘土のように色をこね、感覚を形成した今回の作品。ひと夏の成長を、この秋さらに広げていきましょう。
今年の夏の指のあと
[幼児クラス] 2016.08.29
今年の夏の指のあと
幼児クラスの夏の工作・かわいい粘土のお魚たちが完成しました。子どもたちもエネルギーいっぱいの夏に手や体を存分に使ってつくる粘土はぴったりの素材です。両手で前のめりに体重をかけながらグイグイ捏ね、霧吹きをかけると表面がぬるぬるになり、ひんやりペタペタ粘土の色々な感触にはしゃぐ子どもたち。形を作る前にちょうど良い柔らかさに練ったら、丸めたり伸ばしたりつまんだりしながら自分の魚の形をつくっていきます。手で触れる、ということは子どもの感性に大きく働きかけるように思います。ただ感触を味わうだけでも心に作用するものはありそうですが、さらに"つくる"という目的で体験が深まります。粘土なら、力加減や水加減、重さや傾き加減、などなど手の感覚でバランスを体得しながら作っていきます。大胆に力を込めないと得られない手応えを知ったり、優しく撫でればつるつるになる、そっと丁寧に運べばバラバラにならない、そんな風にモノを扱う手つきから思いやりの気持ちも育つのではないかと思います。ある子は、粘土をヘラで刻んではまた捏ねることをひたすら繰り返していました。どうするのかな…と見ていたら、レッスンの終了間際に一気にぱぱぱっと形を作り上げました。それがまたとてもユニークな形なのです。よく触りながら粘土の性質とじっくり向き合ったことで何かが腑に落ち、ひらめきが生まれたようでした。大人から見れば、ちょっと不思議で荒削りな形。でもそこには、すぐに大きくなってしまうこの夏の子どもたちの小さなてのひらと指のあとが、何かしらの考えや想いとともに、可愛らしい魚の姿となって残っています。今のその子そのものを受け止めてくれた形。つぶらな瞳がなんだか作者に似ているように思えてきます。さて完成後は、作品を並べおさかなつりゲーム開催!ちょうどリオオリンピック直後で「つりンピックだね~」と盛り上がりました。自分で作ったもので遊べるのも楽しかったようです。子どもたち自身にもとても愛着のある作品となりました。===================  ☆幼児クラス 秋の生徒募集☆===================子どもたちの伸び時の秋です!新しいお稽古をはじめてみませんか?体験レッスンキャンペーンを実施致します。通常の受講料1500円→500円に!この機会に是非お越し下さい。【日程】 9/2, 9,16, 10/7,14(すべて金曜日)     いずれかの希望日をお伝え下さい【時間】15時~16時【内容】人物クロッキー/空想画/観察画【募集対象】年中~年長のお子様【ご予約・お問い合わせ 】044-411-5154*お道具等はこちらで用意いたします。*お申し込みは先着順・お早めにどうぞ!
光と影のクロッキー
[小学生クラス] 2016.08.17
光と影のクロッキー
 一ヶ月以上かけた工作もぞくぞくと完成を迎え、久しぶりの絵画制作が始まりました。今回は「 夏の光と影」がテーマです。まずは、夏のモチーフを取材しよう!ということで、辻先生のお宅におじゃましました。 沢山の夏野菜や光の反射が美しいガラスの小物などを用意して出迎えてくれました。チクタク時計の音 江戸切り子のコップ 小さな銅の鈴 お家にある一つ一つのものにエピソードがあり、子ども達は、辻先生からそんな話しを聞くのも楽しそう。アトリエでの満遍なく照らされるの蛍光灯の光と比べると、窓から差し込む自然光は、物の影をはっきりと作り出していました。影を描く楽しさを感じている子もいて、絵を描く場所(光と影)は、絵に凄く影響することを感じます。辻先生のお家は、座った時にちょうど良くお庭を眺めるために仕切られた木の窓枠など素敵に暮らす工夫があちこちにあります。  その秘密を少しお話しすると 辻先生の旦那さんである建築家の渡辺貞明さんが脈々と受け継がれてきた日本人らしい情緒を守って行きたいという思いで、昔の日本の建築の良さをそのまま残すようにしてフルリノベーションされたお家なのです。このお家の物語が、「家がおしえてくれること」小川奈緒(著)という本の中の「渡辺さんの二つの家」という項に載っていますので、どうぞご覧ください。さて、子ども達は、(私も)そんなこととは、知らずに「なんかトトロのおうちみたいだね〜」なんて言いながら、まるでおばあちゃんおじいちゃんのお家に行ったような気持ちで、光と影、木の風合いそれらが作る懐かしい空気を感じながらの楽しいクロッキーでした。次回は、夏の色を下地に取材した物を描いていきます。最後に私の、大学時代の友達が絵本を出版しましたのでお知らせさせてください。ずっと絵本を描くと言ういう目標に向かって一歩づつ歩いていた子です。お話の舞台がまるでブレーメン通りのようでとても楽しい絵本ですのでぜひ読んでみてください!(実は彼女アトリエ5の展覧会にも来てくれたのですが、帰りにブレーメンどおりをとても気に入っていた理由が分かりました。)「ぼくんちのシロ」すずきみほ(著)
目に映らない美しさ
[小学生クラス] 2016.08.15
目に映らない美しさ
夏休みに入り、いつもとは少し違う表情を見せる子供達。7月はお待ちかね夏の工作。各クラスで設けたテーマを基に、それぞれアイデアを深め制作していきました。素材の感触を楽しみ、それに反応しながら手を動かしてゆくのはとても刺激的。日を追うごとに日焼けしていく子供達の繊細かつ大胆な指先は、素材の白色と見事なコントラストをつくり出し、それはまるで夏の日差しのよう。完成作品は太陽のような笑顔と共にとても輝いていました。今回は抽象的な立体作品に挑戦したのですが、一般的に抽象は、具象や写実よりも、表現や価値判断が難解と考えられています。それは「美しい」の基準が、目に見える外の世界ではなく、目には映らない制作者の内側に多くあるものだからです。自分の中にフワフワ存在する「良い」と感じる何かを見つめ、丁寧に練り、外の世界へ送り出す。具象表現よりも自由な分、不安や責任も同じく大きいものです。勢いに任せなんとかならないこともないですが、自分の作品に責任を感じていればいるほど、(成長でいえば高学年になればなるほど)簡単に上手くいくものではありません。表現に対して「分からない」や「どうやるの」などの質問は、実は作品と向き合い始めた証拠でもあるのです。しかし今回、ほとんどこのような質問はありませんでした。それは勢いのみに任せた制作だったからではなく、さらにその2歩先、春からの経験で培った「自信」による、主体的な制作が行えていたからこそでした。講師に頼らずに自らの表現に没頭し、高学年に至っては寧ろ手を貸そうとするとピシャリと断る、制作中の講師の作品を講評する(厳しめに)など、もうほとんど出番はありませんでした。経験を重ね、内にある「見えない美しさ」を表現する難しさや喜びを知っているからこそ、他者が紡ぎ出す同様のものに価値を見出すことができるものです。目に見えない何かを大切にできる、抽象表現を「ステキだ」と思える気持ちが形になった夏の工作。成長の一記録となれば幸いです。   
残暑お見舞い申し上げます。
[親子クラス] 2016.08.09
残暑お見舞い申し上げます。
講師:渋谷葉子猛暑が続いておりますが、皆様どのようにお過ごしでしょうか?先週、江戸東京博物館で開催されている「大妖怪展」に行ってきました。最近では金、土曜日と夜遅くまで延長しているところもあり、前回「国芳・国貞展」も夜の時間帯で見に行きましたが、お客さんが少ないと思いきや、会社帰りの若い人でごった返していて、美術に対する関心の高さを伺うことができました。 TVで子ども達の妖怪ランキングが紹介されていましたが、3位は歌川国芳の巨大なガイコツがぬっと出た「相馬の古内裏」2位は今年話題となった伊藤若冲の道具が擬人化された愛らしいキャラクター「付喪神図」そして、1位は日本のお化けと言ったらやはり、王道は足のない「うらめしや〜」ですよね。これを最初に描いたのが円山応挙の「幽霊図」だそうです。 日本のアニメやキャラクターは今、世界中で大ブームとなっていますが、意外にもルーツはこんな昔の作品から知ることができるんですね。暑い夏、お化けを見に行って涼んでみませんか?<江戸東京博物館 edo-tokyo-museum.or.jp> さて、親子クラスは今月は「思い切り弾けてみよう」をテーマに活動しています。今回は大きな段ボールで「わたしのおうち」を制作しました。いつもと違う大きな段ボールを前に筆を持つ子ども達の顔はいつになく真剣! 親子で絵の具まみれになって完成した時の満足気な笑顔。おしまいは盥のお水に足をジャブジャブ。暑さも吹き飛んでしまいましたね。次回はたっぷりのテラコッタ粘土で楽しみます!
ざらざら、とろとろ、ひんやり
[小学生クラス] 2016.07.18
ざらざら、とろとろ、ひんやり
  今年も蝉の鳴く季節がやってきました!小学生クラスただ今工作まっただ中。月、火(後半)、水クラスは『風の塔』、火曜日前半クラスは『海のなかのせかい』をテーマに制作しています。 月、火(後半)、水クラスは、瓶の透明感と白の美しさをポイントに、瓶、布、石の3つの異なる質感の素材を組み合わせて「風」のイメージを作っています。保護者の皆様、瓶探しのご協力ありがとうございました。持って来れなかった子も 酒屋さんから頂いた瓶から自分の瓶を選び、制作スタート!まずは、自分の風の塔のイメージをノートに言葉で書き、それが決まったら、手で「風」の形を探っていきます。今回、風を表現するのに一枚の布と液体粘土「クロスクレイ」を使いました。石をつぶしたような自然な白が良い感じのこの粘土は、石粉粘土「ラドール」の液体のものです。布の表情を残したまま固まるこの粘土でふわっと風が吹いたような布の形を、工夫しました。子ども達ドロドロの粘土を前に、「うわー!やだやだ!キモチワルイ!」と拒否反応を起こす子も。 しかし一度布を浸すと「あ〜気持ちいい〜」とひんやりザラザラとした感触にすっかりハマっていました。次回は、風の流れをイメージして瓶に装飾していきます。 火曜日(前半)クラスは、『海のなかのせかい』をテーマに石膏で珊瑚作りに挑戦です。まずは、生け花で使用するオアシスに指で穴をあけて石膏を流し込む型作りをしました。子ども達の細い指跡が珊瑚の突起になります。皆、オアシスにブスブスと穴をあける感触が楽しくてありの巣のように広がっていきました。そこに、とろとろの石膏を流し込みます。一瞬で固まることが不思議なようで、どうしても触りたくなってうずうず。ただ今乾燥中です。オアシスに開けた穴の形が反転するなんて不思議。どんな珊瑚が出来上がるのかまだ誰も分かりません。乾燥中には、自分で新しい貝の種類を想像して粘土で作りました。カラス貝やとげとげの貝、イメージがどんどん膨らみどれか一つなんて選べない!今回の工作は、珊瑚作りでは、自分の意図出来ないものが出来上がるドキドキ。そして貝作りでは自分のイメージをカタチにする喜びその二つの面白さを感じながら制作しています。   最後に私事ではございますが、広島にあるオーガニックコットンの肌着屋さんmarruの肌着「新月ショーツ」の布パッケージに季節ごとにイラストを描いています。ただいま夏空です。中川政治七商店などで取り扱いしているようです。どうぞよろしくお願い致します。
ORIGAMI
[親子クラス] 2016.07.11
ORIGAMI
渋谷 葉子子どもクラスではおまけのカリキュラムとして、時々折り紙を取り入れています。手先の訓練、折る手順を学ぶ、60色の色紙による色彩の構成をねらいとしています。 折り紙は日本の伝承文化の一つで、今の幼稚園の基礎を築いたフレーベルがカリキュラムに取り入れたことで広まりを見せました。今では「ORIGAMI」と世界共通語にもなりました。 先日テレビを観ていたら「日本に来た外国人観光客が訪れる場所」のランキングで、なんと第一位がお茶の水にある『おりがみ会館』だったことにビックリでした。私もよく行きますが、色々な折り紙の材料を販売しており、たくさんの講座もあります。最上階では和紙を染める工房もあり、見学することもできます。マニア向けなのでご年配の方が多く、確かに最近では外国人の方も多く見られるようになりました。 私の折り紙との出会いは小学校1年生の時に入院し、お見舞いに頂いた本がきっかけでした。夢中になって折り、一冊すべてをマスターして大満足でした。再び火がついたのは保育科の授業で折り紙を学び、その後、創作の世界を知ったことでした。中でも盲目の折り紙作家、加瀬三郎さんには感銘を受けました。それから色々と足を運び、お教室や展示会などに通うようになりましたが、なかなか創作までには至りませんでした。そんな中でアトリエ5との出会いがあり、折り紙を教えることになりました。東日本の震災の時に、皆で折り鶴に取り組みました。この時に、小学生で鶴を折ったことがない子の多いことにはビックリでした。 また、幼児クラスでも幼稚園であまり折っていないらしく、折り筋をつけるところからの指導です。時間はかかりますが、覚えると楽しいらし、もっと折りたいという気持ちが芽生えてきます。最近ではスマホの普及で、検索するとたくさんの折り方が写真や動画で見ることができます。また、これからの夏休みには『おりがみ会館』で親子向けのお教室も開催されます。以前にアトリエの生徒さんが参加して、テレビチャンピオンで有名になった神谷哲史からカブト虫をもらって大変喜んでいました。 折り紙の本家である日本に、折り紙の素晴らしさをもっともっと知って欲しいと思います。
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