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ノートの端から生まれたもの
[小学生クラス] 2016.10.03
ノートの端から生まれたもの
 爽やかな風が肌を撫で、共にキンモクセイの薫りが漂い、目には凛とした彼岸花。初秋の訪れは5感を特に鋭くさせますね。9月の高学年クラス空想画は「生命の歴史」というテーマで「新しい生命が生まれる星」を空想し、細密な表現に挑戦しました。生命が生まれると、そこにストーリーも生まれる。お互いが関係し合い、ストーリーは濃密で複雑なものに進化していく。それをそのまま作品に繋げていきたいと思い、敢えて細かい描写のみで行いました。なかなか根気が必要な制作でしたが、誰一人根をあげることなく、寧ろ「もう少し家で進めてくる」とさらなる意欲さえ見せてくれるほど。ひたすら手を動かすにつれどんどん画面の密度が増し、同時に生まれてくる空想や表現も充実し、気持ちも乗ってくる。細密的な表現の醍醐味を確かに感じとり、満足のゆく完成となりました。「ノートの端にらくがきするような気分で」と子供達に話をした今回の制作。私なりに「本当の意味で自由に絵を描いたのはいつだったか」を考え、出した答えの一つがこれでした。学生時代、授業中こっそりと数式の隣に描いた変な生物。硬い説明文のすき間に生まれる謎の物体。テスト用紙の裏に描かれた先生の似顔絵。あの時ほど無理なく楽しく、自然体な絵はなかったかもしれません(勿論勉強もちゃんとしていました)。それは例えば、雑巾を無理やり絞って出した最後の一滴ではなく、かといって手を加えずともびちゃびちゃただ大量にこぼれる訳でもなく、そっと優しく握って、そこから少しずつ滴ってくるもののようでした。成長するにつれ、知識と技術を持って力を籠め雑巾を絞ることが必要なのですが、この時描いたものやその時のすき間を埋めるような気持ちは、確かに今の自分を支えているものとなっています。ノートのらくがきは所謂図工などでタブーとされる漫画的表現で、ほとんど価値を見出されず蔑ろに考えられていますが、正直子供達はそのようなものをもっと描きたい、描いて認められたいと感じています。「そんなものはお家で描きなさい」と言われ続けると、これは「いけないもの」と感じ、対して学校などで行うものを「立派な表現」と捉え、頭が固くなり委縮し苦手意識が生まれてしまいます。「遊び心」を無くした表現は息苦しく面白味に欠けるものです。どちらか片方ではなく両方あることが大切なのです。君達の良いと感じるものはなんでも(工夫すれば)立派な表現になることを、ちゃんと価値があることを知っておいてもらいたい。ノートの端の、ページに挟まれ眠っている何気ないらくがきにも、画用紙に絵の具で描いたものと同様に、心を成長させる種があることを感じておいてもらいたい。そんなことを少しでもできたらよいなと思った今回の制作でした。是非大切にして下さい。 
9月の雲とシャボン玉
[小学生クラス] 2016.09.28
9月の雲とシャボン玉
小学生 火曜日後半クラス夏の工作「白い風の塔」で全力を出し切ったので(私も...)、少し気分を変えて近くの国際交流センターの庭で木のスケッチをしました。心地よい風のお陰でしょうか、黙々と描かれた線は力強く感じます。そして、夕刻には延々とシャボン玉を飛ばして、自分たちの気分もすっかり舞い上がり、空高く浮かぶ9月の美しい雲を愛でました。翌週からは長雨になりましたが、あの日のあの素敵な瞬間を忘れない様に、絵にしてみましょう。の呼びかけに「うん!」と頷き、少し自分なりにアレンジを加えて描き進めました。画材のマンレイのクレヨンは、美しい発色と透明感で重ねると深みも出ます。そこに定番のサクラクレパスや特別にぺんてるのクレパスも加えて、描いては擦り重ねては擦り...を繰り返して微妙な色作りに拘りました。絵の具の回には各自の考えが既に定まっていて、シ〜ンと静まり返る独特の空間に、私は手元を良く観て座っているだけです。子ども達が自分の表現に真っ直ぐに向っているこの時が全てです。「うん、いいと思うよ、その考え。私は賛成です。」「そこ、難しいよね。何か別のやり方あるかも?」「失敗しちゃったね。もう一回やってみる?どう?」言葉無しで「うん!」と頷いてあげるだけで自信を取り戻し俄然ハッスルする事も多く、私は子ども達の考えをとにかく良く観てあげる事に専念しています。それでも、、集中は切れます。そんな頃合いに絶妙なタイミングで春日が、「お水欲しい人〜きて下さ〜い ♪」このタイミング助かるわあ〜(私も)そんないろんな絶妙なタイミングが重なり合って素敵な作品群が生まれます。さあ、次は10月の秋の観察画です。講師陣も張り切っています。ご期待下さい!
自分で選び、自分で決める
[いけばな] 2016.09.27
自分で選び、自分で決める
    土曜特別講座 こどもいけ花クラス ◎感想/講師:吉田香倫(草月流師範)   今回は“秋”を意識した花材を使用しました。 トウガラシ類の実、ワレモコウやケイトウなどいけ花で使う秋の代表的な草花、そして今回も主宰の辻邸からヒュウガミズキ、チャノキ、ハランを提供していただきました。   みんなに同じ花材を使ってもらいますが、枝ぶりや実のつき方、葉の大きさなど、ひとつとして同じものはありません。これらの花材を見せ、子どもたちに自分が「これ使ってみたい」と思う枝や葉を選んでもらいました。同じものを選んだ時はジャンケンで。運もありますが、生ける前の花材を選んでいる段階からいけ花は始まっています。   ハランは青々とした葉ですが、2年ほど前に切り乾燥させてあえて茶色や黒っぽくなった葉も取り入れました。それを選ぶか選ばないかも生けながら決めていきます。全部の花材を必ず使い切らなければいけない、などのルールもないので、“あえて使わない”という選択肢もあります。   それらを自分で考え、選びます。   手にとって生けてみたけれど、「やっぱり違った。交換してもいい?」などの声も。 「ちょっと(茎を)切っちゃったんだけど…ごめんなさい」とも。 そう思う気持ちを聞けて嬉しく感じました。いろいろ試すことも、生の植物を扱っているということを意識できることも生けるにあたって、とても大事だと思います。   経験者も初心者もとてものびのび生けることができました。生け終えた時の表情がみなとても誇らしく、満足のいく作品ができたと感じてくれていたら嬉しいです。   ***************** 2017年度も土曜特別講座「こどもいけ花クラス」開講予定 詳細は決まり次第アップ致します。  
遊び込んで心をほぐす
[幼児クラス] 2016.09.21
遊び込んで心をほぐす
夏休みにたっぷり遊んだ子どもたち。でももう秋口になると普段通りの日々が始まります。楽しい思い出の続きは絵の中で遊んで、ゆっくり夏にお別れしよう。9月の空想画は、秋本番の前に心をほぐす目的で取り組みます。森を舞台に、かくれんぼをしよう!というテーマでの制作です。「森」は、この地域の子どもたちにはあまり身近ではない存在。夏休みに森へ行ったという子も多くはありませんでした。でも童話の中に出てくる森など、漠然としたイメージは持っています。だからこそ「森ってどんなところかな…?」と想像が膨らみます。木がいっぱいあるところ?ならきっと、生き物もいっぱいいるね。オニさん決めてかくれんぼしよう。「かくれんぼ」は知ってる!やったことある!知らない事とよく知っている事の掛け合わせで、想像の森はどんどん豊かに。「かくれる方が得意だよ」「私は見つける方が得意」「こんな木ならかくれやすいかな?」わいわいお話をしながら絵の中も賑やかになっていきます。動物たち、木の実にきのこ、ぼく・わたし・せんせい、天使(!)もかくれんぼ。「もういいか〜い?」「まあだだよ〜!」制作しながら弾む声が楽しげです。絵の具で森の木々の葉っぱの色をつくり、塗りながら「み〜つけた!」クレパスの線が絵の具をはじいて出てくる効果を楽しみ、ペタペタ色をのせました。風の森、秋の森、夜の森。色で絵の印象がガラリと変わって、子どもたちの内にある豊かさが見られるようでした。線が埋もれそうにたっぷり塗った子、少しずつ塗りながら淡いにじみを楽しんだ子、それぞれの調和があります。片付けの後、「楽しかったぁ、絵の具っていいね!」と満足げな声。絵の中でしっかり遊び込んで、秋に向かう準備はOKです。 ====================  ☆幼児クラス 秋の生徒募集☆====================「芸術の秋」子どもたちも伸び時です!体験レッスンキャンペーンを実施致します。通常の受講料1500円→500円に!この機会に是非体験にお越し下さい。【日程】 10/7,10/14(金曜日)     いずれかの希望日をお伝え下さい【時間】15時〜16時【レッスン内容】秋のモチーフの観察画【募集対象】年中〜年長のお子様【ご予約・お問い合わせ 】044−411−5154*お道具はこちらで用意いたします。*お申し込みは先着順・お早めにどうぞ!
2つの空想画
[小学生クラス] 2016.09.19
2つの空想画
  今月の月・火・水(低中学年)クラスは、「秋の空」からイメージを膨らませて描きます。まずは、秋の空をスケッチしに国際交流センターに行ってきました。からっと晴れた空には、名残惜しそうな夏の雲と、涼しげな秋の雲が混在して雲をスケッチするのに、最高の一日!鱗雲に羊雲。クジラみたいな形もあるよ!あっリンゴ雲! スケッチを終えたら、シャボン玉をしました。 夕焼け雲とともに舞い上がるシャボン玉。子ども達の笑い声も上がって行きます。皆で遊んだ美しい時間が、絵にぐっと力強さを与えると思います。完成をお楽しみに! 月・水の後半(高学年)クラスは、「自分の星」をテーマに、銅版画のエッチングのような線画に挑戦です。地球以外に生命が存在する星があったら、どんな景色が広がっているだろう?今回のルールは、「とにかく線でみっちり描くこと!」のみ。 教科書に落書きするあの感じ。いつもは押さえてしまうあのイメージの広がりをとことん描ききってみよう! 線描の作家に童話画家トーベヤンソン漫画家大友克洋、グラフィックデザイナー永井一正などの本を紹介しました。 「うわー世界観はんぱねえ!」「気持ち悪い〜」という子も。好きも嫌いもいろいろ見てみんなで感想を言い合うのが楽しそう。 アトリエでの空想画は、低学年と高学年では空想の仕方が違うので今回のように内容を変えています。低学年は、現実と空想の境目が薄いので、出来るだけシンプルにどんどん描けるようなテーマを考えています。雲の形を見ただけで、「雲のお城だ!」「おばけだ!」「くじらだ!」と次から次へとイメージが膨らんで行く低学年の子ども達。まさに空想の達人です。 経験と自分の考えを持ち始めた高学年は、現実から空想できる入り口を見つけ自分の空想を広げていきます。リアリティを種に、考えを練り想像を膨らませます。絵を見ると「なるほど〜」と味わい深いストーリーが込められていたりします。よく、高学年の保護者の方からだんだん大胆さが無くなり、 小さく細々してきたけれど、大丈夫かしら?というお話を聞きます。あののびのび描いていたのは、どこへ行っちゃったの?と不安になる気持ち良くわかります。でもそれは 自分に対しても他者に対しても批評する力が育ってきた成長のあかしだと思います。焦らずに一人一人違う成長段階を飛ばすこと無くその時のその子の想像(考え)を見守っていきたいと考えています。 
アトリエ5のおつきみ
[親子クラス] 2016.09.14
アトリエ5のおつきみ
◎講師:渋谷 葉子朝晩、鈴虫の声がにぎやかになり、涼しい風が吹く季節になりました。9月の初回、親子クラスではお月見制作を行いました。これは毎年恒例にしています。導入に「14ひきのおつきみ」の絵本を読みます。ねずみの家族が木の上に登り、お月見をします。空が茜色から夕闇が迫り、お月さまが現れるまでの場面転換が絶妙!お月さまを眺めるシーンではいつの間にか自分がねずみ家族の一員になっている…  そして、お月さまと秋の実りに感謝して、家族みんなが手を合わせます。最近は満月を収めようと皆がスマホを向けている光景をよく見かけます。これも時代なのでしょうが、「家族みんなで手を合わせて感謝する」忘れてはいけないことだと思います。絵本の後はサインペンや絵の具で思い思いのお月さまを表現。そして、そのお月さまを眺めながらみんなでお団子を食べます。子ども達にとってはこれが醍醐味!一番の思い出として残るようです(笑)残念ながら今年の十五夜はお天気が悪いようですが、来月の13日は十三夜。この日もお月さまがキレイに見えます。是非、ご家族でお月さまを愛でながら手を合わせ、今ある幸せに感謝致しましょう。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ = 親子クラス・秋の生徒募集 = 定員の都合上、一組のみの募集となっております。体験レッスンキャンペーンを行っていますので、通常の受講料1500円→500円に!この機会に是非お越し下さい。【日程】9/21,  10/5,(いずれも水曜日)【時間】10 : 30 〜 11 : 30【対象】2才〜未入園児のお子様【ご予約・お問い合わせ】電話:044 - 411 - 5154(10:30〜18:30 休:日曜日) *お道具はこちらで用意致します。 親子共、汚れてもいい服装でお越し下さい。 尚、新年度の説明会を2月に予定しております。こちらのお申し込みも受付を開始致しました。先着順ですので、お早めにどうぞ。
絵を「つくる」
[小学生クラス] 2016.09.05
絵を「つくる」
  残暑が厳しい中、皆様いかがお過ごしでしょうか。朝晩はだいぶ涼しくなりましたね。夏の疲れが出やすい季節なので、体調に気をつけて過ごしましょう。8月は「夏の光とかげ」をテーマに、この季節ならではの絵画制作を行いました。先日行った辻の自宅や休み中に描いてきたスケッチを、絵の具で作った「夏色画用紙」の上から「光とかげ」に注目しコンテで表現しました。絵の具を使う際、普段使う筆ではなく、スポンジやたわし、スキージーなどを用いたことによって「描く」よりも「つくる」という意識が強まり、続くコンテでもそれは同様で、完成作品はかなりダイレクトな、それぞれの「感覚」が残るものとなりました。最近の子供達の制作を見ていると、特に今回は、上述したように「つくる」という感覚を有していることがとても多くなってきたように感じます。前回の夏の工作で扱った粘土などの立体作品はもちろん「つくる」なのですが、それが平面作品にまで伸びてきたような、制作する姿を見ていると「絵を描く」という言葉だけでは当てはまらないような、寧ろ「描く」という言葉を忘れ、一言では表せないことをしているような、不思議な気持ちになってきます。具体的には体の使い方が多様になったとか、作品との距離感が少しずつ自在になってきたとか、相応の答えは思いつくのですが、それだけでは片づけられない、もっと「ものをつくる」ことの根本に迫るものが芽生えてきたように思えてなりません。専門性を深めた「能力」の幹となる「人間力」とでもいいましょうか。ルネッサンスの巨匠であるダ・ヴィンチやミケランジェロが、専門以外の様々な分野でそれぞれ一流の才能を発揮したように、またはピカソが絵だけではなく立体や陶器なども手掛け世界一の作品数を誇るように、自分を決めつけず、ただ夢中になることを喜べる原始的な感情。無意識に形作られ、成長するにつれより細分化し、時に窮屈に感じてしまう頭の中の枠組をずらしたり取っ払ったりして、もう一度自分の意志で構成し直す力。得意とか苦手とかを超越した、おそらくそのようなものだと思います。工作で何かをつかんだ子が、粘土のように色をこね、感覚を形成した今回の作品。ひと夏の成長を、この秋さらに広げていきましょう。
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