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感覚を繋げて
[小学生クラス] 2016.07.04
感覚を繋げて
  感じた音を絵画で表現する「聴想画」。今年は各クラスで様々な試みを行いました。言葉と絵の具のリズム。自作した筆による新しい線の動き。織るように色を重ねて作る和の構成。音をきっかけに膨らんだイメージを、いつもとは異なる方法を用い、見事な作品に仕上げました。 聴想画の魅力は、目には見えない音を、色や形に置き換えることによって、音楽と絵画の新たな関係が結ばれることです。音は聴覚、絵は視覚で捉えるものなので一見別物のようですが、音を聴いた時、人間が感じているのは、実はその音から派生した色や風景、または匂いなどの別の感覚なのです。その逆もまた然り。優れた絵画を前にして感じるのは、表面的な技術の奥にあるそれぞれのメロディーです。音楽を聴いて選んだ色や組んだ構成は、例え本人が「なんとなく」と感じていても「必然性」を持ってじっくり見出されたものです。目には見えない、しかし確実に感じているものを見つめているからこそ、絵として浮かび上がってくるものは自分に忠実な「抽象」なのです。そうして完成された絵からは、また新たな音楽が生まれます。「先生、この絵ちょっとうるさいね。もう少し静かにするよ。」感覚と感覚を繋げ、そこに温かい手触りを感じさせることができた聴想画。春の絵画制作の締めとして相応しいものとなりました。  
気持ちを花にこめて
[いけばな] 2016.06.28
気持ちを花にこめて
◎感想:吉田香倫(草月流師範) 今回の初夏のいけ花クラスは、雨上がりの青々としたハランの葉とアイビーを主宰の辻邸の庭から提供していただき、他に赤、オレンジ、黄色等の元気が出るようなカラーの花をあわせた、5種類以上で生ける「まぜざし」というスタイルをやりました。 全員いけ花初体験のメンバーで、緊張で皆のドキドキが伝わってきました。でも生けていくうちに、いつの間にか緊張がほぐれ、どんどん夢中になっていく姿はとても頼もしく嬉しく感じました。 たくさんの葉の中から、皆それぞれの「私の葉」を自分で選んでいきます。 「やっぱりこっちの葉がいい!」 「もっと葉をクルンってしたい」 「こうしたいけどうまくいかない、どうしたらいいですか?」 など、感想や質問が次々飛び出します。 自分がやりたいことがはっきりしていて、そう思えることが“私らしさ”であり、こどもいけ花でとても大切にしているところです。“どうしたいか”があるから迷いなく生けたり、思い通りにならないから考える。 自分と向き合い、それをいけ花で表現する。 皆の思いが詰まった作品は、同じ花材でもそれぞれ違う作品になりました。 一人ずつ自分の作品の前に立ち、気に入っているところ、難しかったところなど発表してもらいました。 思いを言葉にして伝える、そして今日の仲間で共有する。そんな醍醐味も味わってもらいました。 またやってみたい!と思ってくれたらいいなと思います。
奏でる 色と線
[幼児クラス] 2016.06.27
奏でる 色と線
外を歩けば所々で紫陽花を目にするのが、この時季の楽しみの一つです。特に今年はどこも美しく、アトリエのお庭の紫陽花も見事に咲いていました。梅雨の楽しみがもう一つ、アトリエ5独自の「聴想画」。音をきっかけに絵で表現します。雨の季節は何かしっとりと静かな空気が漂うようで、晴れた日と違い、心も少し内向きに。。そんな気分のままに、ゴロンと床に仰向けになって目を閉じ、手回しのオルゴールに耳を澄ませてみます。いつもと違う導入に最初はくすくす笑っている子たちも、染み込んでくるような優しい音に、なんだかゆったり気持ちよくなっていく様子。 音は目に見えないけれど、もし色があるなら?形はどんな?子どもたちは音という抽象的なものに対して、感じたまま素直に反応して描いていきます。オルゴールの響きに気持ちよく身を委ねながら、紙の上でゆっくり混ざり合う絵の具の淡い色、じんわり広がる薄墨の跡に見とれている表情。水加減の効果の面白さを手にしたら、ここに色が欲しいなとか、もっと滲ませたいとか、ここは白いままの方がいいとか、自分の感覚で筆を加えていきます。どうなるかわからない描き始めは少し戸惑っていても、一度筆を運ぶともうそこは自分の世界。音に触れ水と戯れる様子がそのまま線や色となって画用紙の上にまた新たに奏でられてゆく感じです。この即興的なライブ感ある表現が聴想画の魅力。オルゴールの曲目は『星に願いを』。絵の具の水滴を「流れ星」と見立ててお願いごとを込めながら制作したこともあって、どれも優しい表現となりました。幼児期の素直な感性には大人もかないません。作品から心地良い響きを受け取っていただければと思います。
ラストスパート!
[中高生クラス] 2016.06.25
ラストスパート!
 ◎感想/講師:吉田一民中高生クラスでは現在、3ヶ月かけて油絵を制作しています。作品は7月一杯で完成となるので現段階ではまだまだ途中ですが、日々成長していく本人達と共に作品の方も様々な変化が見られ、考え方や物事の捉え方の幅が広がっていると共に、色使いや形を表現も上達してきているなと感じます。 作品を制作する中で、本人達も描き始めは悩んだり描き直したりと試行錯誤を繰り返していましたが、段々と作品に色が付いてくると私自身が何も言わなくても、自分自身の考えで表現し工夫していおり、日に日に良くなっていく作品の姿に私も毎回驚かされています。また、作品の描き込みなどを見てみると対象をよく見て観察して描いており、以前に行ったデッサンの経験が生きてきているなと本人達も感じているのではないでしょうか。作品について話しをする中で「ここは明るい空間にしたい」「メインの色で考えたい」「模様の表現を頑張りたい」など、様々なアイデアや課題を持って表現している様子が伺えます。しっかりとした考えを持って話す所などとても素晴らしいと思うので大切にしていってほしいと思います。 油絵の方も中盤を過ぎ少しずつ完成が見えてきたのではないでしょうか。あと一息となります。ラストスパート頑張りましょう。
心をすまして描いたもの
[小学生クラス] 2016.06.20
心をすまして描いたもの
  6月の制作は、音楽や、音のイメージをきっかけとして描くことそのものを楽しむ絵画制作です。耳を澄まして聞いたイメージを、線、面、色、形、組み合わせ、構図などによって表します。言葉で説明すると、難しく感じますが、子ども達は「音楽聞いて描くの好き!」と抽象画の入り口に恐れなく入っていきます。そうして、描くこと自体を楽しんだ結果、音楽を感じる絵が出来上がるのだから参ります。 さて、音を聞いて絵を描くと言っても、クラスによってその取り組みは様々です。本田クラス月•水曜日の前半クラスは、いつも使っている筆では描けない線を求めて「自分の筆を作る」ことからスタート。山田クラス火曜日前半クラスは、「たのしみは」から始まる短歌を目を閉じて聞きました。そして自分達も短歌を作ってみよう!と自分の楽しみなことを書き出す「言葉のスケッチ」をしました。辻•本田クラスの火•水曜日後半クラスは、雅楽を聞いてイメージが広がったところで、色鉛筆の縦と横の線で布を織るように描いてみよう!と染織家の志村ふくみさんの画集を見ることから。 さあ、子ども達は、どんなふうに耳を澄まし、心の中にイメージを広げたのでしょう。 作品を持ち帰った時は、ぜひ、どのように描いたのか聞いてみてください。
色鉛筆画:「ぬくもり」
[デッサン油絵] 2016.06.19
色鉛筆画:「ぬくもり」
作者:松永晴子/おとな美術コース・土曜日午前クラス妊娠・出産を機に長い間通わせていただいたアトリエを辞めることになり、これが最後の作品となりました。最初は鉛筆でまっすぐな線を均一に描けなかった私が、ようやくティッシュBOXデッサンまでたどり着き…けっこう上手く描けたんじゃないか?と自負しては、先生に白いティッシュの素材感が出ていないとダメ出しされる日々。しかし今見ると、鉛筆一本で描いた作品にもかかわらず私らしさが出ているなぁと感じます。その後色鉛筆画に移行したものの、なかなか自分の思った色が出せない。そこで、絵の具を混ぜて色相環を作る色彩構成に取り組んだり、横山先生の色鉛筆講座で補色について学んだりしました。どれもこれも、今回の作品につながっています。この絵は、喜怒哀楽を手の色形によって表現したものです。これを描きたいと思ったきっかけは、クリスマス交流会で他クラスの生徒さんの喜怒哀楽作品を目にしたからでした。思わぬ場面で良い刺激を受けることとなりました。 制作には、喜びのイメージ、怒りのイメージ…とそれぞれ箇条書きにし、自分自身の感情と向き合う手順を踏みました。手に光を受ける感じを表すのは難しかったですが、先生におすすめいただいた黒田清輝展に足を運んだのが役立ちました。自分の手の以外の部分は抽象表現となりますが、背景の色や描写を決めていくなかで、実際に雑草の取材に行ったり、オーロラの写真集を参考にしたりしました。私が今まで描いた中で1番サイズの大きい作品でしたが、それでも描きあげることができたのは、子どもが生まれたら見せてあげようという気持ちがあったからだと思います。喜怒哀楽、どの手も、柔らかい光、あたたかい光、包まれるような光に手を伸ばしています。これからたくさんの人の手に触れる我が子が、そのぬくもりを感じながら成長してくれることを願っています。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・松永様の過去の制作https://atelier-5.com/blog/otona/adult-class/?p=3896
わたしのお花
[親子クラス] 2016.06.13
わたしのお花
渋谷 葉子昨晩「中原区市民健康の森を育てる会」で開催されているホタルの鑑賞会に行ってきました。この会は井田山の里山環境を将来にわたって守り育てて行こうと、2001年に地域住民の皆さんが中心となって発足されました。「市民健康の森」は川崎市7区に各一カ所ずつあり、ホタルの放流は各所でも行われているそうですが、成功しているのは井田山だけというのですから、いかにこの活動が難しいかが分かります。私は多摩動物園の昆虫館で見ただけで、自然の中を飛ぶホタルを見るのは初めてでした。想像していたよりも光は小さくはかなげで、暗い木々中でやっと見つける感じですが、ふわ〜っと飛び立つ姿を見ると、何かお仏様にでも導かれるような、そんな尊いものを感じました。ホタルは水や土の中で長いこと暮らし、成虫になると一週間しか生きられないそうです。ですから鑑賞できる期間もほんの数日。こんな都会の中で貴重な体験をさせて頂き、井田山の活動をなさっている方々に感謝の気持ちでいっぱいです。 さて、親子クラスはこの4月から新たに「3才児クラス」を開講しました。生け花と折り紙を盛り込んだユニークなカリキュラムです。先月末に初めての生け花に挑戦しました!初夏に相応しく紫陽花、挿し色としてガーベラを。そして主宰、辻の庭の豊富な緑を提供して頂きました。生け花といってもあまり形式に拘らず、自由に生けてみました。お母さん方は初めてということで、あれこれと悩みながら生けていらっしゃいました。しかし、子ども達はあまり迷いはなく、きっぱりと決める潔さ。「こども生け花クラス」の講師から話しには聞いていましたが、実際に目の当たりにしてみて、いつも決断に時間がかかる私はその早さがとても羨ましく思えました。 「花はいけたら、人になる」という言葉があります。今回、初めて教えてみて、この意味が本当に分かったような気がしました。 * * * * * * * * * * * * * * * * *    親子クラス・無料体験キャンペーン 親子で季節感溢れる造形活動を楽しんでみませんか?只今6月に限り通常の受講料が1500円→0円に!〆切間近ですので、是非お早めにお申し込み下さい。 【2才児】日時/6月15日(水)  10 : 30 〜 11 : 30                 【3才児】日時/6月22日(水) 13 : 30 〜 14 : 30 *4/1迄に3才に達しているお子さん対象 お問い合わせ ☎ 044 - 411 - 5154(休:日曜日)* * * * * * * * * * * * * * * * * 
描かない時間
[小学生クラス] 2016.06.06
描かない時間
  心地よい風の中に、雨が薫り出した季節。5月の観察画は、各クラス素晴らしい取り組みの中、幕を閉じました。それぞれでテーマやモチーフは異なりましたが、熱気や集中力は皆同じ。今、自分ができることを全力で行い、とても充実した制作となりました。今回は「観察画は、形や色をそっくりそのまま描くことのみが目的ではない」という、くどいほどの講師の思いが浸透したのか(…は定かではありませんが)、皆モチーフとの関わり合い、モチーフとのコミニュケーションの時間を十分に取って制作していたのが、とても印象的でした。特に高学年のベテランになると、画用紙に絵の具やクレパスで直接「描いている時間」よりも、色づくりを研究したり、構図を考えたり、ただぼんやりとモチーフを眺めたりしている「描かない時間」の方が長いぐらい。一見するとサボっているように映るかもしれないこの光景。実は「描いている時間」と同じか、またはそれ以上に大切な時間なのです。 ただ反射的に動くのではなく、反応する。 外界を繊細に受け止め、考えを巡らし、自分の納得いく答えを見つける。 それは絵づくりに限ったことではなく、寧ろ日々の生活の中でこそ重要になってきます。スピードや効率が重要視される現代において、勇気を持って一度足を止め「観察=描かない時間」をつくり出せる力。それはあらゆるものの美しさを知ることが可能となる力です。空の色、虫の息遣い、友人達との会話…。何気ないものに輝きを与えることができれば、こんな素晴らしいことはありません。そんな「観察する力」をこれからも存分に、各々のペースで養っていって欲しいです。
色の質を意識する 色鉛筆編
[色鉛筆画] 2016.06.03
色の質を意識する 色鉛筆編
今回の講座では、前回に引き続き「色の質を表現する」事を学びました。前回は質に注目するため、色を省き鉛筆を用いましたが、今回はいよいよ色鉛筆での描写に入りました。(鉛筆での描写の内容については→こちらをご覧下さい。) 紙の目を潰し、色の質を変えて描写する今回の課題ですが、色鉛筆には鉛筆のように硬さの種類がありません。そのため、紙の目を潰す場合は、「薄い色で筆圧を上げて描く」または「1度描いた箇所を消して、また描く」というやり方になります。戸惑いながらも積極的に紙の目に対してアクションを起こし、それぞれ学びのある作品が出来たと思います。ですが「色の質」という要素が1つ加わる事で、生徒の皆さんに少し混乱があったようにも感じました。陰影も描きながら…重色も考えながら…紙の目の潰し方も考えながら…と、色々な要素を同時に考えながら描くと混乱してしまうかも知れません。 そんな時は、1つの色には1つの要素だけを与えるようにすると良いです。例えば、この色は影を描く色。この色は固有色を塗る色。この色は反射光の部分の紙の目を潰す色。などという具合です。そして、描く要素を変える際には、一緒に使う色も変えましょう。そうする事で自然と色の層ができ、複雑な絵になっていきます。描きながら考えるべき事は多いですが、同時にやろうとせず、一つひとつの要素を積み重ねていくと、混乱せずに絵を進めて行く事ができると思います。 ※2016年度から「初級コース」「上級コース」に分けて講座を行っています。初級コースの内容については、既に別のブログで紹介しているため、ここでは上級コースの内容を中心に紹介しています。(初級コースの内容については→こちらをご覧下さい。)
パイナップルとアイビー
[幼児クラス] 2016.05.30
パイナップルとアイビー
 アトリエ5の5月は観察画。五感を使って今の季節を存分に感じることを大切にしています。幼児クラスはメインのモチーフに旬のパイナップルを選びました。教室に置くと、爽やかな甘い香り。華やかな存在感。サブモチーフに庭の新緑アイビーの葉も添えて描きます。子どもたちがどう感じて捉えて絵にしてくれるのか…。身近で見応えのあるモチーフを見つめる眼差しは真剣で、その描きっぷりにそれぞれの個性が表れたように思います。 大きさや重量感に反応した子。一つひとつの房を丁寧に追う子。トゲトゲした手触りが鉛筆の線にも表れた子。みずみずしい香りの印象を意外な差し色で表現した子。確かめ確かめ、対象に近づこうとすることと、自分なりの感覚と解釈で捉えることの間を行き来し、自分の絵の落としどころ、納得のしどころも違っていました。 —まだまだ描いていたい!時間が足りないよ!—ここ甘そうに感じるからこんな色だよ、素敵でしょ。 観察画といえど、目的はモチーフの見た目の再現ではありません。モチーフをきっかけに、何か感じている心の動きが表れていること、感じていることは一人ひとり違うということ、その違いこそが魅力であることを、子どもたちの表現が語っています。 モチーフの描写の後には背景を絵の具で彩色しますが、彩られた色面で絵がガラリと変わるので驚きます。絵の具の層が厚く重なり、抽象化していく子も。色と戯れ、筆の感触も「感じて」夢中になっています。出来たぁ、と少し離れて自分の絵を眺めてみると、自身でも絵の変化に驚き、満足げな笑顔を見せてくれました。 これから別の機会にパイナップルを見ると、この絵を描いたときの気持ちも思い出してくれるでしょうか。五感と記憶が重なり、感性はまた豊かに膨らんでゆくと思います。 ====================== ☆幼児クラス 6月の無料体験レッスン☆======================只今、幼児クラス生徒募集中につきキャンペーンを実施致します。通常の受講料1500円→0円に!この機会に是非体験にお越し下さい。お友達とお誘い合わせでの参加も歓迎です! 【日程】6/9(木), 10(金), 17(金),  23(木), 24(金)   いずれかの希望日をお伝え下さい【時間】15時〜16時【内容】音楽を聴きイメージを絵の具で表現します【募集対象】年中〜年長のお子様【クラスの状況】木曜残席わずか・金曜空席あり【ご予約・お問い合わせ 】044-411-5154 次回の募集受付は9月〜です。お申し込みは先着順・お早めにどうぞ! 
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