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季節を紡ぐ
[小学生クラス] 2016.12.19
季節を紡ぐ
 窓から差し込む光が部屋の奥まで長く伸び、外の空気を伝えるそんな季節。約二ヶ月に渡って制作した冬の工作『早春の野原』も、先日無事完成を迎えました。冬の寒さを感じながら春の訪れを想像し糸で丁寧に形作っていくこの作品は、アトリエ5のひとつの象徴といえるものです。チクチクと一針ずつ地道に進めた線は、まるで一日一日移ろう季節の変化。それらが集まって歓びの季節を告げる風となり、羊毛やビーズの色をより美しく咲かせます。同じことをしているはずなのに、一人ひとり作品から溢れる美しさが異なるのは、それぞれが新しい素材との出会いに感動できたから。使い慣れていない針や糸や羊毛と、何度も格闘しながら獲得した自分だけの感動は、作品の中に柔らかい温もりとしてモフモフと詰まっています。季節というものは繰り返し訪れますが、全く同じ時は一度もありません。それはこどもと同様です。何度も失敗し、同じ場所を巡っているように見えても、内面は常に変化し、確かな成長へと繋がっているのです。こどもを見ることは、季節を敏感に感じ取ることと同じ。たくさんの玉結びを手伝いながら、そんなことを感じました。こどもと共に変化を紡いでいく喜び。冬から春へ。作品展の季節が今から楽しみですね。
子育てのスピード
[親子クラス] 2016.12.14
子育てのスピード
 ◎講師:渋谷 葉子街にはクリスマスのメロディが流れ、ショーウィンドウには色鮮やかなデコレーション、まさにクリスマス一色。大人達は何かと気忙しく、子ども達のにとっては楽しく待ち遠しい12月。親子クラスでは先月と2週続けてクリスマスリースを制作しました。針金のハンガーに新聞紙とアルミホイルを巻いた物に麻ひもを巻いていくだけのシンプルな制作です。手先を使うことは、幼児にとってはなかなか面倒で根気のいること。自分でやりたい、けれどひとりでは上手く出来ない。お母さんと衝突することもしばしば。この年齢ならではの光景です。コツを掴んできたところで「糸まきのうた」歌って応援します!世の中はどんどん簡単に、指先一つで物事が処理できるようになってきています。とても便利なように思えますが、果たしてそれは子ども達にとって良いことなのでしょうか?簡単にできるようになることよりも、少し難しいことを練習して獲得することに意味があると思います。どんなに世の中のスピードが速くなっても、子育てのスピードだけは速めてはいけません。むしろ世の中に逆らって(笑)ゆっくり、じっくりとお子さんと向き合って楽しみましょう。
ゆめいろたまごのリース
[幼児クラス] 2016.12.12
ゆめいろたまごのリース
みんなはどんな夢がある?と聞くと、○○になりたい、○○がほしい、等々。ゆめ100個あるよ〜!と言う子もいます。ぜったいナイショ!という子もいます。う〜ん何かなぁ、とすぐには言葉に出ない子もいて、でもそれぞれが何か幸せや希望をイメージしながら、小さな手で優しくコロコロ転がして作った羊毛のボールは、「ゆめ」のたまご。幼児クラスの冬の工作はここからスタートしました。その大切なたまごを守るおうちをつくってリースにしよう!鳥の巣づくりのイメージを子どもたちに投げかけました。子どもたちが拾い集めてきた木々の枝や色々な実、落ち葉や松ぼっくり。桜の枝はとくに樹皮に光沢があってキレイです。私の主人の田舎の庭で、たくさんの蔓(つる)をもらってきたのは昨年の早春の事でした。これもようやく、みんなの工作に役立つ時が来ました!様々な素材をズラリと並べ眺めると、それだけでもわくわくしてきます。改めて自然の造形の豊かな魅力を感じます。円く絡めた蔓に素材をぎゅっとリボンで結んで留める技をひとつ覚えたら、どんどん形が発展します。「こうしたらたまごが落ちないで守られるね」「たまごが喜ぶようにかわいい実をつけよう」そんな事をつぶやきながら、想いを素材にのせて盛り込んでいく子。「私のにはこの材料は使わなくてちょうどいい」ちゃんと絶妙な引き算も心得ていて、美意識を持って手を動かしている子。作る手の向こうに想い遣る対象があるから、形に血が通うというか、その姿が生き生きとしてくるのだと思います。主役のゆめいろたまごを飾るときは、まさに作品に息を吹き込む瞬間、、少し慎重な表情に見えました。作品の完成はとても嬉しそうで誇らしそうで、家族へのプレゼントとして持ち帰る姿の嬉々とした様子といったら。。是非、毎年の冬、ご家庭に飾って愛でていただければと思います。みんなの「ゆめのたまご」が、大切に守られ、温められて、いつかきっとかないますように。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・【新年度入会説明会・ご予約受付中】2017年2月23日(木)先着順!来年4月入会をお考えの方を対象とした説明会です。指導方針やカリキュラム等を詳しくご案内致します。クラス時間表をご確認のうえご希望をお伝え下さい。☆幼児クラス日程:2017年2月23日(木)15:00〜15:30電話受付:木・金曜日の14:30頃又は16:00頃通常レッスンのご見学をご希望の方もお気軽にお問い合わせ下さい。アトリエ5 044 – 411 – 5154(休:日曜日)  
ゆめいろたまご 制作中
[幼児クラス] 2016.11.28
ゆめいろたまご 制作中
朝晩肌寒くなり、木々の紅葉も見頃になってきました。かと思えば先日、まだ11月というのに雪が降りましたね。でも冬本番はまだこれからです。冬に向かうこの季節の日差しが好きです。空気がつめたく乾いていて、斜めに部屋の窓から差し込む光は、日々の暮らしを違う角度から照らすようで、ふと静かな時間を運んでくれる気がします。日々の中の小さな温もり、小さな幸せ。今年一年を振り返る頃ですね。季節の変化を感じながら、子どもたちは冬の工作に取り組み中。幼児クラスでも羊毛を使った制作です。小さなてのひらでふわふわの優しい感触を味わい、お友達と和やかにものづくり。また、木の枝や木の実、綺麗な落ち葉なども材料としてそれぞれ集めてきてもらいました。いつもの景色にも少し立ち止まって季節を見つける、そんなお散歩になったでしょうか?羊毛と植物を組み合せた工作、来月完成予定です。手の温もりと秋の思い出、そして子どもたちの想いや願いが、少しずつ形になっていくのが楽しみです。 【新年度入会説明会・ご予約受付中】2017年2月23日(木)先着順!来年4月入会をお考えの方を対象とした説明会です。指導方針やカリキュラム等を詳しくご案内致します。クラス時間表をご確認のうえご希望をお伝え下さい。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・【幼 児クラス】2017年2月23日(木)15:00〜15:30電話受付:木・金曜日の14:30頃又は16:00頃通常レッスンのご見学をご希望の方もお気軽にお問い合わせ下さい。アトリエ5 044 – 411 – 5154(休:日曜日) 
愛情を込めて育てる
[小学生クラス] 2016.11.14
愛情を込めて育てる
 冬の工作は、春の訪れをテーマに羊毛を使った作品を作っています。来年3月に行われるアトリエ5の展覧会で、お客様を華やかに迎えるために、そしてお家に飾ってみんなが笑顔になるように。そんな気持ちを込めて作品を作ろう!初日は、自分の担当の色を決めて、ふさふさの白い羊毛とカラー羊毛を一枚のフェルト生地にする作業をしました。束の状態の羊毛を、解し石鹸水を振りかけて、ひたすら擦ります。 最初は、なかなか擦る感じがつかめず、 先生!こう?こう?わかんなーいー!!と結果が直ぐに表われないことがじれったそう。 そんな悪戦苦闘の子ども達を横目に、誰もあなたの作品を作ることは出来ないのよーと講師。まだ擦るの〜?と言いながらも、少しずつ羊毛が絡まり合い一枚の布になってきたことを手の平で感じると、とたんに「凄い!布になった!」と嬉しそう。講師が、「赤ちゃんのほっぺを撫でるみたいに撫でて」と言うとさっきまで、ゴシゴシ擦っていた子も、優しい手つきになりました。 普段は、沢山の愛情を受けている側の子ども達が、自分の作品を慈しむような優しい手つきで撫でて愛情を込めている姿に、作品って手塩にかけることだよな。と気づかされます。 上手くいかなくても、諦めないで自分の作品を育てていく。失敗だって、諦めなければ、いくらでも魅力に変えられる。 全7回をかけてじっくり仕上げていきます。 この工作がみんなを笑顔にする素敵な作品になりますように。
想像してあそぶ
[親子クラス] 2016.11.08
想像してあそぶ
  ◎講師:渋谷葉子 子ども達はホットケーキがだぁ〜いすき♡ですから題材にした絵本は大人気。「ぐりとぐら」「ちびくろさんぼ」「しろくまちゃんのほっとけーき」はいずれも大ベストセラーとなっています。そんな絵本を見ている時の子ども達の目は、とろ〜りと甘く、今にもよだれが落ちそう… 紙皿にサインペンで自分のお皿を作ります。たくさんの色の中から2つ選んで「どんな模様にしようかな?」ホットケーキはチョークみたいな「コンテ」という画材で色を塗ります。重ねて塗ったり、指でこすることで、ふんわりと甘い色合いを醸し出します。「おいしくなぁ〜れ、おいしくなぁ〜れ」唱えているとふしぎ、不思議!何だかお部屋にあま〜い香りが漂っているよう!焼き上がったケーキをはさみで切ります。難しいマルも、お母さんの舵取りで上手に切れました。お皿に並べると、もう食べたくて、食べたくてたまりません。「いっただっきま〜す!」味も香りもしないけど、覚えている五感が子ども達のお腹を満たしてくれます。 子どもの「ごっこあそび」は想像力を養い、心の発達を促します。また、それはよりシンプルな材料で遊ぶほうが、五感を研ぎ澄ませ、想像する力を働かせることができるのです。
絵になりきる
[小学生クラス] 2016.11.01
絵になりきる
Cクラスの秋の観察画のモチーフは、とある農家さんの畑から頂いた大ぶりのケイトウ(鶏頭)の花でした。盛りを迎えたその花はぐねぐねと踊るように頭をもたげ、野太い茎、葉には虫喰い跡などもあって、お花屋さんには並ばない、野趣あふれる姿。整えられた綺麗さではない、生命力の逞しさの魅力を感じとって欲しくて選びました。複雑に入り組んだ形状の花びら、そのベルベットのような質感、弾けて散る種。そっと触ってみたりしながらその特徴をじっくりと観察。ちょっと難しい形に出だしは躊躇しても、その姿を捉えようとする真剣なまなざしに、モチーフとの対話の時間があります。描き始めると調子がついてぐいぐいと色をのせていく子どもたちの姿は、モチーフそのものになりきっているような様子でもありました。主役のケイトウ、脇役に秋草や枯れ枝の植物。モチーフをつぶさに描写してそこで終わりではありません。観察の記録にとどまらず、「絵」にしていく、ということ。アトリエ5の観察画では、背景の表現が難しいところです。どんな絵にしたいかという問いかけが浮かび、そこから何か主体的な感性がまた働き始めます。五感で捉える。五感で表す。見えないけれど確かにあるものの存在を、子どもたちは知っています。風、空気、音、匂い。ことば、気持ち。今度はケイトウたちの背景に漂う何かになりきって、クレパスで点を打ち、筆で色を運びます。もっとここに流れをつくりたい。ここにはこの色を置いて締める。理屈抜きの感覚を存分に発揮して制作していく様は、絵を描くというより絵になりきって成長している姿でした。完成した絵からは、何か声が聞こえてきそうだったり、暖かみが伝わってきたり。そのときの彼らが、生きています。
それぞれの「旬」
[小学生クラス] 2016.10.31
それぞれの「旬」
山装い、向こうから冬の足音が聞こえ始める10月。今回の秋の観察画は「ぶどうと枯れもの」をテーマに描きました。年に2度ほどある観察画ですが、春と秋では全くの別物。使いたい色や描きたいポイントはもちろん、観察の深め方、集中力、自分の作品に対する熱意。表現としてシンプルな観察画だからこそ、それらの「成長」による違いは明らかです。一枚の絵に対する捉え方の深まりは、心の成長。技術の成長よりも、目に見え辛く、ゆっくりと育まれていくものです。心と技術がバランスよく成長し、それらを自らで噛み合わせることができた時、作品と共に人は大きく飛躍できます。それは、子供の成長の、ひとつの「旬」と呼ぶことができるものです。春から夏、そして秋へと、時間をかけて育てた技術と心に脂がのり、自らの成長に納得できる制作へと実を結ぶ。もちろん個人差があることですので、クラス全員一斉にという訳にはいきません。それでも焦らず、しかし根気よく続けてこその「旬」。小さな積み重ねを疎かにしない姿勢は、今回の作品にも確実に表されています。それもまたその子にとっての「旬」なのでありましょう。実りの秋にたくさんの「旬」を感じることのできた制作でした。 
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