[小学生クラス] 2016.03.23
友達と梅
◎ 講師:本田雄揮/制作:2016.3月ねらい・1年間過ごしてきたクラスの仲間への思いを込めて描く。・4B鉛筆の線にこだわった表現、モノクロの構成の美しさを感じる。・季節の花、梅を観察し、冬から春への移ろいを知る。 暖かい日差しが増え、確かな春の足音を感じられる3月。今年度最後の制作は、クラスの友達と梅を描きました。1年間、共に制作を支えてきた仲間。その思いを鉛筆の線に託します。 お互いモデルをし合いながらの10分クロッキーを行った後、同じように梅の枝を描きました。「先生、この小さい蕾は人間でいうと何歳くらい?」「赤ちゃんみたいだから1、2歳かな」「じゃあこの開き始めているのは私達くらいかな」「そうだね」「じゃあこっちのこれは先生だね!」「先生はもっと若いです」冗談の中に感じる確かな観察する心。優しい線で成された梅は、スケッチブックを閉じるとこぼれてしまいそうなほどでした。その後切り取ったクロッキーを、バランスを考えながら画用紙に構成。そして最後に背景を絵の具で彩色。今回はカラフルな色は使用せず、白と黒のみの「モノトーン」で行いました。理由は、思いを込めた4B鉛筆の線を大切に見せたいから。子ども達もそれに納得。さもそれが当たり前のことのようにすんなりと受け入れました。「絵のこの辺りが弱い気がする」「ここの黒が強いなあ、これだと線が目立たない」「いい色が出来たよ!きれいな丁度よいグレー!」モノトーンで絵づくりしながら出てくる言葉は、およそ小学生のものとは思えません。この1年間で培ってきた、描いて、見て、感じる心で、丁寧に紡いでいきます。完成のタイミングも自分で判断。「これでよい」ではなく「これがよい」を自ら見つけ、皆満足のいく終わりを迎えられました。今回は一見、地味に感じられる作品かもしれません。しかし、実は全くの逆。暖かく膨らむ4Bの線。悩みながらも楽しんで考え抜いた構成。細かな調節を何度も繰り返した絵の具。例えるならば、多くの人が目を奪われるような、咲き誇る色鮮やかな花の美しさではなく、道に転がっている小石の中から同様のものを感じ取る感覚。特別なことはない、日常の中から美しさを見出す力。こんなに豊かなものはありません。今回でアトリエ5での制作が最後の子も多くいます。ここで自ら育てたその力に自信を持ち、新たな世界へと一歩ずつ進んで行って下さい。