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2つの空想画
[小学生クラス] 2016.09.19
2つの空想画
  今月の月・火・水(低中学年)クラスは、「秋の空」からイメージを膨らませて描きます。まずは、秋の空をスケッチしに国際交流センターに行ってきました。からっと晴れた空には、名残惜しそうな夏の雲と、涼しげな秋の雲が混在して雲をスケッチするのに、最高の一日!鱗雲に羊雲。クジラみたいな形もあるよ!あっリンゴ雲! スケッチを終えたら、シャボン玉をしました。 夕焼け雲とともに舞い上がるシャボン玉。子ども達の笑い声も上がって行きます。皆で遊んだ美しい時間が、絵にぐっと力強さを与えると思います。完成をお楽しみに! 月・水の後半(高学年)クラスは、「自分の星」をテーマに、銅版画のエッチングのような線画に挑戦です。地球以外に生命が存在する星があったら、どんな景色が広がっているだろう?今回のルールは、「とにかく線でみっちり描くこと!」のみ。 教科書に落書きするあの感じ。いつもは押さえてしまうあのイメージの広がりをとことん描ききってみよう! 線描の作家に童話画家トーベヤンソン漫画家大友克洋、グラフィックデザイナー永井一正などの本を紹介しました。 「うわー世界観はんぱねえ!」「気持ち悪い〜」という子も。好きも嫌いもいろいろ見てみんなで感想を言い合うのが楽しそう。 アトリエでの空想画は、低学年と高学年では空想の仕方が違うので今回のように内容を変えています。低学年は、現実と空想の境目が薄いので、出来るだけシンプルにどんどん描けるようなテーマを考えています。雲の形を見ただけで、「雲のお城だ!」「おばけだ!」「くじらだ!」と次から次へとイメージが膨らんで行く低学年の子ども達。まさに空想の達人です。 経験と自分の考えを持ち始めた高学年は、現実から空想できる入り口を見つけ自分の空想を広げていきます。リアリティを種に、考えを練り想像を膨らませます。絵を見ると「なるほど〜」と味わい深いストーリーが込められていたりします。よく、高学年の保護者の方からだんだん大胆さが無くなり、 小さく細々してきたけれど、大丈夫かしら?というお話を聞きます。あののびのび描いていたのは、どこへ行っちゃったの?と不安になる気持ち良くわかります。でもそれは 自分に対しても他者に対しても批評する力が育ってきた成長のあかしだと思います。焦らずに一人一人違う成長段階を飛ばすこと無くその時のその子の想像(考え)を見守っていきたいと考えています。 
アトリエ5のおつきみ
[親子クラス] 2016.09.14
アトリエ5のおつきみ
◎講師:渋谷 葉子朝晩、鈴虫の声がにぎやかになり、涼しい風が吹く季節になりました。9月の初回、親子クラスではお月見制作を行いました。これは毎年恒例にしています。導入に「14ひきのおつきみ」の絵本を読みます。ねずみの家族が木の上に登り、お月見をします。空が茜色から夕闇が迫り、お月さまが現れるまでの場面転換が絶妙!お月さまを眺めるシーンではいつの間にか自分がねずみ家族の一員になっている…  そして、お月さまと秋の実りに感謝して、家族みんなが手を合わせます。最近は満月を収めようと皆がスマホを向けている光景をよく見かけます。これも時代なのでしょうが、「家族みんなで手を合わせて感謝する」忘れてはいけないことだと思います。絵本の後はサインペンや絵の具で思い思いのお月さまを表現。そして、そのお月さまを眺めながらみんなでお団子を食べます。子ども達にとってはこれが醍醐味!一番の思い出として残るようです(笑)残念ながら今年の十五夜はお天気が悪いようですが、来月の13日は十三夜。この日もお月さまがキレイに見えます。是非、ご家族でお月さまを愛でながら手を合わせ、今ある幸せに感謝致しましょう。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ = 親子クラス・秋の生徒募集 = 定員の都合上、一組のみの募集となっております。体験レッスンキャンペーンを行っていますので、通常の受講料1500円→500円に!この機会に是非お越し下さい。【日程】9/21,  10/5,(いずれも水曜日)【時間】10 : 30 〜 11 : 30【対象】2才〜未入園児のお子様【ご予約・お問い合わせ】電話:044 - 411 - 5154(10:30〜18:30 休:日曜日) *お道具はこちらで用意致します。 親子共、汚れてもいい服装でお越し下さい。 尚、新年度の説明会を2月に予定しております。こちらのお申し込みも受付を開始致しました。先着順ですので、お早めにどうぞ。
絵を「つくる」
[小学生クラス] 2016.09.05
絵を「つくる」
  残暑が厳しい中、皆様いかがお過ごしでしょうか。朝晩はだいぶ涼しくなりましたね。夏の疲れが出やすい季節なので、体調に気をつけて過ごしましょう。8月は「夏の光とかげ」をテーマに、この季節ならではの絵画制作を行いました。先日行った辻の自宅や休み中に描いてきたスケッチを、絵の具で作った「夏色画用紙」の上から「光とかげ」に注目しコンテで表現しました。絵の具を使う際、普段使う筆ではなく、スポンジやたわし、スキージーなどを用いたことによって「描く」よりも「つくる」という意識が強まり、続くコンテでもそれは同様で、完成作品はかなりダイレクトな、それぞれの「感覚」が残るものとなりました。最近の子供達の制作を見ていると、特に今回は、上述したように「つくる」という感覚を有していることがとても多くなってきたように感じます。前回の夏の工作で扱った粘土などの立体作品はもちろん「つくる」なのですが、それが平面作品にまで伸びてきたような、制作する姿を見ていると「絵を描く」という言葉だけでは当てはまらないような、寧ろ「描く」という言葉を忘れ、一言では表せないことをしているような、不思議な気持ちになってきます。具体的には体の使い方が多様になったとか、作品との距離感が少しずつ自在になってきたとか、相応の答えは思いつくのですが、それだけでは片づけられない、もっと「ものをつくる」ことの根本に迫るものが芽生えてきたように思えてなりません。専門性を深めた「能力」の幹となる「人間力」とでもいいましょうか。ルネッサンスの巨匠であるダ・ヴィンチやミケランジェロが、専門以外の様々な分野でそれぞれ一流の才能を発揮したように、またはピカソが絵だけではなく立体や陶器なども手掛け世界一の作品数を誇るように、自分を決めつけず、ただ夢中になることを喜べる原始的な感情。無意識に形作られ、成長するにつれより細分化し、時に窮屈に感じてしまう頭の中の枠組をずらしたり取っ払ったりして、もう一度自分の意志で構成し直す力。得意とか苦手とかを超越した、おそらくそのようなものだと思います。工作で何かをつかんだ子が、粘土のように色をこね、感覚を形成した今回の作品。ひと夏の成長を、この秋さらに広げていきましょう。
今年の夏の指のあと
[幼児クラス] 2016.08.29
今年の夏の指のあと
幼児クラスの夏の工作・かわいい粘土のお魚たちが完成しました。子どもたちもエネルギーいっぱいの夏に手や体を存分に使ってつくる粘土はぴったりの素材です。両手で前のめりに体重をかけながらグイグイ捏ね、霧吹きをかけると表面がぬるぬるになり、ひんやりペタペタ粘土の色々な感触にはしゃぐ子どもたち。形を作る前にちょうど良い柔らかさに練ったら、丸めたり伸ばしたりつまんだりしながら自分の魚の形をつくっていきます。手で触れる、ということは子どもの感性に大きく働きかけるように思います。ただ感触を味わうだけでも心に作用するものはありそうですが、さらに"つくる"という目的で体験が深まります。粘土なら、力加減や水加減、重さや傾き加減、などなど手の感覚でバランスを体得しながら作っていきます。大胆に力を込めないと得られない手応えを知ったり、優しく撫でればつるつるになる、そっと丁寧に運べばバラバラにならない、そんな風にモノを扱う手つきから思いやりの気持ちも育つのではないかと思います。ある子は、粘土をヘラで刻んではまた捏ねることをひたすら繰り返していました。どうするのかな…と見ていたら、レッスンの終了間際に一気にぱぱぱっと形を作り上げました。それがまたとてもユニークな形なのです。よく触りながら粘土の性質とじっくり向き合ったことで何かが腑に落ち、ひらめきが生まれたようでした。大人から見れば、ちょっと不思議で荒削りな形。でもそこには、すぐに大きくなってしまうこの夏の子どもたちの小さなてのひらと指のあとが、何かしらの考えや想いとともに、可愛らしい魚の姿となって残っています。今のその子そのものを受け止めてくれた形。つぶらな瞳がなんだか作者に似ているように思えてきます。さて完成後は、作品を並べおさかなつりゲーム開催!ちょうどリオオリンピック直後で「つりンピックだね~」と盛り上がりました。自分で作ったもので遊べるのも楽しかったようです。子どもたち自身にもとても愛着のある作品となりました。===================  ☆幼児クラス 秋の生徒募集☆===================子どもたちの伸び時の秋です!新しいお稽古をはじめてみませんか?体験レッスンキャンペーンを実施致します。通常の受講料1500円→500円に!この機会に是非お越し下さい。【日程】 9/2, 9,16, 10/7,14(すべて金曜日)     いずれかの希望日をお伝え下さい【時間】15時~16時【内容】人物クロッキー/空想画/観察画【募集対象】年中~年長のお子様【ご予約・お問い合わせ 】044-411-5154*お道具等はこちらで用意いたします。*お申し込みは先着順・お早めにどうぞ!
憧れが向上心となる
[日本画水彩] 2016.08.19
憧れが向上心となる
土曜日午後クラスでは春から取り組んだ作品が一段落しました。これまでの基礎デッサンや写生、模写等の経験を積まれた方対象に、日本画の画材と表現を用いた習作的な制作として、春夏が旬のアスパラガスを写生したものを元に細密表現に挑んでいただきました。 和紙に毛筆での線描きや、膠を使った顔料の溶き方、彩色の運筆など、あまり一般的でない日本画の画材は技法の訓練が必要な面があります。一つひとつに時間と手間がかかり、しかも湿度や気温、ほんの少しの水加減などで効果が変わってしまったりと、扱いは平易とは言えません。「思う通りにいかない。一筆ずつが囲碁をさすような感じで、相手(効果)の出方を楽しむ描き方ですね。」という感想が制作中に出てきました。皆さん真剣に慎重に画面と対話しながら、制作時間はいつもキリリとした緊張感があります。 しかし技法さえ磨けば描けるということではなくて、制作者本人の描きたい気持ちや憧れこそが技法を向上させるという事を改めて感じました。習作ながら、それぞれ作品へのねらいをしっかり持たれて、その想いをのせた絵の具の発色は明らかにその人のものになっていっています。「いや〜、難しい」「そちらはいかがです?」生徒さん同士で励まし合い、一筋縄ではいかない画材と格闘?しながらも、それに振り回されることなく自身の絵づくりを進めて行かれ、完成後は笑顔でした。描く仲間や先輩がいる事で高め合える環境がまた、制作の大きな助けとなっています。 皆さんに日本画にご興味を持たれたきっかけをお聞きしてみると、古美術や墨絵への関心、画材の魅力に惹かれて、現代作家の絵を見て、などとバラバラです。日本画の定義の解釈は様々ですが、日本画という美への憧れが向上心となり、それぞれご自身の日本画をつくっていくのだと思いました。 次回作はそれぞれに自由な画題で制作を進めます。モチーフへの想いも加わり、さらに魅力的な表現となることを期待しています。
光と影のクロッキー
[小学生クラス] 2016.08.17
光と影のクロッキー
 一ヶ月以上かけた工作もぞくぞくと完成を迎え、久しぶりの絵画制作が始まりました。今回は「 夏の光と影」がテーマです。まずは、夏のモチーフを取材しよう!ということで、辻先生のお宅におじゃましました。 沢山の夏野菜や光の反射が美しいガラスの小物などを用意して出迎えてくれました。チクタク時計の音 江戸切り子のコップ 小さな銅の鈴 お家にある一つ一つのものにエピソードがあり、子ども達は、辻先生からそんな話しを聞くのも楽しそう。アトリエでの満遍なく照らされるの蛍光灯の光と比べると、窓から差し込む自然光は、物の影をはっきりと作り出していました。影を描く楽しさを感じている子もいて、絵を描く場所(光と影)は、絵に凄く影響することを感じます。辻先生のお家は、座った時にちょうど良くお庭を眺めるために仕切られた木の窓枠など素敵に暮らす工夫があちこちにあります。  その秘密を少しお話しすると 辻先生の旦那さんである建築家の渡辺貞明さんが脈々と受け継がれてきた日本人らしい情緒を守って行きたいという思いで、昔の日本の建築の良さをそのまま残すようにしてフルリノベーションされたお家なのです。このお家の物語が、「家がおしえてくれること」小川奈緒(著)という本の中の「渡辺さんの二つの家」という項に載っていますので、どうぞご覧ください。さて、子ども達は、(私も)そんなこととは、知らずに「なんかトトロのおうちみたいだね〜」なんて言いながら、まるでおばあちゃんおじいちゃんのお家に行ったような気持ちで、光と影、木の風合いそれらが作る懐かしい空気を感じながらの楽しいクロッキーでした。次回は、夏の色を下地に取材した物を描いていきます。最後に私の、大学時代の友達が絵本を出版しましたのでお知らせさせてください。ずっと絵本を描くと言ういう目標に向かって一歩づつ歩いていた子です。お話の舞台がまるでブレーメン通りのようでとても楽しい絵本ですのでぜひ読んでみてください!(実は彼女アトリエ5の展覧会にも来てくれたのですが、帰りにブレーメンどおりをとても気に入っていた理由が分かりました。)「ぼくんちのシロ」すずきみほ(著)
目に映らない美しさ
[小学生クラス] 2016.08.15
目に映らない美しさ
夏休みに入り、いつもとは少し違う表情を見せる子供達。7月はお待ちかね夏の工作。各クラスで設けたテーマを基に、それぞれアイデアを深め制作していきました。素材の感触を楽しみ、それに反応しながら手を動かしてゆくのはとても刺激的。日を追うごとに日焼けしていく子供達の繊細かつ大胆な指先は、素材の白色と見事なコントラストをつくり出し、それはまるで夏の日差しのよう。完成作品は太陽のような笑顔と共にとても輝いていました。今回は抽象的な立体作品に挑戦したのですが、一般的に抽象は、具象や写実よりも、表現や価値判断が難解と考えられています。それは「美しい」の基準が、目に見える外の世界ではなく、目には映らない制作者の内側に多くあるものだからです。自分の中にフワフワ存在する「良い」と感じる何かを見つめ、丁寧に練り、外の世界へ送り出す。具象表現よりも自由な分、不安や責任も同じく大きいものです。勢いに任せなんとかならないこともないですが、自分の作品に責任を感じていればいるほど、(成長でいえば高学年になればなるほど)簡単に上手くいくものではありません。表現に対して「分からない」や「どうやるの」などの質問は、実は作品と向き合い始めた証拠でもあるのです。しかし今回、ほとんどこのような質問はありませんでした。それは勢いのみに任せた制作だったからではなく、さらにその2歩先、春からの経験で培った「自信」による、主体的な制作が行えていたからこそでした。講師に頼らずに自らの表現に没頭し、高学年に至っては寧ろ手を貸そうとするとピシャリと断る、制作中の講師の作品を講評する(厳しめに)など、もうほとんど出番はありませんでした。経験を重ね、内にある「見えない美しさ」を表現する難しさや喜びを知っているからこそ、他者が紡ぎ出す同様のものに価値を見出すことができるものです。目に見えない何かを大切にできる、抽象表現を「ステキだ」と思える気持ちが形になった夏の工作。成長の一記録となれば幸いです。   
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