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墨汁の匂い
[親子クラス] 2017.01.17
墨汁の匂い
◎講師  渋谷 葉子年明けのレッスンは墨の制作で始まりました。墨汁の匂いに「懐かしい!」とお母さん。いつもとは違う画材にパッと眼を輝かせる子ども達。書初め用の太筆でグィ〜ッと引く線の気持ち良さに次第にハマります。4月からは幼稚園、保育園に入園と、母の手元から離れる初めの一歩。喜びとちょっぴり不安な思いを込めるお母さんと、真っ黒い汚れも気にせずに挑んだ子どもとの共同制作。是非、ご家庭に飾って下さいね。先日、十何年振りかに子ども達と砂遊びをしました。以前勤めていた保育園は園庭全てが砂場だったので、よく遊んでいました。久々に私のスイッチが入り、シャベルを持つと、用具棚にプラスチックのトンネルを見つけました。これを使えば簡単にトンネルができる。その上にどんどん砂をかけると、直ぐにお山のトンネルが出来ました。でも、それでは楽しくないのです。向こう側とこちら側からお互いに穴を掘りあって、手が繋がる瞬間が楽しいんです。例え失敗して山が崩れても、また作り直すことも楽しいのです。今の世の中、便利なものが溢れ、失敗しないよう要領よくこなす事ばかり求められています。しかし、昔から「失敗は成功のもと」と言われるように、失敗の中にこそ新しい発見があるのです。作っては壊し、壊しては作る。日々の遊びの中から子ども達が見つけた物こそが、本当の力になるのだと思います。
出品作制作、佳境に
[日本画水彩] 2017.01.13
出品作制作、佳境に
新年が開け、2年に一度の作品展が目前に迫ってまいりました。おとなクラス全クラスで出品作の制作の追い込みに拍車がかかっています。それぞれに日々の生活やお仕事でお忙しい合間に、作品づくりに向き合う時間を確保することは大変だと存じます。それでも、おとなクラスの皆様は真剣そのもの。制作が進む毎に生じる課題に果敢に取り組み、日常の隙間を縫って次に向かう準備を整えて来られるので、翌週アトリエのドアを開けるなりさぁ描くぞ、とレッスン時間の集中の高まりに教室の熱気はムンムン、です。今月よりさらに緊張感が増してきました。 私の担当する日本画クラスからは、初出品の方も数名。画材の扱いや技法の着実な習得もあり、それぞれの個性ある筆遣いなども際立ってきました。瑞々しく、初の日本画を描く喜びに溢れた作品群となりそうです。一方でいよいよ制作が佳境に入ってきたベテランの方々は、これまでの研究制作を踏まえた意欲作。岩絵の具の発色の美しさを目指し、ここから一踏ん張りというところです。日本画の表現は準備段階にとても時間がかかり、本画に着手するまでが遠い道のりに思えますが、自分の感覚・考えを信じて、焦らずじっくりと一筆ずつを味わうように制作して頂ければと思います。   日本画の他にも油絵、色鉛筆画なども同会場に並びます。皆様各々の表現で「今の自分」のベストを尽くそうと大切な時間と心を込められた作品群が、会場でどのように映えるのか、またそれぞれがどのように響き合う空間となるか、とても楽しみです。
季節を紡ぐ
[小学生クラス] 2016.12.19
季節を紡ぐ
 窓から差し込む光が部屋の奥まで長く伸び、外の空気を伝えるそんな季節。約二ヶ月に渡って制作した冬の工作『早春の野原』も、先日無事完成を迎えました。冬の寒さを感じながら春の訪れを想像し糸で丁寧に形作っていくこの作品は、アトリエ5のひとつの象徴といえるものです。チクチクと一針ずつ地道に進めた線は、まるで一日一日移ろう季節の変化。それらが集まって歓びの季節を告げる風となり、羊毛やビーズの色をより美しく咲かせます。同じことをしているはずなのに、一人ひとり作品から溢れる美しさが異なるのは、それぞれが新しい素材との出会いに感動できたから。使い慣れていない針や糸や羊毛と、何度も格闘しながら獲得した自分だけの感動は、作品の中に柔らかい温もりとしてモフモフと詰まっています。季節というものは繰り返し訪れますが、全く同じ時は一度もありません。それはこどもと同様です。何度も失敗し、同じ場所を巡っているように見えても、内面は常に変化し、確かな成長へと繋がっているのです。こどもを見ることは、季節を敏感に感じ取ることと同じ。たくさんの玉結びを手伝いながら、そんなことを感じました。こどもと共に変化を紡いでいく喜び。冬から春へ。作品展の季節が今から楽しみですね。
子育てのスピード
[親子クラス] 2016.12.14
子育てのスピード
 ◎講師:渋谷 葉子街にはクリスマスのメロディが流れ、ショーウィンドウには色鮮やかなデコレーション、まさにクリスマス一色。大人達は何かと気忙しく、子ども達のにとっては楽しく待ち遠しい12月。親子クラスでは先月と2週続けてクリスマスリースを制作しました。針金のハンガーに新聞紙とアルミホイルを巻いた物に麻ひもを巻いていくだけのシンプルな制作です。手先を使うことは、幼児にとってはなかなか面倒で根気のいること。自分でやりたい、けれどひとりでは上手く出来ない。お母さんと衝突することもしばしば。この年齢ならではの光景です。コツを掴んできたところで「糸まきのうた」歌って応援します!世の中はどんどん簡単に、指先一つで物事が処理できるようになってきています。とても便利なように思えますが、果たしてそれは子ども達にとって良いことなのでしょうか?簡単にできるようになることよりも、少し難しいことを練習して獲得することに意味があると思います。どんなに世の中のスピードが速くなっても、子育てのスピードだけは速めてはいけません。むしろ世の中に逆らって(笑)ゆっくり、じっくりとお子さんと向き合って楽しみましょう。
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